[CML 013956] 【萩谷さんへ】Re2: 「避難の権利」に関する意見への共産党からの回答(転載)と私の若干のコメント

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2011年 12月 30日 (金) 16:55:42 JST


萩谷さん

返信するまでもないことかとも思いましたが、一応・・・。

「郷党は徳の賊」というのは「郷原は徳の賊」(「徳人を装う偽善者は、無益であるのみならず、かえって
徳をそこなうものである」の意〔三省堂 大辞林〕)の書き誤りですね。「郷原は徳の賊」は論語の「陽貨
第十七」に出てくる成句のようです。

なお、「郷党」という言葉は私の造語ではありません。貝塚茂樹編の「角川漢和中辞典」にも「郷党」と
いう言葉は出てきます。その意は,爐蕕兇鉢村の仲間ということのようです。萩谷さんもいわれるよう
に「郷党第十」という論語の編名にもなっています。

萩谷さんは「郷党意識」という四字熟語が私の造語ではないかとおっしゃっておられるのでしょうが、も
ともとあった「郷党」という言葉に「意識」という語句をつけ加えただけですから造語と呼ぶほどのもので
はないと思います。「○○意識」とは私たちのよく使う言い方です。



東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/

----- Original Message ----- 
From: "hagitani ryo" <liangroo at yahoo.co.jp>
To: "市民のML" <cml at list.jca.apc.org>
Sent: Friday, December 30, 2011 1:53 AM
Subject: [CML 013940] Re: 【萩谷さんへ】Re: 「避難の権利」に関する意見への共産党からの回答(転載)と私の若干のコメント


