[CML 007721] Re: ヒジャーブとフェミニズム。そして、エジプト革命とC BS女性記者襲撃事件について

Nakajima Noriko nntexas2002 at yahoo.co.jp
2011年 2月 20日 (日) 11:03:06 JST


 中島と申します。
 東本様の投稿を拝読いたしました。
 
 私が、報道を読んだ、zakzakという記事では(媒体の良否に
ついては、私は分かりません:「美人記者」などという表現を
する媒体です)以下の箇所が、非常に私の心に深く刻み込まれ
ました。

 ****ここから、引用箇所******
 米メディアは「女性リポーターが性的暴行を受けた場合、隠
すケースが多いが、彼女がこれを公表したのは勇気ある決断だ
」としている。
(元の記事は
 http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20110216/frn1102161636003-n1.htm
 *****ここまで********

 東本さまが引用された、冷泉さんの文章は、なんともいえな
いのもを感じました。「嘘かもしれないし、本当かもしれない
し、フェミニズムの心意気で現地に行ったかもしれないし、真
実はいつかわかるかもしれないし、どうだかわからない」およ
び米国文化その他。

 今回取り上げられている「女性がレイプされた」という内容
そのものが、真偽がわからなくても、非常に多くの女性を傷つ
けることは間違いないということを考えれば、それが「真実で
はなかった」ということになれば、なおさら、身が震えます。

 また、私が引用しました「女性レポーターが性的暴行を受け
た場合、隠すことが多い」についても(これすら、真偽はわか
りませんが)、恐ろしさと、屈辱と、被害者に向けられる視線
を考え、震え上がり、怒りで頭がいっぱいになります。
 以上、感想です、つたないものですがご容赦下さいませ。


--- higashimoto takashi
<higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp> wrote:

