[CML 013899] P.D.スコット『最後の審判プロジェクト:JFK、ウォーターゲート、イラン・コントラ、そして911』

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 12月 28日 (水) 08:16:44 JST


みなさまへ    (BCCにて)松元

バルセロナの童子丸さんからThe Asia-Pacific Journal誌(2011年11月21日)に掲載されたピーター・デール・スコット論文の翻訳が届けられました。長文ですので、前半だけ紹介させていただきます。続きと註は童子丸さんのサイトでお読みください。

ケネディ暗殺からベトナム戦争、イラン・コントラを経て、9・11につづくアフガニスタン侵攻からイラク戦争の今日まで、米国とその世界戦略を支配してきた「最後の審判プロジェクト」の解析。キィーワードは「深層での動き」。

======以下、転載前半======

元UCバークレー教授、ピーター・デイル・スコットの論文、『最後の審判プロジェクト:JFK、ウォーターゲート、イラン・コントラ、そして911』をご紹介します。
ただし、本文は非常に長いもので、このメールでは私の書いた前文と、翻訳本文の前半部のみをお知らせさせていただきます。本文後半部と注釈(数が多く重要な内容が多い)については、私の「どうじまるHP」でご覧ください。
アドレスは次です。
http://doujibar.ganriki.net/Today's%20World%20of%20Fraud%20&%20Myth/The_Doomsday_Project_and_Deep_Events_in_Japanese.html


最後の審判プロジェクトと深層での動き
JFK、ウォーターゲート、イラン・コントラ、そして9・11

 これはThe Asia-Pacific Journal誌(2011年11月21日)に掲載されたピーター・デール・スコットの論文の翻訳である。
'The Doomsday Project and Deep Events: JFK, Watergate,
Iran-Contra, and 9/11,'  by Peter Dale Scott
The Asia-Pacific Journal Vol 9, Issue 47 No 2, November
21, 2011.
http://japanfocus.org/-Peter_Dale-Scott/3650

 この翻訳は、The Asia-Pacific Journal誌の了解の下でジャーナリスト櫻井春彦氏によって為され、童子丸開が補助と校正を行い、乗松聡子氏によってPeace Philosophy
Centerのホームページに掲載された。そして乗松氏の許可を得て当サイトでも公開されるものである。

前文:童子丸開
 『1963年の深層での動き以来、アメリカの政治システムの正統性は嘘にくるまれている。 それは、その後に続く深層での動きの助力
によって保護されてきた嘘である。』(ピーター・デール・スコット)

 ”The Doomsday(最後の審判の日)”はキリスト教の聖書の「ヨハネ黙示録」にある言葉で、「キリストの再臨・千年王国」の後で起こるこの世に対する最終処分、全ての死者に対する「最後の審判」が行われるとされる日を意味している。この種の終末論は常に人々のファンタスティックな想像力をかき立てるとみえる。以前には「ノストラダムスの大予言」とやらがもてはやされたが、近年ではどうやら2012年にこの世が滅亡すると主張する人々もいるらしい。これは古代マヤの暦が2012年に当たる年で終わっているためと言われるが、一方でそんなファンタジーとは無関係に、「2012年に起こる米国軍事クーデター」という、1992年に米国軍のコリン・パウエル参謀総長(当時)の求めに応じて米軍人の手で作られた「フィクション」もある。これは<軍隊が国家権力を掌握し、社会的援助と医療、教育、交通を指導しつつ、『国民の防衛』を保障するために統一された命令を発した>という仮定の下に描かれたものだが、実際、2011年12月になって米国議会は新たな「国防権限法(NDAA)」を可決して、軍事独裁色を露骨に強めている。

 それにしても『the Doomsday Project(最後の審判プロジェクト)』とは何ともおぞましいイメージをかきたてる言葉だ。この論文の著者によればこれはペンタゴンの命名のようだが、聖書には「最後の審判」の後に世界が「選ばれた少数の者たちだけの永遠の天国」と「大多数の者たちのための永遠の地獄」に2分されると書かれている。現在我々が生きるこの現実の世界で進行中の「人口の1%への富の集中と99%の貧困化」を考え合わせるならば、この「プロジェクト」の命名を単なる気まぐれと一笑に付すにしては、あまりにも現実味があるように思える。