> 東本さん 萩谷です
> 
>  ご説明ありがとうございます。 
>  用語法の意図はわかりました。
>  さいわい、東本さんの書かれる物をある程度読めば、ショーヴィニストではな
> いことがわかるでしょう。
> 
>  ただ、特別重要な思想的意味があるとかいう のでしたら、どんなに奇異な言
> 葉でもいいのですが、このように国語辞典レベルの説明でまにあうのでしたら、
> 避けたほうが無難でしょう。
> 
>  詩的なものは話が別ですすが、思想的なことを語るのであれば、思想の本性と
> して、特別な注意を喚起 したい場合をのぞき、一般的で広く共有されている言
> 葉を使うほうが、望ましいだろうと思います。
>  日本語でも、古くは、理由を説明するようなことを「ことわり」と言っていま
> したが、普通の、みんなが共有する言葉へと分解して、広く一般の他者 とのつ
> ながりをもつ、ということが、思想の不可欠の本性だと思います。
>  東本さんがそういうことに背を向けているとは申しませんが(むしろ、ことわ
> りが長すぎると苦情がありますけれども)、ことわりには、平易な言葉 のほう
> が適していると思います。
> 
>  東本さんご自身でも「愛郷心」という、平凡な言葉を出しておられるので、で
> は、なんでそれにしないのか、と思います。なぜなら、東本さんの言わ れるも
> のこそ、多くの人が「愛国心」とはちょっと別のものとして「愛郷心」と呼んで
> いるものだからです。
> 
>  郷党と言えば、まあ「郷党は徳の賊」という論語の有名な一句や、「党派主義
> 反対」といったようなこと が思い浮かんで困ります(^^)。
>  
>> 「わが郷党の人びとは、権威あるもの、慣習的にすでにあるもの、を疑わな
>> い。ただし、そうした 傾向は、わ
>> が郷だけのことではない」云々。
> 
>  慣習的にすでにあるもの、といえば、言語はまさにそうです。東本さんが、言
> 語のそういう「既成の慣習」的な本質に反発を覚えておられるなら、話 が別
> で、私もそれには大いに興味があるのですが。
> 
>  郷党意識というのは東本さんの造語でしょうから、どう定義を広げても自由か
> もしれませんが、フランス人が日本に住み着いて、そこになじんだこと を郷党
> 意識と言うとは思えません。帰属意識はあるでしょうが、この社会心理学みたい
> な匂いのする言葉も、あまり使いたくありませんね。
>  おそらくそのフランス人にとって、福島は「故郷と言っていいもの」になった
> のですが、「彼女は私にとって妻といっていい女性だ」というようなと き、そ
> の女性は決して正式の妻ではないのです。
>  これを郷党意識と呼ぶ東本さんも、そうすることを躊躇する私も、このフラン
> ス人の話には、ある切実な、また美しいものを感じているのでしょう。
> 
>  
>  
> 
> 
> (11/12/29 19:32), higashimoto takashi wrote:
>> 先ほどは下書き段階のメールが発信されたようでご迷惑をおかけしました。パ
>> ソコンを買い替えたばかりで
>> 要領がいまひとつ掴めていませんので先のような誤りが起きました。ご容赦く
>> ださい。
>>
>> 使い慣れた古いパソコンから再度発信させていただこうと思います。管理者に
>> おかれては先の下書きメー
>> ル(CML 013933)はご削除いただければ幸いです。
>>
>> 以下、再送。
>>
>> 萩谷さん
>>
>> 一口に「パトリオティズム」あるいは「愛国心」といっても、その意味すると
>> ころは多様であり、多義的でもあ
>> るようです。
>>
>> ウィキペディアの「パトリオティズム」の解説はつぎのようなものです。
>>
>> 「愛国心、愛国主義(パトリオティズム、英: patriotism)は、国民が自らが
>> 育った、あるいは所属する社会
>> 共同体や政治共同体などに対して愛着ないし忠誠を抱く思想、心情。/愛国心
>> によって表出する態度・
>> 言動の程度は様々で、郷愁(仏:nostalgie)から国粋主義
>> (英:nationalism)まで幅広い。よってこれらを十
>> 把一絡げに「愛国心」と表現することもできるため、その内容は往々にして不
>> 明確である。」
>>
>> 私は「郷党意識」という言葉を上記の「郷愁(仏:nostalgie)」という意味
>> で用いました。「郷」は「郷土」「故郷」
>> の「郷」。「党」は古語の「たむら【屯/党】」=たむろする(「人皆―有
>> り」〈推古紀〉)。また、ともに何事かを
>> 行う集団、仲間(=馬之党〈しゅうばのとう〉(=イ偏に就の字)9世紀末に
>> 東国を荒らし回った騎馬盗賊団
>> の「団」)の意味。「郷土愛」、「愛郷心」、「お国自慢」、要するに自分が
>> いま住んでいる「この町」を大切にし
>> たいと思う地域住民の自然な感情を「郷党意識」という言葉で表現しました。
>> 一方でこの地域住民の
>> 自然な感情はきわめて強固な感情ともいえるもので、その地域住民の意識の強
>> 固さを表すために「固い団
>> 結」というイメージのある「党」という語句を用いるのが適当か、と判断しま
>> した。
>>
>> 「郷党」という言葉の中に「愛国心」という意味でのパトリオティズムの意味
>> 合いはありません。ただ、いわゆ
>> る「郷土愛」も社会学的には広義のパトリオティズムとみなされる概念のよう
>> ですので、念のため「一種のパ
>> トリオティズム」という注をいれておいた方がよかろうとも判断したわけです。
>>
>> 「なんのために、普通でない言葉を使うのですか?」と問われれば、上記のと
>> おりこの表現が適切だと判断
>> したから、というほかありません。私は10年ほど前に書いた文章の中でも
>> 「郷党」という言葉を使っています。
>>
>> 「わが郷党の人びとは、権威あるもの、慣習的にすでにあるもの、を疑わな
>> い。ただし、そうした傾向は、わ
>> が郷だけのことではない」云々。
>> http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/6197041.html
>>
>> 上記を見ても、「郷党」の「郷」は「わが郷(さと)」の意で用いられている
>> ことはおわかりいただけると思います。
>>
>> 福島に25年暮らしていたフランス人がいったんフランスに帰郷した後、改め
>> て「ここが自分の生きる場所な
>> のだ」と悟って福島の地に戻ったという話は、私のいう「郷党意識」は「愛国
>> 心」という意味でのパトリオティズ
>> ムの意ではありませんので、このフランスの人にも福島の地を自分の生涯の地
>> とする「郷党意識」が強くあっ
>> たとしてもまったく不思議ではないと思います。このフランス人は福島に25
>> 年も暮らしていたということですか
>> ら、むしろ当然というべきでしょう。
>>
>> 逆に「ふるさとは遠きにありて思ふもの」という心理があってもまた不思議で
>> はありません。
>>
>> *ここでは放射線問題とはまた別次元の問題として「郷党意識」の問題を話題
>> にしています。
>>
>>
>> 東本高志@大分
>> higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
>> http://mizukith.blog91.fc2.com/
>>
>> ----- Original Message ----- From: "hagitani ryo" <liangroo at yahoo.co.jp>
>> To: "市民のML" <cml at list.jca.apc.org>
>> Sent: Thursday, December 29, 2011 7:41 AM
>> Subject: [CML 013926] Re: 【前迫さんへ】Re: 「避難の権利」に関する意見
>> への共産党からの回答(転載)と私の若干のコメント
>>
>>
>>> 東本さん
>>>  CML013830ですでにそうしておられるのですが、あなたは、福島の人たち
>>> が、自分の住み慣れた土地を離れられずにいることを、なぜか「郷 党意識」と
>>> 呼び、またそれを「一種のパトリオティズム」とも言っています。
>>>
>>>  住み慣れた土地に愛着をもち、自分の存在、自分らしい生き方の支えや土台を
>>> 見いだすのが「郷党」ですか?
>>>
>>>  フランスのある記事には、福島に25年暮らして日本人女性との間に17歳と13歳
>>> の子をなしたフランス人の話が載っていました。いったんはフラ ンスに行 くの
>>> ですが、そこから戻ってくるのです。ここが自分の生きる場所なのだと悟ったと
>>> 彼は言っています。これでもあなたは「郷党」「パトリオティズ ム」という 言
>>> 葉を使いますか?
>>>
>>>  なんのために、普通でない言葉を使うのですか? それは、一種の漢字の詐術
>>> ではないのですか。
>>>
>>>  サミュエル・ジョンソンの有名な「愛国心はならず者の最後の逃げどころ」と
>>> いう警句をご存じでしょうが、それくらい、愛国心というのは、外部と の対立
>>> を含んだ言葉なのです。日本の野山を春に桜の開花が埋め尽くすのを見て、
>>> 「やっぱり日本の春はきれいだなあ」などと言うのが、パトリオティ ズムだと
>>> は、私は思いません。
>>>
>>>                                     
>>>    萩谷
>>
>>
> 
>


CML メーリングリストの案内