[CML 010774] Fw: イスラエル国会が「ボイコット法」を可決

ohata ohata-yu at r5.dion.ne.jp
2011年 7月 17日 (日) 11:42:13 JST


大畑豊です。

> 今週の大ニュースは、イスラエル国会が「ボイコット法」を可決したことです。
> この法律によると、イスラエル産品などのボイコットを呼びかけた団体や個人に
> 対し、その対象となった企業などは損害が実証されなくても提訴できます。この
> 提訴を受けて、裁判所は、これらの団体や個人に損害賠償を命じます。

----------------------- Original Message -----------------------

パ┃レ┃ス┃チ┃ナ┃最┃新┃情┃報┃110716
━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛JSRメルマガ

 ┏━━━━━━━┓
■□ ニュース速報 □■
  ┗━━━━━━━┛
 
今週は、ガザ支援船団に関するニュースがほとんど見られませんでした。船団阻
止のためのイスラエルの外交工作が、当面は成功したようです。ガザ封鎖抗議の
国際運動は、仕切りなおしとなりました。

今週の大ニュースは、イスラエル国会が「ボイコット法」を可決したことです。
この法律によると、イスラエル産品などのボイコットを呼びかけた団体や個人に
対し、その対象となった企業などは損害が実証されなくても提訴できます。この
提訴を受けて、裁判所は、これらの団体や個人に損害賠償を命じます。また、ボ
イコットを呼びかけた者は、イスラエル政府が主催する入札に参加できないこと
も規定されています。

この法律の特徴は、入植地の産品などにも同じ規定が適用されることです。

イスラエルの左派と中道派の多くは、事実上言論の自由を奪い、民主主義の原則
を侵すものだと猛反発しましたが、47-38で可決。これは35議員が棄権または
投票不参加だったことを意味しますが、ともかく成立しました。ネタニヤフ首相、
バラク国防相らは、法案に賛意を示しながら、投票には不参加。対外的に強い刺
激を与え過ぎないようにということでしょう。

イスラエル最大の平和団体「ピース・ナウ」は、同法成立の翌日、早速、入植地
産のワインやキノコのボイコット呼びかけを始めました。これまで、入植地ボイ
コットは注意深く避けてきたのですが、あえてボイコット法に挑戦することにし
たわけです。

以下、7月9日以降のニュースです。

【7月9日(土)】

■イスラエル、120人の強制退去開始■

イスラエル警察のミッキー・ロゼンフェルド報道官は、「安全保障上の理由」に
よりベン・グリオン空港で拘束された「親パレスチナ」の外国人120人以上につ
いて、「24時間から48時間の間に退去させる」と語った。

ヨーロッパ諸国などからの外国人は、パレスチナ人団体から「ようこそパレスチ
ナへ――週間」に招待され、西岸地区に滞在の予定だったが、イスラエル当局は
招待客らのブラックリストを作り、同空港に多数の警官を配置、強制退去を決め
ていた。(7/9 Reutersほか)

【7月10日(日)】

■イスラエルとのパイプラインは今週中に修理■

エジプト国営「中東通信」によると、エジプト石油省の当局者は、イスラエルへ
天然ガスを供給するパイプラインの爆破について、GASCO社がパイプラインを修
理中で、工事は「今週末までに完了するだろう」と語った。

パイプラインは、4日、武装集団によって爆破された。エジプトの治安当局によ
ると、武装グループは、トラックに機関銃を積んで同社の支店に乗りつけ、警備
員を脅して退去させた後、施設を爆破して逃げたという。(7/10 Reuters)

■イスラエル、南スーダンを承認■

イスラエルのネタニヤフ首相は「イスラエルは南スーダンを承認する」と声明し
た。「この国(南スーダン)は平和愛好国であり、われわれは同国が発展し、繁
栄するよう喜んで協力したい」と、同首相は語り、経済支援を申し入れた。

南スーダンでは、キリスト教徒と多神教徒が人口の多数を占め、長年にわたり、
イスラーム教徒が多数派のスーダン中央政府とゲリラ戦で闘ってきたが、05年の
平和協定により、今年住民投票を実施、圧倒的多数で分離独立を決め、9日に独
立したばかり。(7/10 Reutersほか)

