[CML 007317] 新刊 『死刑執行人の日本史――歴史社会学からの接近』]
maeda akira
maeda at zokei.ac.jp
2011年 1月 23日 (日) 10:41:18 JST
前田 朗です。
1月23日
転送です。
-------- Original Message --------
Subject: [civilsocietyforum21] 『死刑執行人の日本史――歴史社会学からの接
近』
Date: Sat, 22 Jan 2011 20:23:05 +0900 (JST)
From: 橋口 昌治
Reply-To:
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みなさん、こんばんは
友人が「日本で死刑執行を担ってきたのは誰なのか」、「人が
人を殺す」という観点から死刑を論じた本を出したので紹介し
ます。
よろしくお願いいたします。
■櫻井 悟史 20110122 『死刑執行人の日本史――歴史社会
学からの接近』,青弓社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4787233238/ryospage03-22
■内容(カバー裏紹介文より)
裁判員制度を背景にして、死刑判決を下すことの意味に注目
が集まり、死刑制度の存廃をめぐる議論も再び活発になってき
ている。しかし、これまでは、「誰を殺すのか/誰が殺される
のか」に議論が集中していて、死刑それ自体を誰が執行してき
たのかは不問に付されてきた。本書では、存廃論からは一定の
距離を置いたうえで、日本で死刑執行を担ってきたのは誰なの
か、死刑執行人を選ぶ社会的条件とはなにかを、江戸期の山田
浅右衛門や明治期の監獄の押丁・看守の事例を取り上げて明ら
かにする。そして刑務官が死刑を執行する現在までの歴史の連
続と断絶をたどりながら、検察官でも裁判官でもなく刑務官に
「殺すために共に生き、それから殺せ」と法務大臣が命じる根
拠が偶然の歴史的経緯にしか拠っていないと説得的に主張する
。それらを通じて、究極的には国家ではなく「人が人を殺す」
という、死刑執行をめぐる複雑に絡み合った諸問題を解きほぐ
し、何を考えるべきなのかを提起する。
■目次
はじめに 「人を殺すことを拒否する」と主張することは許さ
れないか
序章 死刑判決問題と死刑執行問題
一節 死刑研究の二つの側面
二節 前提となる背景―日本の死刑執行人に関する基礎知識
三節 死刑執行人の実際
四節 なぜ刑務官が死刑執行を担うこととなっているのか
五節 本書の方法
一章 牢役人は死刑執行を担っていたのか?
一節 江戸時代の刑罰・死刑観と身分観
二節 牢役人は死刑に関与したのか
三節 死刑執行を副業とする山田浅右衛門
二章 なぜ看守が死刑執行を担うようになったのか
一節 絞柱の登場
二節 ダーティーワークとしての死刑執行
三節 旧刑法下における死刑執行
四節 イギリスとの比較――〈死刑の執行は刑務官の職務だ
から仕方がない〉わけではない
三章 戦後から現在にいたるまでの死刑執行人をめぐる諸問題
一節 国家公務員法の制定・改正へのGHQの関与
二節 絞首刑違憲訴訟
三節 法文上での死刑執行現場の消滅
四節 死刑執行人の現状と問題点
四章 問われなくなった問題とはなにか
一節 死刑執行人たちの声
二節 刑務官が死刑執行人であることの問題性の変遷
三節 何が問われなくなったか
おわりに 〈殺させられる〉という問題
あとがき
参考文献
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