[CML 007228] 「尖閣諸島領有問題をいかに解決すべきか」を読んで
half-moon
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2011年 1月 14日 (金) 21:51:36 JST
半月城です。
毛利正道さんのサイト「尖閣諸島領有問題をいかに解決すべきか」をざっと拝見し
ました。研究が相当深化したように見受けられます。それに関連する質問ですが、毛
利さんは芹田健太郎の「先占の凍結」に関する懸念をどのように考えておられます
か?
毛利さんは、無主地先占に必要な実効的占有が古賀氏への島の貸与でなされたと考
えておられるようですが、この貸与はご承知のように1896年9月、すなわち台湾割譲
の後です。そのため、芹田健太郎は次のような懸念を表明しました。
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中国からの抗議はないものの、無主地先占をした島嶼に対する支配なのか、割譲さ
れた地域に含まれる島嶼に対する支配なのか、必ずしも分明にすることができないか
もしれない。
その意味では、敗戦の一九四五年(昭和二十年)八月十四日までの日本の行為はい
わば凍結され、実効的占有として意味ある行為は戦後のものに限られてしまうかもし
れない。
(芹田健太郎『日本の領土』中公叢書、2002、p.137)
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芹田の懸念については下記に書いたとおりです。
[CML 006275] 尖閣(釣魚)諸島の先占は一時凍結か
[CML 006458] Re: 尖閣(釣魚)諸島の領有権と国際法
もし、芹田の懸念が妥当であれば、日本の実効支配は沖縄返還後の1972年から始ま
ることになり、「尖閣諸島は日本の領土」という主張もあやうくなります。
毛利さんは法律家として「尖閣諸島は日本の領土」と書いておられるので、国際法
学者を説得できるだけの根拠をお持ちのことと思います。ご高見をお聞かせくださ
い。
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