[CML 007449] J-Flash173:スコットランド国民党(SNP)、英軍のアフガニスタン年内撤退を要求

ピープルズ・プラン研究所 muto at jca.apc.org
2011年 2月 4日 (金) 15:21:51 JST


ーー【APA‐JフラッシュNo.173】ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
政党の存在感を示すための、年頭のアッピールなのかもしれないが、好戦的モ
ードではなく軍の撤退の主張。「…2011年は(軍関係および市民の)一人
の死者も出さないことを切に望む」とのメッセージは歓迎。   (M)
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スコットランド国民党(SNP)、英軍のアフガニスタン年内撤退を要求
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1月1日、SNPは、英軍部隊がアフガニスタンから年内に撤退するよう要求
した。

デビッド・キャメロン首相は、すでに2015年を目標として英軍撤退計画を
すすめているが、SNPはさらに早急に行動を起こすように求め、アフガニス
タン全域のコミュニティ再建のための人道的支援にもっと力を入れるべきであ
ると主張した。

アフガニスタン駐留のNATO軍は13万人、そのうち1万人が英国軍だが、
2010年には100人以上もの戦死者が出た。今年は、タリバン政権打倒の
ためアフガニスタンに侵攻開始した2001年から10周年目にあたる。

米国のバラク・オバマ大統領は、今年中に米軍6万5000人による戦闘作戦
を終了すると表明している。その後もイラク軍への助言と米国権益を守るため
多くの部隊は継続的に駐留することになる。SNPの国会議員代表アンガス・
ロバートソンは次のように言う。

「オバマ米大統領は2011年7月までに米軍部隊を撤退させる意向を表明し
ている。米国大統領が確約できるのに、英軍当局は曖昧な約束では済まされな
いだろう。英国のアフガニスタン関与は、既にいずれの世界大戦よりも長くな
っている。キャメロン首相の新年の抱負は、2011年のクリスマスまでに英
軍部隊を帰還させることにするべきだ。今こそ、この地域での長期的安定を保
障するため人道的支援にもっと焦点をあてるべきだ。英国前国連大使ジェレミ
ー・グリーンストック卿の言うように、英軍はヘルマンド州で治安にあたって
きたが、今のところ開発を進めようとする動きはないではないか」。

2001年以来、アフガニスタンで戦闘中に戦死した英国兵士は計348名。
それに対してイラクでは戦死者179人、そのうち戦闘中の死者が136人で
あることを考えると、危険度はイラクのおよそ2倍とも言える。

4日前にも死者が出た。英陸軍兵站軍団第23工兵連隊のチャーリー・ウッド
准尉が、道路脇の爆弾処理中に爆発で命を落とした。

キャメロン首相は、アフガニスタン軍に対して徐々に治安権限を移譲しつつあ
り、2014年までには完全に移譲できるだろうとリスボンNATO首脳会議
で述べた。そうなれば、英軍の一部はアフガン軍の訓練に残るとしても、戦闘
の役目を終えて2015年には確実に撤退できるだろう。

NATO自体も2014年までと時間枠を決めており、それまでに移行が完了
する予定である。アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領とNATOのアナ
ス・ラスムッセン事務局長は、2014年末までにアフガニスタン政府に統治
を完全移譲するという取り決めに最近署名している。

しかし、昨今の経済状況下でアフガニスタンの軍事活動に巨額の戦費がかかっ
ているとの指摘もある。2008年から2009年の間の費用は26億ポンド
に達した。一日あたりおよそ720万ポンドという額である。

SNPは、ウェールズの民族政党「プライド・カムリ」と共に早期撤退を求め
ている。

「首相は繰り返しアフガニスタンからの撤退について示唆しているし、撤退は
『充分に可能』だとまで言っているが、もっと確実な約束がわれわれは今必要
だ」とプライド・カムリの国会議員代表エルフィン・ルイッドは語った。

「直ちに開始でき、アフガニスタン政府に治安権限を完全移譲することを目標
とした、段階的出口戦略が必要である」と述べ、「昨年の軍関係および市民の
死者は過去最高を記録した。2011年は一人の死者も出さないことを切に望
む」と加えた。
                       スコット・マクナブ
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出典:スコッツマン(2011年1月1日)
翻訳協力:四季(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:HSナオコ 監修:APA‐Jデスクチーム
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