[CML 007217] ガザ支援パレスティナ連帯アジアキャラバン参加報告
sakaguchi koichi
ekinkoichi at hotmail.com
2011年 1月 13日 (木) 20:56:12 JST
ご無沙汰しています。フリー•ガザ•ジャパン、日本からアジア実行委員そして今回のガザ支援パレスティナ連帯アジアキャラバンの日本人コーディネーターの阪口浩一です。余りの多忙さ故に、当初の思いとは異なり、リアルタイムにてアジアキャラバンの行程を実況できなかった事申し訳ありませんでした。事前に予測出来た事ですが、今回のキャラバンの様子は僅かの例外を除き、西側メディアからは黙殺されました。ですが、通過国での歓迎そして熱気と好意ある報道の僅かでもお伝え出来なかった事は残念であり悔いが残ります。何故なら、日本はアジアの一国に位置する島国であるからです。
今回のアジアキャラバンの日本からの参加が決定したのが10月の終わり。11月初旬にマレーシアで会議が持たれ大枠が決定した後、日本からの参加者を募り始めたのが11月の半ばと、出発まで一ヶ月を切った日でした。日本からの参加者は先に述べたように2名でしたが、それでも当初、参加に問い合わせが5名ほどあり、驚く事に?、いやいや予測可能な範疇ですが、その全員が女性からでした。急ごしらえで参加可能な集会で、呼びかけビラをドカ巻きしましたが、革新政治家と呼ばれる議員から、闘ったと呼ばれるあの世代の活動家まで、話しかけて来る活動家の男たちは、日程が合えばねえ、などと脂ぎった鎖国的状況以外では決して通用のしないリップサービスを口にするだけで、状況に呼応する言葉は聞けずじまいでした。 しかし、準備期間と、キャラバンの日本側ブログ(http://japantogaza.blog77.fc2.com/)の左上段にあるアジアキャラバン参加の呼びかけ文章に目を通して頂ければ御理解していただけると思いますが、日本からの参加条件にはかなり高いハードルを敢えて設けていました。その上で、私を含めて日本から2名の参加があったということ、知り得た範囲では、同様の非暴力直接行動によるガザ支援行動へは日本人として初の参加であった事を思えば、初めの一歩は踏み出せたと思います。
12月2日にインドのデリーにある故マハトマ•ガンジーの聖廟を象徴的な形で出発したキャラバン隊は、アジアの現実の政治状況ゆえの問題に幾度かぶつかりながらも、1月3日未明に112名の本隊が、そして残りの8名がどうにかガザ入国を果たしました。
キャラバン隊を離れて少しの時間が経過しましたが、振り返ってみれば、次回の行動を考えるならば反省に多い、そしてその幾つかはガザ支援の本質に関わる問題を露呈してしまったキャラバンであったと思います。
キャラバンの詳細報告は日本に帰国した後に、報告会などを可能な限りで設ける形で報告して行きたいと思いますので、今は詳述を避けますが、ガザ支援に加えてパレスティナ連帯そしてアジア連帯を掲げるならば、キャラバンに参加したメンバーや支援してくれた人々の参加を、目的の為に、抵抗する事無くサクリファイスしてはならないということです。 出発の始まりから、インド人実行委は、了承も説明も無しに、カシミールからの参加者たちのパキスタン政府からの ビザ発給不許可に対して抗しませんでした。その事実の積み重ねとして、キャラバン隊本隊は決定権ある人々の判断により、エジプト入りを目前に、ガザ入国に目が眩んだのか、エジプト当局に抗するどころか交渉する事にすら恐怖を覚え、今回のキャラバンの最大の支援者であったイラン人参加者の入国拒否とイランからの支援物資搬入却下の条件を受け入れてしまいました。また、それだけに留まらず、ガザ入国ちょくぜんのエジプト、アル•アリーシュにて170トン、総額100万ドル相当の支援物資を積載した貨物船と。可能性が低いとは言え、航海中、イスラエル当局による妨害、攻撃を防ぐ為に、その船に乗り込んでいた8名のメンバーを置き去りにする形で、事前の連絡もなしに、先にガザへ入国してしまいました。そして、ガザで歓迎を受け、待ち受けていた報道陣に対して、ガザ入国とキャラバン隊成功を高らかに歌い上げたのです。
考えられない、そして今回のような大義を掲げた行動では決してあってはならない出来事です。取り残された8名のメンバーは力を合わせてどうにか状況を切り抜け、抗する事で、医療物資のラファ国境からの搬入許可を取り付け、支援物資の救急車輛を自力で運転し、ガザ入国を果たしました。
貨物船にはサラーム(平和)と名付けられていました。
貨物船には、インド人4名とアゼルバイジャン、インドネシア人、マレーシア人、そして日本人からは私が乗り込んでいました。
航海中、レバノン沖を通過し、イスラエル占領地沖公海を航海中にイスラエル軍からのコンタクトがありました。ここで指摘して行く事があります。今回の航海では狂気を踏み越えたイスラエル•シオニズム政府が相手ですので、っ我々のキャプテンは、余裕を見越して陸地から60マイルの辺りを航海していました。皆さんの中には、昨年の5月31日に公海上にてイスラエル軍の攻撃を受けて9名の死者を出した”ガザ自由船団”マブィ•マルマラ号の事を記憶されている方も多いと思います。彼らがイスラエル軍の攻撃を受けたのは、我々が航海した地点よりもさらに沖の73マイル地点です。ぜひ記憶しておいてください。