> 私は先にあるメーリングリストにエジプトのムバラク大統領
弾劾デモに参加している女性たちをポートレート
> した写真集を紹介しました。
> 
> ■PHOTOS: Women of Egypt
>
http://www.globalpost.com/gallery/egypt/110131/photos-women-egypt-protests
> 
> 上記の写真集にポートレートされている女性たちはNO.1
0の子どもを両手で抱きかかえる女性を除いて
> 全員ヒジャーブを被っていません(この写真集だけを見ると
現在のエジプトの女性たちはヒジャーブを被ら
> ないのが通常のように錯覚してしまいます)。
> 
> しかし、この点については、現代アラブ文学研究者の岡真理
さんが「エジプト、タハリール広場と三代の独
> 裁者――革命の最前線、タハリール広場を中心にエジプトの
近現代史をひもとく」(TUP通信 速報888号
> 2011-2-13)で次のような指摘をしています。
>
http://www.tup-bulletin.org/modules/contents/index.php?content_id=920
)
> 
> 「30年前のエジプトで、ヒジャーブ(イスラーム式スカーフ
)を被っている若い女性など、ほとんどいませんで
> した。むしろ例外。ヒジャーブを被っている女子大生がいる
と、「ねえ、あなたはどうしてヒジャーブ被ってい
> るの?」とわざわざ訊ねたものです。
> 
> ところが今、多くの高等教育を受けた若い女性たちがヒジャ
ーブを被っています。かつて、マルキシズムが
> 社会正義の実現を目指す社会変革のためのイデオロギーであ
ったとしたら、今、それはイスラームなので
> す。若い女性たちがヒジャーブを被る、その理由は一つでは
ありませんが、でも、この不正な社会に対する
> 一種のプロテストの意味もあるのです。
> 
> 今回の革命で、ヒジャーブを被った若い女性たちもまた、前
面で反ムバーラク、ムバーラク退陣を訴えまし
> た。ヒジャーブをイスラームによる女性抑圧の象徴と見なし
、ヒジャーブを被ったムスリム女性をイスラーム
> の家父長制に虐げられる犠牲者であるかのように見なす者に
は、彼女たちがアラビア語で、あるいは英語
> で積極的に発言する、行動する、そのアクティヴィズムが、
不思議なものに映ったかもしれません。でも、
> 「ヒジャーブを被った女性たち<さえもが>」ではないので
す。ある意味、「ヒジャーブを被った女性たち<だ
> からこそ>」、明確な政治的主張をしているのです。」
> 
> フリージャーナリストの津山恵子さんは、ウォールストリー
トジャーナル日本版のコラムで「実は、エジプトで
> デモが始まった初期、報道写真やテレビ映像に、女性がほと
んど映っていないのが気になっていた。写真
> が多いニューヨーク・タイムズも2月3日朝刊まで、ほとん
ど女性が映ったデモの写真がない」とレポートし
> ていますが、あるいはヒジャーブを被った女性は被写体とし
ては「絵(写真)になりにくい」というメディア側の
> 商業上の理由がその大きな原因のひとつだったかもしれませ
ん(そうだとすればなんとも馬鹿々々しいこと
> です)。
> 
> ■【津山恵子のアメリカ最新事情】エジプトでデモに女性が
参加するということ(ウォールストリートジャーナ
> ル日本版 2011年2月9日)
> http://jp.wsj.com/World/Europe/node_181344
> 
> メディア側の商業上の理由といえば、1月25日革命(エジ
プト革命)時のCBS女性記者襲撃事件について
>
米国ニュージャージー州在住の作家の冷泉彰彦さんがJMM([Japan
> Mail Media)に次のような記事を書い
> ています。今日のフェミニズム問題の一端を考えるひとつの
参考としてご紹介させていただこうと思います。
> 
> ■CBS女性記者襲撃事件とアメリカ的フェニミズム(JMM
 2011年2月19日)
> 
> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>  エジプト革命のニュースは相変わらずアメリカでは関心が
高く、ムバラク辞任後の
> 流動的な情勢も依然としてトップニュースになっています。
その中で、一つ気になる
> ニュースが全米を駆け巡り、消えていきました。それはCB
Sの女性記者ララ・ロー
> ガンへの襲撃事件についてです。襲撃といえば、反政府運動
が拡大する中で、2月3
> 日に突如「ムバラク派」と思われるグループが、反政府派へ
の襲撃を試み、ラクダや
> ら馬まで登場して軍隊が間に割って入るという事件がありま
した。この混乱の中で、
> CNNの「AC」ことアンダーソン・クーパーが襲われたり
しています。
> 
>  このローガン記者も同じ3日のタイミングで襲われている
のですが、問題になった
> 事件はそれとは別です。事件は、ムバラク辞任のニュースに
狂喜した群衆が街に押し
> 出した11日に起きました。ローガン記者は大勢のエジプト
人男性に取り囲まれ、性
> 的な暴力を受けた上に激しく殴打されたというのです。
> 
>  この事件に至るまでの間にローガン記者には色々なことが
起こっています。事実関
> 係としてはこうです。ローガン記者は2日の時点ではムスリ
ム同胞団の拠点のひとつ
> と言われているアレクサンドリアで取材をしています。その
時の映像を私は見ている
> のですが、やや混乱状態の中デモ隊への直接取材を行ってい
ますが、取材の内容とし