 ピーター・デール・スコット(Peter Dale Scott:1929~)は、カナダ出身の元外交官、詩人、そして米国カリフォルニア大バークレー校で英文学の教授を務めた人物である。彼は厳しい資料の選択と吟味を通して、「深層の政治(Deep Politics)」という用語を用い
て現代史を語る。この論文をお読みになればお分かりになるとおり、ある重大な事件に関わりのある公的な資料の中にありながら、その事件が公式に説明される際には不思議と決まって無視される種類の情報がある。そしてその周辺には、決して公開されない、おそらく破壊されたと思われるデータの存在が示唆される。P.D.スコットの「深層の政治」は、このような情報を丹念に発掘しそこにある一貫性を発見してきた結果としてまとめられるものである。

 彼はそこから読み取れる政治の表層から隠された出来事を”Deep Events”と名付けるが、この和訳でそれは「深層での動
き」とさせていただいた。正確には「深層の出来事」だろうが、それが次のステップへと動的につながっていく様々な出来事の連続を現すと思われるため、「動き」と訳したものである。以上の点についてご了解いただきたい。

 この論文で「深層の政治」は、1963年11月22日のケネディ大統領暗殺事件、ベトナム戦争の直接の原因となった1964年のトンキン湾事件、1968年6月5日のロバート・ケネディ司法長官暗殺事件、1974~75年に米国を揺り動かしたウォーターゲート事件、冷戦末期の1980年代に大問題となったイラン・コントラ事件、また1970年代末から今日まで暴力的に続くアフガニスタン情勢、そして2001年の9・11事件に至るまで、米国の政治・軍事を舞台として継続されてきた作業の、明白な連続性として登場してくるものだ。個々の事件のビーズ玉はこの「深層の政治」の糸によってつながり一つの明確な形を取っていく。P.D.スコットは現場の資料から離れた憶測を交えることなく、データと人脈からその糸を冷静に厳密に探り取っていく。そしてそれは9・11以後も必然的に、2011年末の今日に至るまで、引き続いて動き続けているものなのだろう。

 私は、「不況」と呼ばれる富の一極集中の中で、米国や欧州で99%の人々の生活が追い詰められ、「偶然の不祥事」で主の変わったIMFを代表部とし米国の格付け会社を司令塔とする巨大金融資本が欧州の支配と主権国家の破壊に成功しつつあり、イスラム圏の再編成と対ロシア・中国封じ込めが図られ、そして対イラン・シリア戦争の準備が進行する今日、この米国政治の「深層での動き」と我々が日常に肌で接することのできる世界の変化との関連を、いやでも感じ取らざるを得ない。

 もちろんのことだが、日本という国家と社会もまたその「深層の政治」によって突き崩されつつある。しかしながら先日、インターネット版の新聞だが、次のような見出しが目に映った。『野田首相、TPP、消費税、「捨石になってけりをつける」』、『「米国に親しみ」過去最高82% 震災支援、追い風に』。私はこれを見て、思わず有名な漢詩の一部をもじって次のようにつぶやかざるを得なかった。「国亡びて…山河穢(けが)る…」。

 ピーター・デール・スコットの作品が和訳されるのは、おそらくほとんど初めてのことではないかと思われる。これは極めて理解しがたいことだが、彼の「深層の政治」という用語が何か怪しげな陰謀論を連想させて日本の研究者を躊躇させるのだろうか。それともそこに何か日本人が触れてはならないものを察知するのだろうか。この和訳で本文の最後に著作・著述の紹介があるのだが、彼の貴重な作業が日本に伝わらないのは理に合わない。彼の今回の記念碑的な論文が、多くの日本人の関心を「深層での動き」に集めるきっかけとなることを期待したい。

 ただこの論文にはいくつかの点でやや残念な面もある。一つには、イラン・コントラ事件から9・11の間で登場してくるいわゆる「米国ネオコン」の動きが完全に抜け落ちている点である。さらにそれに関連して、80年代から急速にそして巨大に台頭してきた「イスラエル(ユダヤ)ロビー」の役割が考慮されていない。またP.D.スコットは、ケネディ暗殺から9・11事件にいたるまで、その深層を探求する動きに対して、いわゆる「左翼」に属する人たちやその情報誌(ウエッブサイトを含む)が為し続けている犯罪的な役割については全く触れようとしない。

