[CML 010812] 原発事故で告発されるべき人(続)

T.Uehara spilliaert at jcom.home.ne.jp
2011年 7月 19日 (火) 01:20:43 JST


原発事故で告発されるべき人(続)

>4以外は、刑事告発は問題となりえないのではないでしょう(前田朗さん)

私は東芝と同等の原発メーカーで安全設計・評価に携わっていた者ですが、日本
国民から安全審査指針を作った原子力安全委員会への告発(責任追及)がなされ
ないのが不思議でなりません。なぜならアメリカのように指針が真面目に作られ
ていれば、長時間の外部電源喪失が設計上考慮され、例え津波があっても今回の
ような決定的な事故に至らなかったのはほぼ明らかだからです。

おそらく市民運動の皆さんも実は原発の安全性確認の仕組みを理解していないの
でしょう。原発の安全性は国の指針に従って東電(&東芝)が製作した施設を、
国の委員会がその適合性を審査しています。今回(1)指針が根本的に間違い
だった(2)安全審査自体も結果的に間違いだった、この2点、特に指針の件で
は原子力安全委員会とその監督官庁の、決定的な職務怠慢ないしは意図的な国民
の生命軽視(安全性無視)は明らかと思えます。

なぜ特に指針が問題かと言えば明確に「外部電源がなくなる事は考えなくてもよ
い」と書いてあるからです【下記参照】。このような大前提がはっきり明記され
ているのは、なんらかの検討があったからで。しかも今やそれはまともな検討で
なかったのは明白です。更に1977年当時でも機器故障率など安全性を真面目に細
かく考えればこのような大前提が書ける訳がありません。



さて、指針の中の問題部分は1977年指針制定時からあり、1990年の改訂時もその
ままでした。この文を誰が書いたかについて、7/17テレ朝のサンデーフロントラ
インが取材し30分近くの特集を放送しました。その結果は

(1)1977年指針制定時に書いた人物=不明
(2)1990年指針改訂時の責任者=村主進(原子力安全委員会・原子炉安全基準
作業部会・部会長)&石川迪夫(指針起草ワーキンググループ主査)

でした。テレ朝は両人にインタビューしましたが、村主氏は「指針事態は間違っ
ていない」石川氏は「俺のせいではない」と知らん振りでした。テレ朝は2ヶ月
取材したが責任者が不明だったので、仕方なく日本人の技術への慢心が原因とま
とめてしまいました。



しかし「誰か」が真面目に安全性を考える事なく、根本的な欠陥のある指針を作
り、歴代責任者がそれを放置したのは明らかです。更に毎日新聞などの報道を読
めば1993年ころには原子力安全委員会内部でこの指針が正しいか検討がなされて
おり、彼ら自身でもそれに疑問を抱いていたのも明らかになっています。

なぜその人たちを告発せず菅首相などを吊るし上げようとするのでしょうか?馬
鹿馬鹿しいにも程があります。この件への国民・市民運動団体の認識が甘いか
ら、村主氏らもこう言って済ましているのでしょう。政治的指導者が右でも左で
も、国策がアメリカ追従であろうとなかろうと、この指針さえ真面目に書かれて
いれば今回の事故はなかったと思います。それが起きた事の中核部分だと思いま
すよ。
T.Uehara


(参考)指針=「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」の問題箇所
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/si002.pdf
【指針27】「長時間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交
流電源設備の修復ができるので考慮する必要はない。非常用交流電源設備の信頼
度が、系統構成又は運用(常に稼動状態にしておくことなど)により、十分高い
場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しなくてもよい。」


(参考:私の前回投稿)告発されるべき人
1「安全でない原発」による原子力政策を長期間維持してきた自民党の各時期の
指導者
2「長時間の外部電源喪失は考慮しなくてよい」と原子炉審査指針に最初に書い
た人間(おそらく経産省役人と電力会社関係者)
3その指針を疑わず改定しなかった歴代の原子力安全委員会の委員長、ないし指導者
42002年?原子炉審査指針に、議論があったのにも関わらず、津波への対策につ
いて明記しなかった当時の原子力安全委員会の全メンバーと、その関係者(電力
関係者)



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