【7月11日(月)】

■イスラエル国会、「ボイコット法」を可決■

クネセト(イスラエル国会、定員120)は、イスラエルに対するボイコットを処
罰する「ボイコット法」を47-38で可決した。西岸地区にあるイスラエル人入植
地の産品などに対するボイコットも処罰の対象となる。

同法によると、ボイコットの対象とされた企業などは、それによる損害の証拠が
なくてもボイコットを呼びかけた人物や組織を提訴することが出来、当該の裁判
所が損害賠償額を決定する。また、ボイコットを呼びかけた企業や個人は、イス
ラエル政府が実施する事業への入札を認められない。

提案者のゼエヴ・エルキン議員(リクード)は、同法の目的は人々を沈黙させる
ことではなく「イスラエル市民を保護すること」だと語った。ネタニヤフ首相は、
投票には参加しなかった。

ニツァン・ホロウィッツ議員(メレツ)は、「恥ずべき法律だ。イスラエルの民
主主義を危うくし、世界の人々にも、『イスラエルに民主主義はあるのか』と疑
問を持たせるものだ」と激しく批難した。

野党カディマの広報官も、「ネタニヤフ首相は、超えてはならない一線を超えた。
政治的愚挙としか言いようがない」と厳しく批判した。

投票日は、「カルテット」(国連、アメリカ、EU、ロシア)外相級会議と期日
が重なるため、延期すべきだとの慎重意見もあったが、首相が押し切った。クネ
セトの法律顧問、エヤル・ヤノン弁護士は、法案の正当性に疑問を呈したが、イ
ェフーダ・ワインシュタイン検事総長は、法的に問題はないと述べた。

入植活動に反対している「ピース・ナウ」は、入植地産品などのボイコットにあ
らためて参加を呼びかけるとの声明を出した。(7/11 Haaretz)

14日の毎日新聞に、イスラエルの平和団体の対応などを報じた、関連記事があり
ます:
http://mainichi.jp/select/world/mideast/archive/news/2011/07/14/20110714
ddm007030126000c.html

■「カルテット」が外相級会議■

「カルテット」は、同夜、米国務省で閣僚級会合を開き、昨秋に中断したイスラ
エルとパレスチナの直接和平交渉を早期に再開する必要があるとの認識で一致し
た。

ただ、西岸地区の入植活動や国境交渉などを巡るイスラエルとパレスチナの隔た
りは大きく、今回の会合では、双方に妥協を促して交渉再開につなげる具体案は
まとまらなかった模様だ。共同声明の発表も見送られた。米国務省高官は会合後、
「隔たりは依然大きく、今後も協議を続ける必要がある」と述べ、当面水面下の
外交を続ける方針を示した。

会議には、クリントン米国務長官、ラブロフ露外相、アシュトンEU外交安保上
級代表のほか、パン・ギムン国連事務総長、カルテット特使のブレア元英首相が
参加した。(7/12 読売)

■パレスチナ自治政府の財政がピンチ■

同日のロイターによると、パレスチナ自治政府(西岸)は、イスラエルによる代
理徴収税の引渡し拒否、「ドナー諸国」からの支援金停止などで財政危機に陥り、
公務員の7月の給料は50%しか支給されていない。この状況が続けば、公務員15
万人の給与は支払い不能となり、経済は大打撃を受ける。

イスラエルの引渡し拒否は、ファタハ=ハマースの和解・統一政府設立協定に抗
議するもの。また、イスラエルとアメリカは、パレスチナ側が9月の国連総会に、
パレスチナ独立国家承認と国連加盟を求める決議案提出に強く反対している。

アッバース大統領補佐官のナビール・アブー・ルデイネ氏は、ロイターの取材に
対し、「(財政危機は)われわれの政策方針をゆがめようという圧力の一部だ」
と述べた。アッバース大統領は、「こうした圧力に耐えねばならない」とパレス
チナのメディアに語った。

自治政府は、ヨーロッパ諸国やアラブ諸国からの財政支援を受けているが、2011
年度は9億7000万円の財政不足がある。パレスチナ当局者によると、アラブ諸国
からの支援が滞っている。名指しは避けているが、大口の支援国サウジアラビア
から、今年度はまだ全く支援金が届いていない。サウジアラビアは代表的な親米
国家として知られる。(7/11 Reuters)