さらに次の点も指摘できる。ケネディ暗殺や9・11事件が、その犯人とされたオズワルドやアルハズミらが実行しCIAなどの組織がそれを意図的に見過ごしあるいは積極的に補助したいわゆる「やらせ」なのか、それともこれらの者たちは犯行に加わらず他の力によって犯罪が行われて彼らにその罪が擦り付けられた「内部犯行」によるものなのか、読み様によってはどちらとも受け取れるのだが、この論文の中ではもう一つはっきりしない。

 だがこれらは、彼自身が本文で「そうした(革命を求める左翼の)挑戦に対する右翼の反応、そして彼らの反応を高めた深層での動きの役割に今日は焦点を絞ることにする」と述べている以上はいたし方のないことなのかもしれない。またこの限られたスペースの中でそのような事柄にまで触れることは、P.D.スコットといえども不可能な作業に違いない。

しかし我々がここで取り上げられている事件とその深層について考える場合、このような著者が触れていない点をも補いながら見ていく必要があるだろう。逆に言えばそうした接し方こそが、この現代史の中で見えなくされている「赤い糸」を丹念にたどるという苦しい作業を続けてきたこの老学者に対する敬意の払い方ではないだろうか。

 P.D.スコットは論文の終盤で、2011年9月から始まった「ウォールストリート占拠」運動に参加する人々に対して、「愛国者法体制」の終了を要求せよという極めて貴重で決定的な提言を行っている。

 この運動には最初から「深層での動き」が関与しているのかもしれず、また警備当局の厳しい弾圧と脅迫によって分裂しつつあるようだ。しかしその正統な部分の流れは米国と世界で、深く長く続く世界中での大衆運動に引き継がれなければならない。その際に、単なる経済的な格差是正を要求するだけのものではなく、近代の世界の歴史を通してその「格差」を作り広げつつある者たちとその集団を見据えた運動にまで発展する必要があるように思える。その意味で、現在「ウォールストリート占拠」運動に参加しあるいは支持を与える人々の88%が「9・11事件の再調査」を、またほぼ96%が「愛国者法体制の終了」を(2011年12月10日現在)、この運動の正式な要求項目にするように求めていることは(もしこのリンク先の情報が信頼できるものならば)、未来に対するかすかな希望なのかもしれない。

 最後に、この翻訳を主要に携わり多数の注釈をお作りになったジャーナリストの櫻井春彦氏、翻訳の補助と公開にご尽力いただいたPeace Philosophy Centerの
乗松聡子氏、そして何よりも、作者のピーター・デール・スコット氏とThe Asia-Pacific Journal誌に対して、心からの感謝を捧
げたい。
(2011年12月吉日 バルセロナにて 童子丸開)

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■最後の審判プロジェクトと深層での動き:
      JFK、ウォーターゲート、イラン・コントラ、そして9・11
                     ピーター・デール・スコット著

私はアメリカ全体を専制国家にする力がそこにあることを知っている。また、我々はこういった技術を持つこの機関(国家安全保障庁)を含む全ての機関が法律やそれぞれにふさわしい監督者の下で活動していることに気を配らなければならず、我々はその境界にある深淵を決して超えることがない。それは決して戻ることのできない境界である。(フランク・チャーチ上院議員、1975年)

 深刻で、しかも間違って理解されている4つの出来事―ジョン・F・ケネディ(JFK)暗殺、ウォーターゲート事件、イラン・コントラ事件そして9・11―について論じてみたいと思う。これらの深層での動きを、事件と結びついた、より深い場所にある政治的なプロセスの一部として分析するつもりだ。民主主義を犠牲にしてアメリカの抑圧的な権力を築き上げるのを助けてきたプロセスである。

 この数年間、私はこうした出来事の背後にある闇の力について語ってきた。―もっと良い呼び方を探しているのだが、とりあえず「深層国家」と私が呼んでいる、公的な国家の内外で活動している権力だ。今日、初めて闇の権力の一部を明らかにしたい。公的な国家の片隅で50年以上の間、機能してきた権力の一部だ。この闇の権力の一部につけられた名前は私の創作ではない。最後の審判プロジェクト(the
Doomsday Project)、つまり「核戦争や何らかの大きな危機が起こっているとき、あるいはその後にホワイトハウスやペンタゴンを機能させるため」の緊急計画のためにペンタゴンがつけた名前だ。

