[CML 010564] 保安院の論理vs民衆の論理

河内謙策 kenkawauchi at nifty.com
2011年 7月 5日 (火) 13:22:34 JST


 河内謙策と申します。(この情報を重複して受け取った方は、失礼をお許しくださ
い。転送・転載は自由です。)

 玄海原発2号機、3号機、の運転再開に反対する佐賀県民のたたかいに支援
・連帯を訴えています。

 昨日(7月4日)、岸本玄海町長が玄海原発2号機、3号機の運転再開に同意するこ
とを正式に九州電力に伝えたため、佐賀現地では怒りの声があがり、全国各地からの
抗議も殺到しています。周辺自治体からも疑問の声もあがり、佐賀の原発推進派は、
ますます孤立しています。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1972952.article.html
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1972985.article.html
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1972951.article.html

 私がすでに書いたように、佐賀に続け、と全国各地で原発推進派が動きを強めてい
ます。川内原発のある鹿児島では、薩摩川内市長が玄海町にならうと決意表明をし、
県議会の原子力安全対策等特別委員会が11日にも結論を出すということが報道されて
います。現地の人が懸念していたように、非常に急ピッチの動きです。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1972989.article.html
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/251860

  全国各地の電力会社と連携をして、原発の運転再開の先頭に立っているのが原子力
安全・保安院です。原子力安全・保安院は、特殊な論理を駆使して嘘をつき、ごまか
すプロの集団です。この保安院の論理は、一般的な原発反対の論理では打ち破ること
ができません。それゆえ、科学者とも協力しつつ、民衆の論理をつくりあげなければ
脱原発運動の勝利はありません。
 私は、そのような見地にたって、保安院の「緊急安全対策」の最大の論拠である、
福島第一原発の事故原因は津波にあるという、いわゆる津波説に反論し、
地震説、少なくとも地震プラス津波説が正しい、と主張しました(6月28日付「佐賀
のたたかいは、さらに前進」のメール参照)。
この私の主張を裏付ける新たな証拠を発見しました。以下のサイトの記事を見てくだ
さい。津波説の破綻は、明らかだと思います。
http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CN/main/452712.html
http://alcyone.seesaa.net/article/194823654.html

 保安院のもうひとつの嘘を発見しました。原発には、劣化の程度を調べるために、
炉内に監視試験片を入れられ、数年に一度取り出されて定められた強度試験にかけら
れます(田中三彦『原発はなぜ危険か』(岩波新書)102頁以下)。最近とりだされた
玄海原発1号機の監視試験片の強度試験により、脆性遷移温度が急上昇しており、そ
れが98度Cであることが分かって大騒ぎになっているのです。
 保安院は先月26日の「説明番組」において「監視試験片は炉内に入れられるので、
監視試験片の数値と実際の炉壁の数値とは異なる。実際の炉壁が監視試験片と同一の
状態になるのは20年後である」と言って、その場を切り抜けました。
 私は、その説明直後から、おかしいことを言うな、と思っていたのですが、その確
証がありませんでした。最近、「発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令」
第12条3号に以下の法文があることを発見しました。
「監視試験片は、中性子の照射領域にある容器の材料が受ける中性子スペクトル、中
性子照射量及び温度履歴の条件と同等の条件になるよう配置すること。」
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%
82%cd&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S40F038010000
62&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1

 すなわち、法令で、脆性破壊を防止するために、監視試験片と炉壁の条件・結果は
同一とみなすことを定めているのです。保安院は、相手が素人だと思って、法令に反
する嘘をいったといわれても仕方がないでしょう。

 保安院の論理についての、簡潔ですが非常に水準の高い反論が佐賀新聞に
掲載された大石氏の論文です。
http://talkbar.saga-s.co.jp/archives/66316374.html

  保安院と文書でやりあっているのが新潟県です。以下のサイトにアクセスすれば、
その「資料No2」をクリックすることにより、保安院の緊急安全対策の内容や県議会
技術委員のメンバーの質問が見れます。
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1305752496209.html

保安院や東京電力の応答は、いまだ完全なものではありませんが、以下のサイトにア
クセスすれば、その「資料No4」をクリックすることにより見ることができます。
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1308603754303.html

  以上、長くなって申し訳ありません。今の佐賀や新潟のたたかいは、論理のレベル
でも、全国各地で繰り広げられることになる論戦の先駆としての意味があると考え、
紹介させていただきました。

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河内謙策 (Email:kenkawauchi at nifty.com)



























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