【7月12日(火)】

■ピース・ナウが入植地産品ボイコットを呼びかけ■

「ボイコット法」に反対している「ピース・ナウ」は、前日成立したばかりの同
法に挑戦、入植地産品へのボイコット運動を開始した。対象には、ラーマッラー
近郊ピサゴト入植地のワイン、ベツレヘム近郊テコア入植地のキノコ、非公認ア
ウトポスト(仮設入植地)のオリーヴなどが含まれる。

ピース・ナウは、一貫して入植地建設に反対してきたが、イスラエル世論の反発
を警戒して、入植地産品ボイコットの呼びかけは避けており、今回が初めて。こ
の日、ピース・ナウはフェイスブックを使って、12時間に4000近くのメッ
セージを送った。

「ボイコット法ができたから、このキャンペーンを始めた。彼らは、われわれを
黙らせようとしたから、イスラエルの世論に向けて、入植活動を支持する者が、
実はイスラエルの国際的孤立を招き、この国を害していると訴えることにしたの
だ」と、ピース・ナウのエタイ・ミツラフ氏はDPA(ドイツ通信)に語った。

また、この日、人権のための医師団・イスラエル、イスラエル市民権委員会、イ
スラエルの拷問に反対する公共委員会など、人道・人権団体は、ボイコット法が
民主主義の原則を侵すものだとして、その無効を裁判所に提訴することを明らか
にした。(7/12 Middle East News)

■イスラエルへのガス・パイプライン4度目の爆破■

エジプト国営の中東通信によると、シナイ半島北部アル・アリーシュ近くで、イ
スラエルへ天然ガスを送るパイプライン施設が爆破された。このパイプライン爆
破は、ムバーラク政権崩壊後4回目。

同通信が伝える目撃者の話によると、武装グループは、爆破の前にアッターウ
ィール中継所の警備員を襲い、警備員とその家族が負傷した模様。現場からあが
った炎は、20km先からも見えたという。(7/12 Reuters)

【7月13日(水)】

■人権団体の監視船をイスラエル海軍が銃撃■

国際人権団体CPS−Gaza(シヴィル・ピース・サーヴィス・ガザ)によると、CPS
の監視船「オリヴィア号」(4人乗り組み)が、同日未明、ガザ地区沖合で、イ
スラエル軍艦艇に放水銃による攻撃を受けた。

オリヴィア号に乗っていた、イギリス人メンバーのルガーヤ・アル・サマッライ
氏によると、同号は、ガザから2マイル(海里?)弱の沖合を航行中、何隻かの
艦艇が複数の漁船に放水するのを発見、艦艇に近づくと今度はオリヴィア号に放
水してきた。約10分間の放水を振り切って、岸まで1マイルまで近づいたところ
で、イスラエル艇は、追撃を止めたという。

この際、漁船1隻が実弾射撃を受け、損傷した。最近、イスラエルは、パレスチ
ナ人の漁業水域を3海里沖までに制限しているが、1・5海里を越えると、イス
ラエル艦艇から攻撃を受けると、CPSは言う。CPSは、ガザ地区沖で操業するパレ
スチナ漁民保護のため、監視用の小型艇を走らせている。
(7/13 CPS-Gaza Press Release)

プレス・レリース全文には、イスラエルによる一方的な漁業規制の強化について
経過説明があります(動画付き):
http://www.cpsgaza.org/2011/07/cps-gaza-crew-attacked-by-israeli.html

■イスラエル軍に撃たれ、ナーブルス近郊の難民キャンプで1人死亡■

イスラエル軍によると、軍は、ナーブルス近郊の難民キャンプを急襲、強硬派パ
レスチナ人の逮捕に向かった。パレスチナ人の男が逃げ出したため、軍は頭上に
発砲後、下半身を銃撃した。Maan通信の記者によると、男はイブラーヒーム・サ
ラハン氏で、足を撃たれ出血多量で死んだ。(7/13 Middle East News)

【7月14日(木)】

■アラブ連盟、パレスチナの国連正式加盟支持を決定■

アラブ連盟は、カタールの首都ドーハで会合、「国連に対し、東エルサレムを首
都とするパレスチナ国家の承認と、同国の国連フル・メンバーシップを求めてゆ
く」との声明を発表した。