 私の論点は単純で重要だ:1980年代の最後の審判プロジェクト、その前身になる緊急計画が、私の論ずる深層での動き全ての背後で、ある役割を演じてきたということである。

 より重要なことはそれが、現在アメリカの民主主義を脅かしている3つの問題全ての背後の要因だということだ。第1は経済(economy)の金権支配(plutonomy)への転換と呼ばれているもので、これはアメリカをどんどんと二つの階級、持てるものと持たざるもの、1%と99%に分離させている。第2は軍事化が急速に進み、特に、地球上の離れた場所で戦争を起こしたり挑発したりする傾向が強まっているということだ。そうした動きは日常的になり、予想できるようになっている。こうしたアメリカの戦争マシンの動きは1%のためのものである。

 第3―今日のテーマ―は、構造的な深層での動きのアメリカ史に与える重要でますます有害になっているインパクトである:それらはアメリカの社会構造を破壊するもので、例えばJFK暗殺、ウォーターゲート事件、または9・11のような不可解な出来事はアメリカ社会に大きな衝撃を与え、法律違反と暴力を繰り返す。そしてその多くの場合は、未知の闇の力に由来する。
 収入と富の格差という視点から、また増大しつつある軍国主義化と交戦状態という視点からアメリカの現在における衰退を多くの人が分析しているが、今日、私が分析することは私が新たに考る、収入格差(私たちの用語では金権支配)や交戦状態はともに深層での動きによって引き起こされているという主張である。

 現在のアメリカ経済にける収入格差は、政治的な介入から独立して働く市場の力の結果ではないということを先ず理解しなければならない。その主な部分は、システム的で意図的な現在進行している政治的なプロセスに起因している。つまり、1960年代と70年代に、国を支配する力が自分たちの手から離れはじめたと富豪たちが心配したときから始まる。

 後の最高裁判事ルイス・パウエルが1971年の覚書で、自由企業の存続は、左翼の脅威に対する十分な資金を投入した対応の「注意深く、長期にわたる計画と実行」にかかっていると警告したときが始まりである。この警告は連続する右翼の攻撃によって応えられ、シンクタンクによって調整され、家族基金のある小グループからふんだんに資金を提供された。これら全てはニューアークやデトロイトや他のあらゆる場所で起こった深刻な暴動に対する対応だということ、そして(アメリカやヨーロッパにおいて)革命を求める左翼の声が高まっていたことを私たちは思い起こさなければならない。そうした挑戦に対する右翼の反応、そして彼らの反応を高めた深層での動きの役割に今日は焦点を絞ることにする。

 パウエルの覚書で重要なことはその文書自体というよりはむしろ、それが米国商工会議所からの委託だったという事実である。この団体はアメリカにおいて、最も影響力のあり、語られることが少ないロビー団体のひとつである。その覚書は1970年代における階級戦争を展開させた多くの兆候のひとつにすぎず、政府の内外で働いたより大きなプロセス(アービン・クリストルが「知的な反革命」と呼ぶものを含む)である。それはいわゆる「レーガン革命」へと直接に導いた。

 そのより大きなプロセスが約50年間、アメリカの政治プロセスへ数十億ドルの右翼資金を注入して実行され続けてきたことは明らかだ。1963年のジョン・F・ケネディ暗殺から9・11まで、深層での動きはこの右翼活動の本質だということを今日は示したい。9・11は「政府存続」(COG)計画(1987年に実施されたオリバー・ノースのイラン・コントラ事件に関する公聴会で「アメリカ憲法の停止」と呼ばれたもの)の実行という結果をもたらした。前段階のCOG計画案に基づく、このCOG計画は、いわゆる最後の審判プロジェクトの中で、1982年からレーガンに指名された秘密グループによって慎重に練られた。このグループは、ドナルド・ラムズフェルドやディック・チェイニーを含む公的な立場の者や私人で構成されていた。

 この観点からすると9・11は、遅くともケネディ暗殺から始まる深層での動きの連続の頂点だということにすぎず、最後の審判プロジェクトの胚胎がそれら全ての背景で見つけることができるということを、今日は示したい。

