[CML 007685] TPP について

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2011年 2月 18日 (金) 06:04:36 JST


紅林進です。
   
   私は食料は基本的に各国で自給すべきだと思っています。
  どうしても日本で生産できない作物は別として、穀物などの
  基本的食糧は自給すべきだと思っています。地産地消すべき
  だと思っています。フードマイレージを増大させ、エネルギーを
  浪費して、ポストハーベスト等の人体に有害な物質を振りかけて、
  遠距離から輸送してくる必要はありません。
   
   穀物等を大量に輸入することはその国の民衆から食糧を奪う
  ことにもなり、また今後、世界的に食糧不足が予想される今日、
  将来的に安定的に海外から安価な食糧が輸入され続けるという
  保証は全くありません。私自身は「食糧安保」という言葉は好きでは
  ないですが、国内の農業を壊滅させて、海外からの食糧に頼ること
  は、日本の民衆の食の確保も困難にする危険があると思います。
   
   また農業・農村は単に食料の生産のみならず、自然環境の保全、
  保水、景観等々、さまざまな役割、効用を持っています。
   
   TPP参加論者は、TPPによって、それに耐えられるだけの日本農業の
  生産性の向上や規模拡大をと言いますが、米国やオーストラリア等の
  広大な耕地のある国々の農業(その多くはそれ自身非常に土地収奪的、
  環境破壊的農業)と規模や生産性で競争をしようとしても無理です。
  中山間地の多い日本の農業でそれに対抗することは不可能です。
  日本の国土にあった、農業を発展させて行くべきで、それは何よりも、
  食の安全を保証するものでなければなりません。私は化学肥料や農薬
  に頼った農業は改めるべきだと思いますし、TPPによって、遺伝子組み
  換えの農産品が入ってくることにも反対です。
   
   食料・食糧には各国の主権が確立されるべきであり、関税自主権は
  各国に認められるべき基本的権理です。そして自国農業の保護は
  どこの国でもやっていることであり、米国は一方で、自由貿易を声高に
  叫びながら、巨額の輸出補助金を出して自国農業・穀物メジャーを
  保護しています。EU諸国も巨額の農業補助金を支出しています。
   
   そしてTPPは単に農業だけの問題ではないのです。金融や、サービス、
  医療等のあらゆる分野を含むものであり、その影響は広大で、甚大です。
  労働力の輸入も自由化され、それによって、賃金の低下、失業の増大も
  予想されます。
   
   またTPPの交渉自体が密室で行われており、極めて不透明です。
  自国の利益と覇権を押し付けようとする米国の主導の下に進められよう
  としています。中国はもとより、各国と盛んにFTA協定を結んできた韓国
  でさえ、TPPに対しては、警戒して入ろうとしていません。いったん入って、
  協定を締結してしまえば、各国の農業は壊滅的な打撃を受け、またこの
  協定に拘束されて、各国の自主的な選択、主権は奪われるのです。
   
   私は自動車産業等、一部大資本、多国籍企業の利益のみを追求する
  のがTPPだと思っています。そのために、日本の農民、農業のみならず、
  消費者そして労働者・民衆の利益を損なうのがTPPだと思っています。
 


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