[CML 013853] 【前迫さんへ】Re: 「避難の権利」に関する意見への共産党からの回答(転載)と私の若干のコメント

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2011年 12月 25日 (日) 15:07:56 JST


前迫さん

前迫さんのご認識はよく理解できるのです。

「二重被害のフクシマ」――福島のいまの状況はまさにそう呼ぶよりほかないものだと私も思います。

「フクシマ」の人々は「地域脱出の選択肢」も「奪われてしまった」――これは酷く鋭い指摘です。酷い、
というのは、もちろん「フクシマ」の人々にとって「酷い」ということです。「閉じ込められる」という感覚は
もともと辛いものですが、その感覚にさらに「奪われてしまった」という深い痛恨の悲しみがともなうの
です。「酷い」と表現するほかありません。

だからなおさら「生木を裂くように故郷との関わりを割いてなお、私たちは避難を呼びかけたいと思い
ます」という前迫さんたちの決意のようなお気持ちはよく理解できるのです。

前迫さんたちが避難を呼びかけることに私は反対しようとは思いません。当然なことだと思っています。

しかし、避難を呼びかけながらも、福島での除染は確実、着実に、そして根底的に進めなければなら
ないきわめた重要な課題である、とも私は思っています。

何度も同じことを言うようですが、現に原発事故被災地の福島には200万人になんなんとする人たち
がいまこのときにも同地での営みを営々と続けているのです。そして、避難を呼びかけに理解を示し
た人たちを含めてその少なくない人たちは(強制的な避難命令でもない限り)おそらく今後もその営み
を同地で続けていく、続けようとするでしょう。

その彼ら、彼女たちの住まう、また、今後も住もうとしている福島の地を人が暮らしを営むことができ
る程度(年間1ミリシーベルト/以下)に回復させようと除染の試みをすることはその可能性がある以
上(たとえ百年単位の年月がかかるとしても)国と国民の責務として当然のことといえるのではないで
しょうか? 

避難を呼びかけるだけで、「避難の権利」を阻害するという理由で除染にも反対というのでは、意図
に反して結果として福島の人たちをいつまでも劣悪な放射能汚染の環境下に置く、福島の人たちを
棄民するに等しい、ということにならざるをえないのではないでしょうか?

私はそう思います。


注:ちなみに一般に「除染」消極論者とみなされている京大原子炉実験所助教の小出裕章氏や神戸
大教授の山内知也氏は両氏とも「避難がベストである」という見解を持っているとしても、必ずしも「除
染」否定論者というわけではありません。家族が離れ離れになってしまう(かもしれない)という問題、
現に就職している仕事や営農の問題などトータルに考えると福島での徹底的な除染は不可欠である、
というのが彼らの考えのようです。両氏が除染を否定しているのは現在の民主党政権の除染政策に
ついてです。この点については東大教授・東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦氏とも見解は
一致しているように私には見えます。彼らは民主党政権の除染政策では真の除染(人が住むことが
できる除染)は不可能だと言っているのです。彼らの論の熟読が必要なように思います。

たとえば福島県内の除染について小出氏裕章氏は次のように述べています(本質的に「除染は無理
だ」とする同氏の論の一部にすぎませんが)。

「本当にだから子どもたちが集中的に遊ぶ場所とかは必ず私は除染しなければいけないと思います」
(「私が『東大アイソ児玉氏』を信じない理由◆廚両出氏の論の文字起こし部分参照)
http://mak55.exblog.jp/14762192/

上記の小出氏の論は福島県内に現に人が住んでいることを前提にした上での論です。同氏は福島
県内の除染を必ずしも否定していません。小出氏の上記の論は先に福島市であった講演会での次
のような考え方の延長線上にあるものでしょう。二度繰り返しますが、同氏は必ずしも「除染」を否定
しているわけではありません。

「わたしは何とか、福島の子どもを逃がしたいと思います。でも親も一緒に逃げなければ、家庭が崩
壊してしまいます。残れば健康被害が起きます。逃げればこころが崩壊してしまいます。どっちを選
ぶかです。この事故が起きてから、わたしは度々、たくさんの人から聞かれました。「どうしたらいい
ですか」。でも、わたしにはわからない。「すみませんが、わかりません」と、わたしは言います。わた
し自身がそういう選択を迫られている。わたしもどうしていいかわからず、悩んでいます。みなさんも
1人1人、そういうなかで今日まで来られたのではないかと思います。残念ながら、いまだにわかりま
せん。でも、どちらかを選ぶしかありません」
 http://www.hibinoshinbun.com/files/203/203_toku1.html 