 より具体的に言うと、次のような深層での動きについて論証したい。
1)すでに行われていたCIAや同種の機関による官僚的な不正行為がケネディ暗殺や9・11を引き起こさせる手助けをした。
2)深層での動きのそれぞれは、民主的な力を犠牲にした、それら機関における上意下達の抑圧的な力をももたらした。
3)これら深層での動きのそれぞれの実行者と次の出来事の実行者との兆候的な重なりがある。
4)それぞれの出来事に、国際的な麻薬取引の要素が含まれていることがわかる — 現在の金権支配がある程度、麻薬経済になって
いることを示唆している。
5)それぞれの出来事の背後に(ますます重要な役割を演じている)あるのが最後の審判プロジェクト — 通常の政府チャンネルの外に影の
ネットワークとして機能しているが、緊急時にはそれに取って代わるべき独自の通信網を持った意思決定の構造である。

●ケネディ暗殺と9・11の一因になった要素としての官僚的な不正行為
 それぞれの出来事で実行者とされた者(私がJFKと呼ぶ事件におけるリー・ハーベイ・オズワルド、そして9・11事件でハイジャック犯とされたハリド・アルミダルとナワフ・アルハズミ)に関するファイルをCIAやFBIが改ざんしたことで、JFK暗殺も9・11も容易にされた。そうした容易化の一例は、FBIエージェント、マービン・ゲースリングが1963年10月9日に下したFBIの監視リストからオズワルドを外すという決定だ。8月のニューオリンズにおけるオズワルドの逮捕、9月にあったとされるメキシコへの旅行から間もなくのことである。明らかに、こうした展開は通常ならオズワルドへの監視を強化すべきものだったはずだ。

  JFKや9・11において、他の機関、特にCIAの行動は、こうした不正行為の範例を示すものである。同じ10月、KGBのエージェントだと疑われていたバレリー・コスチコフとオズワルドがメキシコ市で会ったという情報を、許し難いことにCIAはFBIに伝えていない。このことはゲースリングの行為と似ている。こうしたことで、オズワルドが監視下に置かれないことを保障する一助になった。実際、クラーレンス・ケリー元FBI長官は回顧録の中で、1963年11月22日にオズワルドが監視下に置かれなかった主な理由は、CIAの情報隠匿にあると主張している。

 1963年に軍情報部はさらにひどいことをしている。この機関はダラスにおいて単にリー・ハーベイ・オズワルドに関する情報を隠しただけでなく、キューバに対する報復を誘発するように意図されていると思える偽情報を作り上げている。こうした挑発を私は第1期ストーリーと呼んでいる。そこではオズワルドについて謀略をめぐらしている共産主義者として描こうとしている。(後に示す第2期ストーリーも嘘なのだが、逆に、不満を抱いた個人として描いている。)そうした第1期ストーリーの明確な例は、テキサスの第4軍司令部から届いた通信で、ダラス警察にいる軍情報部の予備役部隊から送られた報告だ。つまり:

 ダラス警察情報部のドン・ストリングフェロー副部長はその本部である第112情報グループに対し、オズワルドから得た情報として、彼は1959年にキューバへ逃げ、共産党の党員証を携帯していると通告している。
 この通信は11月22日、キューバへ報復攻撃する場合に備えていたフロリダ州のフォート・マクディールの打撃軍へ直接、送られた。

 こうした偽情報は単発的な異常ではなかった。オズワルドのものだと言われるライフルに関するダラスから送られた別の第1期偽ストーリーによって、そしてマリナ・オズワルドの証言に関する連鎖的につながった嘘の翻訳によっても明らかに裏づけられる。それは、ダラスにあったオズワルドのライフルがロシアで彼が所持していたものだと示唆しているのだ。

 一見無関係のようだが、前の段落に書いたこれらの偽報告は、ドン・ストリングフェローの第488陸軍情報予備役部隊までさかのぼることができる。マリナの言葉を最初に間違って翻訳した通訳イリヤ・ママンコフは、ダラスの石油業者ジャック・クライトンとダラス警察の副本部長ジョージ・ランプキンによって選ばれた。クライトンとランプキンは第488陸軍情報予備役部隊の隊長と副隊長でもある。クライトンはダラスの石油業者の中で極右の人物であり、H・L・ハント基金の管財人、そして「カタンガ自由戦士のアメリカの友」のメンバーだ。この団体はケネディのコンゴ政策に反対するために組織された。

