[CML 007630] ムバーラク辞任、各方面の反応(東外大中東ニュースより転載)

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 2月 16日 (水) 00:05:19 JST


みなさまへ (重複失礼いたします) 松元@パレスチナ連帯・札幌
東外大「日本語で読む中東メディア」中東ニュースhttp://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/news_j.htmlからの転載です。エジプト情勢理解のために。


■ムバーラク辞任、各方面の反応
2011年02月12日付 al-Hayat紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=21468
●ムバーラク抜きのエジプト…軍は変革を保証
2011年02月12日付『アル=ハヤート』

【カイロ:ムハンマド・サラーフ】【ワシントン:ジュウェイス・カラム】 



昨晩、エジプト人はおよそ30年ぶりに、いまや「元大統領」となったホスニー・ムバーラク抜きの夜を過ごした。若者たちが火を付け、ムバーラクに辞任を迫ってその統治のページを閉じさせた革命の18日間を経て、エジプト国民は新たな歴史を記し、不可能を可能にした。

国営テレビを通じてウマル・スライマーン副大統領が声明を読み上げ、ムバーラク大統領は辞任して軍最高評議会に国事を委ねたと発表したことを受けて、エジプト中が祝賀に沸いた。

軍最高評議会は権力委譲の開始にあたり国民を安心させるよう努め、評議会は「国民が納得する正統・合法な政体の代替ではない」と確認した。本紙の情報筋が確認したところでは、ムバーラクに辞任の圧力をかけたのは軍だったにもかかわらず、防衛大臣補佐官のムフスィン・アル=ファンガリー少将が読み上げた「声明3号」で評議会は、ムバーラク大統領の「祖国の至高の国益を優先した愛国的な姿勢」を称えた。また殉教者[=デモの犠牲者]についても「祖国の自由と安全のために命をささげた」と称え、「殉教者」という言葉を口にした瞬間にファンガリー少将は声明を読み上げるのをいったん止めて軍隊式の敬礼をした。

アラブ連盟のアムル・ムーサー事務総長は本紙に向けて、若者たちが「白色革命」を起こし、「極めて文明的なプロセスを通じて、またエジプトと全アラブ世界に全く異なる雰囲気を創りだした決意と不屈さのしるしをもって」一国の元首を辞任に追い込んだエジプト史上初の、また世界史上でもまれな出来事であるとのコメントを寄せた。軍最高評議会が指揮権を握ったことで軍政への転換を危惧する声が一部にあることについては、「国民こそがこの歴史的な結果へと事態を動かしたことを忘れてはならない。この変化を実現した人民の役割を忘れてはならない。この歴史的な瞬間に軍と国民は一つになるよう求められている」と述べた。

ムスリム同胞団のラシャード・アル=バイユーミー副団長は本紙に対し、大統領の辞任は「大変良いこと」だと述べ、辞任発表は「この政権が頂点から足下に崩れ落ちたことを示した…エジプトの安定にとって重要な要素となる市民的で民主的な政府に権力が平和裏に移行することで、辞任がこれからの良き段階の良きスタートとなるよう神に願う」と語った。

「若者たちの革命」に火を付けたワーイル・グネイムはツイッターに「おめでとう、エジプト」と書き込んだ。一方、ムハンマド・アル=バラーダイー前IAEA事務局長はフェイスブックのページに「私にとって、エジプト人たちにとって、これは最も偉大な日だ…エジプトは社会的公正に基づく民主国家になるだろう」と書き込んだ。バラーダイー氏は「清廉な議会選挙と大統領選挙を実現するための移行段階の間、我々は軍と共に働く」と軍の姿勢を称え、自身は次回の大統領選挙に出馬しない意向を表明した。

(中略)

昨日、カタールはエジプトで政権が軍最高評議会に移行したことを歓迎し、エジプト政府との際立った関係を堅持すると確認した上で、「エジプトがアラブ世界とイスラーム世界における指導的な役割を取り戻し、両世界が抱えている諸問題を支持・支援する」ことへの期待を表明した。一方イランは、エジプト人は「偉大な勝利」を成し遂げたと見方を示した。

ハマースは、ムバーラク辞任をエジプトの革命の「勝利」の始まりであるとみなし、この革命の側に立つと明言した。そしてエジプト軍に「国民の要求を保証し、そこから外れる
ことを許さない」よう呼びかけて、「エジプトの新指導部は即刻、ガザ地区への封鎖を解除し、エジプト側の通行所を永久に開放して、ガザ市民に再建と移動の自由、必要物資の入手を可能にするよう」求めた。

レバノンのヒズブッラーはエジプト人の「歴史的な勝利」を祝い、以下の声明を出した。「先駆的な革命によって実現された栄誉ある歴史的勝利に対し、ヒズブッラーは偉大なエジプト国民に祝賀と祝福の至高の聖句を捧げる」。

またアラブ首長国連邦も「最大の友邦国たるエジプト」への支持を明言し、声明で「エジプトの軍最高評議会がこの正確を期する状況下で、国民の希望と願望を実現するような形で国事を運営する能力があることへの信頼」を強調し、「友邦としての際立った歴史的な関係の強化に対する常なる意欲」を確認した。

(翻訳者:山本薫)
(記事ID:21468)

■ムバーラク意識不明と「アル=マスリー・アル=ヤウム」紙伝える
2011年02月14日付 al-Quds al-Arabi紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=21498

●「アル=マスリー・アル=ヤウム」:ムバーラク意識不明
2011年2月14日

【カイロ】

「アル=マスリー・アル=ヤウム」紙が火曜日、複数の消息筋から伝えたところによると、辞任したムバーラク(前)大統領はシャルムッシェイフの滞在先で、土曜の夜以来、意識不明の状態にあるという。
またムバーラクは医師の手当てを受けているが、国内国外を問わず病院への移送先は決まっていないという。

ムバーラク(82歳)は去年3月にドイツのハイデルベルクで胆嚢と十二指腸のポリープ摘出手術を受け、その後も精密検査や予防的治療を受けていた。

エジプトの複数の消息筋が、次のように伝えている。ムバーラクはその精神状態の悪化に加え、健康状態も急激に悪くなるなかで、人生の最後の日々をシャルムッシェイフの療養所で過ごすことになる可能性があると。

また、ここ数年、高齢のため複数の病を得、多くの手術を受けてきたムバーラクは、薬を飲むことを拒否するととともに、医師の診断を受けることを拒否していると伝えている。

ムバーラクの側近筋によると、その健康状態、精神状態は明らかに悪化の一途をたどっているということである。

移行政府の首相であるアフマド・シャフィークは日曜、ムバーラクは今も、「その瞬間も」シャルムッシェイフにいると確認している。

また日曜には「アフバール」紙が、大統領官邸で(退陣を発表した)木曜に激しい対立が起きたことを報じているという点にも指摘があった。

(翻訳者:八木久美子)
(記事ID:21498)


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