山内知也氏も必ずしも「除染」を否定しているわけではありません。下記の山内氏の発言を見ても、
山内氏が批判しているのは民主党政権の除染政策であり、必ずしも除染そのものを否定している
わけではないことはこれも明らかなように思います。

「司会者:今からわざわざ国が法律まで作って4月以降やろうとしている除染というのは全然効果が
ないことを・・・・
山内:ない事は、たとえば私の地区の方は私よりもご存知でした。私がそれに気がついたのは9月
に計測にいった頃の話なんですけど・・・」

「『わたり土湯ぽかぽかプロジェクト』っていうのが始まりました。(略)幸いなことにそこの線量が0.
1から0.2位なんですね。(略)渡利の子ども達、あるいは渡利の子ども達とお父さんお母さん一緒
になるだけ長い時間そこで過ごしてもらおうと。で、線量は多分この2年位非常に高いです。高いで
すけど、除染が上手くいかなくても2年ぐらい経つとセシウム134の勢いが減りますから、半分程度
になります。で、そういった中で徐々にもっと良い除染の方法とかが見えてくるかもしれませんよね」
(「みんな楽しくHappy?がいい♪」の山内知也氏の論の文字起こし部分参照)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1291.html

 
東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/

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From: "maesako_kbsc" <kobesc at lion.ocn.ne.jp>
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Sent: Saturday, December 24, 2011 11:58 PM
Subject: [CML 013848] Re: 「避難の権利」に関する意見への共産党からの回答(転載)と私の若干のコメント


> NO DU! KOBE  前迫です。
> 
> どなたにという事ではありません。
> 先日(12/15)神戸でありました集会
> 「フクシマの子どもたちを放射能から守るために何ができるか?」
> の論議のための基礎資料を作りました。
> その末尾を、以下のように結びました。
> 
> 
> 二重被害のフクシマ
>  12月11日、「国会議員に聞いてみよう! どうする原子力発電? 
> 神戸ミーティング」席上でも近い発言があり、後ほど福島から避難
> されてる人のやりきれないような心情吐露とも抗議とも思われる発
> 言もありました。
> 難しい問題なのですが、それだけにできるだけ科学的に、次いで
> 道義的に判断するしかないんだと思います。
> 
>  この資料作成者(前迫)は、「品川宣言」起草作業の中でも5mSv
> /年の環境では逃げ出すしかないと判断して、そう書きました。
> 当然に1mSv/年を越える予測の地域も、自主避難の権利はある
> としています。
> 
>  でも、実際の避難にはお金が要ります。
> 足代、落ち着き先の住居、そして生活と生業(なりわい)再開のため
> の当座の資金、農家なら耕すべき土地、漁師さんなら船と港と漁具
> に加えて漁業権、そして漁場の情報など、転居再開には途方もない
> ほどの困難がつきまといます。
> それを全てケアしながら支援しなければならない。
> それが「東電」の責任であり、政府の責任なのです。
> そのどれも一切なされていません。
> そのために地域脱出の選択肢を奪われてしまった状況のようです。
> 
>  放射能に拠る科学的被害(将来にわたって)の上にさらに、自由に
> 話せない、不安も言い出せない重苦しさの中で怯えながら生活して行く。
>  登下校に行き交う女子中学生達が、
> 「どうせ私ら、将来子供なんか産めない身体なん だし…」と言った
> 会話を交わしているという。
> 福島の人たちは、実際の被害と不安、恐怖に加えて、地域に閉じ
> 込められる二重の被害を受けているかのようです。
> 
>  呪縛の中の人々を救い出すためには、周りの、外の私たちからも
> アクションを起こす事も必要かも知れない。
>  老齢者の現在のアイデンティティは、育ち、慣れ親しんだ風土と
> 地域コミュニティに依存する割合はきわめて高いのだろうとも思わ
> れます。
> 生木を裂くように故郷との関わりを割いてなお、私たちは避難を呼
> びかけたいと思います。
> 「外の人間が、地域の事も何も判らんで、勝手な事をほざくんでねぇ!」
> と言われようとも、私たちは言い続けます。
> 
>  とにかく、福島の人たちが
> 「こんな環境で暮らせない!」と意志表示してくれなければ、私たち
> もまた、呼びかける以外には、何もできないのですから…。



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