 1962年のミサイル危機でキューバに軍事侵攻しなかったことに激怒していた統合参謀本部のメンバーがいて、1963年5月にマクスウェル・テイラーが新たな議長に就任しても「アメリカ軍のキューバへの軍事介入は必要だ」と信じていたことを記憶にとどめておかなければならない。これは、1962年10月のミサイル危機を解決するため、アメリカはキューバを侵略しないとケネディ大統領がフルシチョフに確約(高度の条件付きだが)してから6ヶ月後のことだ。それでも統合参謀本部のJ-5(JCS計画・政策部)は「軍事介入を正当化するための偽装挑発」の計画作成をやめなかった。(「偽装挑発」の一例は、「アメリカのパイロットが操縦するミグタイプの航空機を用いアメリカの海上輸送か軍隊を攻撃する」という想定である。)

 ダラス発のオズワルドに関する誤魔化しは暗殺直後に始まった。それでこの暗殺自体が挑発と誤魔化しの謀略だと彼ら自身が明らかにしたわけではない。しかし、5月以前のJ-5の考え方 — キューバを攻撃するための「偽装挑発」の計画一覧を
作成する発想 — と非常に似ていると確認することで、ダラスの第488陸軍情報予備役部隊の反カストロ志向について十分明白となる。(クライトンによると、[第488陸軍情報予備役部隊]には約100名がいて、40あるいは50名程度はダラス警察の人間である。)

 全うできなかった大統領の任期中、ケネディ大統領との間に深刻な意見の対立があった3機関、つまりFBI、CIA、そして軍の官僚的な不正行為を見ることが偶然だとは言い難い。後に最後の審判プロジェクトになる1963年の緊急計画案とダラスの石油業者ジャック・クライトンが結びつくことをこのあと示す。

●類似した官僚的不正行為が9・11事件にも
 9・11の前、2000年から2001年に、CIAは呆れたことにまたしてもFBIに重大な証拠を知らせていない。もしその情報を共有できたら、ふたりのハイジャック容疑者、ハリド・アルミダルとナワフ・アルハズミをFBIが監視することになったであろう。この継続した情報隠匿を知ったFBIのあるエージェントは「いつか、誰かが死ぬ」と2001年8月に正確に予言せざるを得なかった。

 9・11の後、別のFBIエージェントがCIAについて公に表明する:「彼ら(CIA)は自分たちの仕事にFBIが干渉することを望まなかった。 — それがFB
Iに話さなかった理由だ…そして9月11日が起こった理由だ。それが起こった理由なのだ…。彼らの手は血まみれだ。彼らの手で3000人を殺した」。9・11前のCIAによる関係情報(規則によって提供することが求められている)の隠匿は、この事件ではNSAによってつじつまを合わされた。

 言い換えると、こうした隠匿がなければ、ケネディ暗殺も9・11も、実際に起こったような展開にはなりえなかった。私が「アメリカの戦争マシン」で書いたように、オズワルド(後にはアルミダル)は事件前のある時点において、指定対象、つまり工作のために意図して作られた対象として選ばれたことは明らかだろう。こうしたことが当初からアメリカの政策に対する犯罪を調査する委員会向けだったということはないだろう。

 逆に、オズワルドを用意したことは反キューバ工作に関係している。そして、アルミダルは反アルカイダ工作向けなのだ(と私は疑っている)。しかし、ふたりについての(活用できる)伝説が蓄積しはじめたので、ある意図を持った人々が、認可された工作を取りやめて後に隠蔽することになる殺人計画に転換することが可能になった。この点でオズワルドはもはや単なる指定対象ではなく、指定犯罪者だ。

 ケビン・フェントンは、彼の網羅的な著作『Disconneting
the Dots』の中で9・11に関して同じ結論に達している。「2001年の夏までに、情報隠匿は攻撃が進むようにすることが目的になった。」この不正行為で最も責任のある人物を彼は特定している。それはCIAオフィサーでCIAのビン・ラディン部隊を指揮していたリチャード・ブリーなのだが、彼はクリントン政権時代にCIAの内部での支流のひとつに属し、アフガン北部同盟と連携してCIAはアフガニスタンにもっと好戦的に関われと主張していた。そして9・11の直後にそれが実現し、ブリーは昇進、カブールの新しい支局長に就任した。・・・・・・


※ 以下省略:本文後半と注釈は、こちらでご覧ください。
http://doujibar.ganriki.net/Today's%20World%20of%20Fraud%20&%20Myth/The_Doomsday_Project_and_Deep_Events_in_Japanese.html



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