[CML 007619] Re: : [Non9kaiken 8170] (無題「)強制起訴」表現はマスコミ操作ではないか
maeda akira
maeda at zokei.ac.jp
2011年 2月 15日 (火) 10:50:44 JST
前田 朗です。
2月15日
石垣さん
1)「起訴強制手続 Klageerzwingungsverfahren」というのは、ドイツの刑事訴
訟法に定められた制度です。被害者側は、検察官の不起訴処分に不服がある場
合、申立人となって裁判所に起訴命令を求めるものです。申立に理由があれば、
裁判所は起訴命令を決定し、検察官が公判で訴訟を継続します。申立人は公訴参
加ができます。「強制」というのは、「検察官に強制する」のです。
2)これとは別にフランスでは、私人訴追制度があります。
3)日本の刑事訴訟法262条以下の準起訴手続きは、ドイツの起訴強制手続き
に学んだものとされています。準起訴決定があれば、検察官ではなく、指定弁護
士が事件を担当します。
4)準起訴とは別に検察審査会法がつくられています。こちらはアメリカの大陪
審に学んだとされています。
5)日本では国家訴追主義が採用され、起訴権限は検察官に集中しています。し
かし、それに対する例外として、準起訴手続きと検察審査会があります。このた
め、刑事訴訟法学では、これらを「起訴強制」と呼びならわしてきたのです。別
にマスコミがつくった言葉ではなく、刑事訴訟法学では従来から用いられている
言葉です。
6)マスコミの問題は、もとは「検察官に対する強制」の意味なのに、「小沢一
郎に対する強制起訴」の意味でこの言葉を使っていることでしょうか。その点で
は、石垣さんの指摘が当たっていると思います。
motoei wrote:
> 小沢一郎「強制起訴」表現はマスコミ操作ではないか。
>
> 起訴に「強制的」と「強制的でない」ものなどありません。
> NHKに問い合わせたら、本日2月14日午後7時のニュースでは
> 「強制的な起訴」と言い換えました。
> 再度問い合わせたところ、「検察審査会」によるものだから、と返答されたの
> で、
> それなら「検察審査会」による起訴とすれば良いのではありませんか。
> と述べたところ。「検討します」とのことでした。
> 捜査については捜査拒否に対し、強制捜査という表現はあります。
> しかし、起訴に対してはありません。
> 既にどなたか指摘されていた方がいましたが、私たちはマスコミ操作によって
> 先入観を持たされないようお互い注意しましょう。
> 民放も意図的に「強制捜査」を使用しています。みなさん問い合わせてくださ
> い。(石垣)
>
>
>
>
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