[CML 007207] 相続裁判の当事者尋問では終末医療も問われるか(中)林田力
Hayariki
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2011年 1月 12日 (水) 20:34:21 JST
【PJニュース 2011年1月11日】9月3日には母親の呼吸状態が悪化したが、長男は酸素吸入(O2 inhalation)も断った。9月3日の医師記録には「familyの要望どおり、O2 inhalationも行わない→当直時間帯のみ許可」とある。夜間のみ酸素吸入を行ったため、日中に症状が悪化し、夜間に持ち直すという状態が繰り返された。
さらに長男が入院中の母親の経管栄養の流入速度(注入速度)を速めたことも判明している。原告の指摘に対し、被告代理人は「長男が母親の点滴を早めたなどの主張をしておりますが、それは点滴ではなく流動食であり、何ら問題ないものです」と回答し、経管栄養(流動食)の流入速度を速めたことを認めた(平成20年7月4日付「ご連絡」3頁)。
経管栄養の流入速度を速めたことを「問題ない」とする被告に対し、原告は以下のように反論する(原告第3準備書面6頁以下)。経管栄養は医療行為であり、ミスをすれば患者を死に至らしめる危険のあるものである。医者が定めた流入速度を「時間がかかりすぎる」という理由で勝手に速めて良いものではない。
http://news.livedoor.com/article/detail/5263336/
http://www.pjnews.net/news/794/20110109_11
国立がんセンターはウェブサイトで経管栄養について「栄養剤の注入方法」と題して「1日の必要量・経管栄養剤の種類は患者の個別性があるため、患者氏名・栄養剤の種類・量・流入速度を医師の指示表と確認して準備します。」と記載している。流入速度が速過ぎて下痢など患者の症状を悪化させた例は多い。
現実に長男が経管栄養の流入速度を速めた後で母親は嘔吐している。「経過記録」の8月15日には「Bedに戻り臥位になった時嘔吐してしまう」と記録されている。その夜の16日1時過ぎにも嘔吐した。医師が診察し、医師記録には「原因判明するまでintubation feeding(注:経管食事法)は中止し、Div.(注:点滴)管理とする」と記された。その後、母親は点滴管理とされて小康状態になったものの、8月20日には前述のとおり、生命維持を長男が好ましく思っていないと記され、点滴を終了した。
長男が経管栄養の流入速度を速めた後で母親が嘔吐したことに対し、被告は「点滴後、2時間以上も経過していたのであるから、点滴と嘔吐は一切関係ない」と反論する(被告準備書面(9)3頁)。しかし、原告は健康への悪影響が2時間以上経過後に現れることは珍しくないと再反論する。【つづく】
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