> てはこの欄でもお伝えしたように、「自分たちは経済を破壊
するようなことはしない。
> ムバラクに出ていってもらって国を変えたいだけ」というも
ので、文脈としては「ム
> スリム同胞団の影響の強い地区でも宗教政治を志向するよう
な声はない」という主旨、
> 逆を言えば「同胞団を危険視する必要はない」という内容の
レポートでした。
> 
>  そのローガン記者は、翌日はカイロに戻って問題の「2月
3日」の混乱状態の中、
> 殴打どころか拉致されてしまいます。直後に本人が語ったと
ころでは銃を突きつけら
> れて軍と思われるグループに連行されたが、やがて解放され
たというのです。この時
> 点ではCBSは事態を重く見て、他のNBCやCBSのメイ
ンキャスター同様に「一
> 時的にカイロからアメリカへ脱出」させる措置を取っていま
す。ローガン記者は一躍
> 「時の人」となり、翌週(2月7日の週)の前半にはニュー
ヨークでTVの対談番組
> に登場して「革命を遠くで指をくわえて見ているわけには行
きません。一刻も早くカ
> イロに戻らなくては」と述べていたそうです。
> 
>  実際に程なくしてローガン記者はカイロに戻って取材を続
けました。その結果とし
> て、11日のムバラク辞任のドラマに「間に合ってしまい」
事件に巻き込まれたとい
> うわけです。報道によれば暴力を受け、殴打されているロー
ガン記者は、10人ほど
> のエジプト軍兵士と女性たちのグループによって救出され、
そのまま翌朝の飛行機で
> アメリカに急送されました。病院で治療を受けたところ、回
復は意外に早いというこ
> とで、16日にニュースが発表になっています。
> 
>  ここまでお話した「経緯」はどこまで本当かは分かりませ
ん。受けた暴力の程度や
> 事件後の記者の症状などは、プライバシーに属する問題です
から、今後も100%明
> らかにされることはないでしょうし、本稿でも関心を寄せる
つもりはありません。ま
> たムスリム同胞団の本拠と言われるアレクサンドリアでの取
材で、ローガン記者が何
> らかのトラブルがあってその後も付け狙われたという可能性
、3日に一旦彼女を拉致
> した兵士の素性、11日に今度は彼女を救った兵士の素性、
何故か事件現場にいて彼
> 女の救出を助けた地元女性の正体なども良く分かりません。
もしかしたら落ち着いた
> ところで、ローガン記者本人が手記を出版するというような
ことがあるかもしれませ
> んが、仮にそうであっても内容が100%真実かどうかは分
からないと思います。
> 
>  今日お話ししたいのは、2点です。それはモデル出身とい
う目立つ外見のローガン
> 記者が、最終的には暴力事件に巻き込まれるような「危険」
を冒してエジプト革命の
> 取材を続けたのはどうしてか、という疑問、もう一つは詳細
はともかく「特定の女性
> が性的な暴力を受けた」というプライバシーに関わるニュー
スがどうしてアメリカ社
> 会で報道されたのかという点です。
> 
>  まず二番目の問題ですが、まずこの異常なニュースが報道
された背景にあるのは、
> 性的暴力の被害者は徹底的に救済・保護するという文化が確
立しているということが
> 挙げられます。アメリカでも80年代前半ぐらいまでは、ま
だまだ被害者にも落ち度
> があるとか、必死の抵抗がなければ何らかの合意に近いので
はというような見解が残
> っていました。ですが、ジョディ・フォスターとケリー・マ
クギリスの熱演で話題に
> なった映画 "The
> Accused"(邦題は「告発の行方」)などに見られるように、
この時
> 期からは女性をほぼ無条件で保護する権利が確定しています
。判例というだけでなく、
> 社会的な価値観としても明らかです。
> 
>  更に、90年代になると女性シンガーソングライター・ブ
ームの中で例えばトーリ
> ・エイモスとかフィオナ・アップルといったメジャーな歌手
たちが、過去の性的暴力
> 被害を告白するという中で、被害者が名乗り出る文化が浸透
して行ったように思いま
> す。勿論、実名での告白を自動的に強制するとか、実名を晒
すということは今でも厳
> 格に否定されていますが、本人の自由意志で過去の被害経験
を告白することがメンタ
> ルな問題解決に役立つのであれば、周囲はそれを受容しなく
てはならないし、まして
> 嘲笑したり、疎遠な感じを持ったりすることは近親者であっ
ても厳しく禁じられる、
> そんな文化が確立しているのです。
> 
>  この事件が実名で報道されたのは勿論異例なのですが、一
旦このニュースが出回っ
> た後は、メジャーなTVニュースも取り上げて行ったわけで
、その背景には「アメリ
> カ社会は被害女性を公的にも私的にも守り切る文化が確立し
ている」からという点が
> あったと言って構わないと思います。ちなみに、この報道に
は妙なリアクションがあ
> りました。NYU(ニューヨーク大学)司法安保研究センタ
ーのフェロー(研究員)
> であったニール・ローセンという人物がツイッターでの暴言
事件を起こして大学を解
> 雇されています。
> 
>  ローセンのツイートは「聖女に祭りあげるのもいいけど、
アイツは戦争屋だからな」
> 「アイツみたいにヘンなことされた女がゴマンといるんだろ
う」(筆者意訳)という
> ものです。勿論、これはこうした「被害者を守り切る」文化
から見れば完全にアウト
> で、特に二番目のものは即レッドカードものですが、このロ
ーセンの屈折したツイー
> トの背景にあるのは、先に申し上げた第一の点に関係してく