イスラエル軍は初めに船舶についての情報、クルーの氏名を尋ねた後に、我々キャラバンメンバーの国籍と名前を問い合わせてきました。むろん公海上のこと、このような問いかけに対して答える必要も義務もまったくありません。
その後、イスラエル軍2船がそれぞれ左右後方45度の角度で接近してきました。最接近距離は約1マイル超。我々の船舶の真後ろにはさらに大きな戦艦が時折、水平線に姿を見せ、レーダーでも確認できました。さらにイスラエル軍は長時間に渡り、我々の船舶のGPS位置確認装置を電波妨害し遮断しました。つまり、外界とは遮断されたブラックホール状態に私たちを置いたという訳です。個人的には、攻撃されるかもとの危機を私個人は感じませんでした。イスラエル軍はさらに恫喝を重ねるべく、我々の船舶上空で、イスラエル軍のスクランブル訓練を幾たびと繰り返してきました。私は素人ですので、分かりかねますが、レーダーの感じから、機関長で船主の人の話では、潜水艦も追尾していると言っていました。その後、イスラエル軍はアル•アリーシュ沖10数マイルの地点まで追尾してきました。イスラエル政府にあっては、自分たち以外の国際法や国境等関係ありません。
我々と支援物資を積んだ船はその後、エジプト当局からも理由の説明無いまま、32時間、港から3マイルの地点で足止めを喰らわせられました。1月4日の午前4時に入港した船は、次に当局と港湾会社なるものに足止めを喰らわせられました。堪忍袋の緒が切れ、下船許可さえ下ろさない当局の静止を振り切り、8名が各々の持ち分で力を発揮する事により、事態は急転し、午後7時過ぎには、救急車輛を運転する事、医療物資を明日にラファ国境を通過させガザ入国を約束を条件に我々は、1月4日の午後9時過ぎに、どうにかガザ入国を果たしました。シリアのラタキア港を1月1日の午前11時に出発し、すでに80時間以上が経過していました。
以上が、シリアのラタキア港を出発してからの顛末です。
我々8名の滞在日数は先発隊とは違い僅かに1日強でしたが、最も印象に残った事は、ガザ地区の公害汚染です。アル•ジャジーラなどでようやく報道され始めましたが、空気汚染、そして水質汚染には凄まじいものがあります。そして、その事を憂え、ガザと自らの民族の為に懸命に学問に励むパレスティナ学生の姿に心打たれました。先のイスラエルによるガザ虐殺の際に使用されたと思われる化学兵器の環境検査や、建築資材の搬入が以前、イスラエルにより止められていますから、廃墟をリサイクルしてガザの人々は必死にリサイクルに励んでいます。その分野で先進国日本の支援を受けられないかと訴願されました。これからの検討課題です。
以上、長々と書きましたが、帰国後には可能な限り各地にて報告会などを行って行きたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いします。
1月7日午後にエジプト•カイロを離れて以降、トルコのイスタンブールに滞在しています。次に計画されているガザ自由船団レクイエムマブィ•マルマラ2の計画について話し合う為です。それに加えて、資金繰りの苦しさにも関わらず特派員として交通費等を出してもらっていながら、キャラバン参加中不義理を重ね続けた人民新聞への原稿を書く為もあります。私は大阪•西成の釜ヶ崎地区を根城としていますので、普段の日本人と比較すれば格安な生活を送っているのですが、それでもイスタンブールの方が金が掛からず、かつ現場である為です。可能であれば、チェチェン人難民キャンプも訪ねてみたいと思っています。人民新聞は大阪を本社として1967年以来発行されている希有な新聞です。毎月3回発行されていますので、ぜひ、ご購読お願いします。
帰国後は今回のアジアキャラバンの報告と、次回に予定されているガザ自由船団レクイエム、マブィ•マルマラ号2への参加を積極的に行って行こうと思っています。次回の行動は、前回を遥かに凌駕するほどの大規模なものです。参加希望国、希望船、そして参加人数の数も把握出来ていない程です。東アジアからはマレーシアとインドネシアが独自に船を購入する方向で動いています。日本人も忍耐強く待ち続けてくれるアジアの人々の願いに答えなければなりません。大枠の呼びかけは間もなく発表させていただきます。 ぜひとも力をお貸しください。少しでもお金のあるひとはお金を。体の動く人は体を。頭脳のあるひとはその力を。 人はひとりでは決して自由にはなれません。社会に不正がある限りは。パレスティナ問題は、我々、今を生きる人間に突きつけられ、その一刻も速い解決が求められた総称であり、私が自由になる為に解決しなければならない問題です。
今回のキャラバン参加者の多くから、”ヒロシマ”、”ナガサキ”そして”オキナワ”の事を聞かれました。闘いは決して孤立してはいません。繋がっています。 共に!!
今回のアジアキャラバンに当たりお世話になった皆様、ありがとうございました。
阪口 浩一イスタンブールにて
日本からガザ http://japantogaza.blog77.fc2.com/twitter japantogaza もぜひ御覧に。
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