声明は日程表を示していないが、パレスチナの代表によると、これを検討する委
員会が設置されたという。(7/14 Reuters)

【7月15日(金)】

■パレスチナ国家樹立支持で、パレスチナ人とイスラエル人の合同デモ■

PLOは、9月の国連総会に向け、パレスチナ独立国家承認へ向けた外交工作を進め
ているが、東エルサレムでは、パレスチナ国家独立を支持する、パレスチナ人と
イスラエル人の合同デモが行われ、数千人(主催者発表5千人)が参加した。

デモには、圧倒的多数のイスラエル人平和活動家が参加。パレスチナ旗をひるが
えしながら、「誰も、独立国家を持つ権利がある」「独立へ前進」「平和交渉が
できるのは自由な国民だけ」などのプラカードを掲げて、旧市のヤーファ門から
シェイク・ジャラ地区まで行進した。主催者によると、このような合同デモは20
年ぶり。

このデモには、ゼハヴァ・ガロン氏(メレツ)、ドヴ・ハニン氏(ハダシュ)ら
クネセト議員数人、元クネセト議長アヴラハム・ブルグ氏、元検事総長のミカエ
ル・ベン・ヤーイル氏ら、イスラエルの著名人も参加した。
(7/15 Maan News、Haaretz)

【7月16日(土)】

■イスラエル軍、ガザ地区を空爆■

イスラエル軍は、同日未明、ガザ市東部を空爆、パレスチナ医療関係者によると、
武装パレスチナ人1人が負傷した。軍によると、彼がイスラエルへロケット発射
の準備をしていたという。

イスラエル国防省によると、ガザ地区からは、今月、ロケット16発が飛来、軍は
同地区への攻撃を強化していた。14日、15日には、エジプトとの境界にある地下
トンネルを爆撃、15日の空爆ではパレスチナ人5人が負傷、1人が行方不明になっ
ている。(7/16 Haaretz)


(出典:CPS-Gaza、Haaretz、Maan News 、Middle East News、Reuters、毎日、
読売)


<注1>07年7月、パレスチナ自治政府は事実上分裂しました。その4年後、こと
し5月、エジプトの仲介で、ファタハとハマースは、統一政府の再建で合意しま
した。しかし、この合意実施まで、西岸地区とガザ地区の政権は存続することに
なります。このニュースでは、統一政府が実現するまでの間、引き続き、「アッ
バース大統領」「ファイヤード首相」(西岸政権)「ハニヤ首相」(ガザ政権)
の名称を使うことにします。

<注2> 各ニュース記事末尾の(カッコ)内は、その主なニュース源です。必
ずしも、元の記事の翻訳や抄訳ではありません。とくに断らない限り、Webサイ
ト上の情報です。日本語ニュースの場合、固有名詞の表記などは、編集者の判断
で変えることがあります。

<注3> この速報では、東京外大「日本語で読む中東メディア」(中東ニュー
ス)と、フランス語紙翻訳グループ「ジャリーダ・ファランスィーヤ」による記
事を時々利用させていただいております。編集者の責任で、記事を短縮する場合
があります。


.................................................................

★当会へのカンパは下記口座にいただけたら幸いです。

 郵便振替口座 00140−9−155450  口座名 JSR

 三菱東京UFJ銀行 新宿中央支店 
       (普) 口座番号 5673266 JSRアル・ジスル 

★このメルマガは無料です。メルマガ配信を希望される方、
 送信先を紹介してくださる方、不要な方、突然メルマガが途切れた方は、
 いずれもご遠慮なくjsr at ksn.biglobe.ne.jp までお知らせください。

●このメルマガは自由にご転送ください。


**************************************************
アル・ジスル−日本とパレスチナを結ぶ(略称JSR)
発行人:奈良本英佑
編集人:奈良本英佑・長沢美沙子・森和信
E-mail : jsr at ksn.biglobe.ne.jp
Home Page :  http://www7b.biglobe.ne.jp/~jsr/
TEL: 090-2167-4802
住所:〒272-0816 千葉県市川市本北方2−6−5
**************************************************
--------------------- Original Message Ends --------------------



CML メーリングリストの案内