るように思います。それ
> は、どうしてアメリカのメディアは「戦争報道」にわざわざ
目立つ女性記者を送るの
> かという問題です。
> 
>  勿論ローセンのツイートはとても擁護できるものではあり
ませんが、確かにここ数
> 年、アメリカのメディアは戦争報道に目立つ女性を使いたが
る傾向があります。TV
> の女性記者で戦争報道のプロといえば、CNNで長年活躍し
たクリスチャン・アマン
> ポーラ(現ABC)がいますが、彼女の場合はイラン系英国
人として生まれた中で中
> 東問題などに深い理解をしているユニークな存在として活躍
したわけで、女性の目立
> つ特性を使ってということではないと思います。911の直
後には、何人か女性戦争
> 記者が登場していますが、その多くも事件への個人的な思い
からアフガンやイラクで
> 何が起きているかを伝えようという個人的情熱に駆られたも
のでした。
> 
>  ですが、ここ数年、確かに「目立つから」という特性を使
って女性記者に戦争報道
> をさせる傾向があるようです。ローガン記者はその代表例と
言えなくもありません。
> 勿論、彼女の場合もイラク戦争ではブッシュ路線に不利な報
道をし過ぎるとして「偏
> 向報道」という非難を浴びた「武勇伝」もあり、モデル出身
だからといって容姿だけ
> を売り物にしているわけではありません。ですが、ローセン
のように「斜め」に見れ
> ばその政治的ポジションも「出世のためのウケ狙い」という
イメージにもなるわけで、
> とにかく何らかの知的な関心と正義への情熱はあるにしても
「女性の目立つ特性を使
> って活躍しよう」という「勢い」そのものが不自然なものに
見えるのだと思います。
> 
>  では、TV局サイドとしてはどうして「女性戦争記者」を
使うのかというと、何と
> いっても視聴率のためだと思います。アマンポーラなどの場
合はともかく、現在では
> ホンネとして、女性記者の方が「受ける」という心理が漠然
と社会的に存在するから
> です。これもかなり複雑で、女性視聴者にしてみれば「責任
重大で困難な仕事を女性
> が担っている姿」への好感ということがあり、男性視聴者も
基本的に同じですが一部
> の男性心理にしてみると、「戦場や混乱状態」から女性がレ
ポートすることの「健気
> さ」を好むとか、「勝気な行動をしている女性が時折見せる
パーソナルな表情が好き
> だ」などの心理があるわけです。そんな複雑なものではなく
、無粋な男より女性のほ
> うがスマートで格好良いという印象を男女ともに持っている
とも言えるでしょう。
> 
>  確かにローガン記者はそうした「ニーズ」をうまく使って
キャリアを積んできたと
> いう印象はあります。南アメリカ人として英国にわたり、最
初はモデルをしていたの
> が戦争報道で有名になり、離婚や再婚を報じられる中で芸能
人扱いされる一方で、ア
> メリカのCBSに職を得てからは、かなり積極的な取材姿勢
が評価されて「ファンサ
> イト」なども出来ているのです。
> 
>  単にアメリカの視聴者受けというだけでなく、政治的な背
景もあるように思います。
> ローガン記者を「突撃の急先鋒」として、エジプト革命のプ
ロセスではアメリカから
> 多くの女性記者が現地入りしていますが、そのほとんどはエ
ジプトということもあっ
> て、ベールを使わずに、金髪や長い髪を振り乱してデモ隊の
中に飛び込んでいます。
> 各局共にどうしてそうした演出になっているかというと、恐
らく「この革命は市民の
> 自由化を求める革命であって、イスラムの復権を目指すもの
ではない」という性格付
> けをアメリカ世論へのメッセージとして送りたい、そのひと
つの象徴として多くの女
> 性記者をデモ隊の渦中に送り込んだということは言えると思
います。
> 
>  つまり「派手な白人の女性記者がデモの群衆の中に入って
も、宗教的にそして文化
> 的に排除されない」ということが「これは宗教革命ではなく
市民革命だ」ということ
> を正にテレビ的に視覚で表現できるというわけです。この辺
りが、冒頭の二つの疑問
> のうちの一つ目に関わってくるのですが、こうした報道姿勢
はアメリカ側としては終
> 始一貫していたように思います。
> 
>  先々週のこの欄でもお伝えしたように、アメリカの報道姿
勢は「大変だ。エジプト
> までが反米の原理主義になるかもしれない」というリアクシ
ョンを排除して冷静さを
> 確保するということで一貫しています。例えば、ムバラク前
大統領が「辞任しない」
> と頑張っていたときには、サラ・ペイリンが「エジプト情勢
に関してオバマがいちい
> ち記者会見すると、みんなでその見解に従うのは異常」だと
吠え立てて、「原理主義
> 拡大の動きに警戒を」と呼びかけていたのですが、これに対
しては保守本流の大物政
> 治家であるリンゼイ・グラハム上院議員(共和)が「呆れた
発言だ」と大統領を擁護
> するなど、政界も超党派で冷静さを保っていたぐらいです。
> 
>  ちなみに、下手をすると反米センチメントの拡大もありそ
うな、イエメン、ヨルダ
> ンのデモに関してはアメリカの報道は抑制気味、一方でリビ
アのデモは長年の仇敵カ
> ダフィ政権の動揺への期待から扱いが大きくなっています。
イランの民主化デモに関
> しては、アメリカの世論も政界もデモ隊側を応援しています
が、彼等を支援するがゆ
> 
=== 以下のメッセージは省略されました ===






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