[CML 013773] バズビー博士、長期的な福島の健康被害調査を提案

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 12月 20日 (火) 19:01:07 JST


みなさまへ   (BCCにて)松元

クリス・バズビー博士が、長期的な福島の健康被害調査を具体的に提案しています。今後、5年、10年を見据えた「国連によるチェルノブイリ隠ぺいを再び繰り返さないための提案」で、福島県にかぎらず5000人(少なくとも一定地域1000世帯)の住民を対象にしたいと述べています。

「基本的な質問表」には、「皆様の回答は、内部被曝の危険性の評価において日本国民にとって重要であるだけではなく、人類のためにも非常に貴重なものです。それらはまた将来日本政府に対する賠償請求の根拠にもなります。」と記されています。

ただ、市民の自立が弱く行政権力ばかりが異常に強い日本では、市民団体などが組織的にやろうとすると、「それを止めさせようとあらゆる理屈で」妨害される可能性がありますから、こうした調査を実行し統括するにはとりわけ慎重な配慮が必要と思われます。

自立的な市民および団体が、添えられた書式にもとづいて「調査用紙」を作成し、長期にわたるデータを保存しておくことが「市民による疫学調査」の第一歩かと思います。バズビー博士自身、市民が自発的に始めることが理想だと述べています。

WHOでさえ放射能被害の疫学調査をやっていないのですから、日本の市民にはその責務があると思います。森田玄さんからの提供です。

(転送転載歓迎)

======以下転載======

■FUKUSHIMA5000調査
日本の福島での健康被害について、国連によるチェルノブイリ隠ぺいを再び繰り返さないための提案

  クリス・バズビー博士
  グリーン・オーディット

1。過去

チェルノブイリ事故はベラルーシ、ウクライナそしてロシア共和国の広大な市域に放射線汚染をもたらしました。ヨーロッパはさらに汚染が広がりました。欧州放射線リスク委員会(ECRR)の予測リスクモデルに基づいたものと専門家によって検証され出版されたいくつかの疫学的研究、また灰色文献(グレイリタラチャー)に基づいたものによれば、被曝によるガン発症は500,000から最大1、500,000に達するとそれぞれ計算されています。

しかし、事故後最初の一年間のベラルーシ住民への平均放射線量は2mSv以下でした。他の国はさらに低い量でした。ほとんどの政府が採用したリスクモデルは、国際放射線防護委員会(ICRP)のものです。これは広島原爆からの莫大なガンマ線と中性子線を被曝した人たちによる外的放射線量が基本になっており、それはゼロだとされているのです。このモデルに従えば、2mSvの外部被曝はガン発症率を実質的に増加させないことになります。

その一方で、50年後、このモデルは実証的に明らかに間違っています。それは科学的にも哲学的にも間違っています(同様なケースとの比較をしていないからです)。新しい研究によって理論的に否定されています(1952年に開発されたものと同じモデルなのです。DNA2本鎖構造がまだ発見されていない時代です)。そしてチェルノブイリの影響の研究によって疫学的にも否定されています。

この状況、そしてそれをさらに許した馬鹿げた恐ろしい文化的背景によって、ヨーロッパの法律がつくられ、それによって原子力産業が核廃棄物をリサイクルして一般消費財として処理できるようになったのです(ユーラトモ指令96/29)。この出来事と、ヨーロッパ議会のグリーン・グループによる調査がきっかけになって、ECRR(欧州放射線リスク委員会)がブリュッセルで発足することになったのです。20人以上の独立科学者たちのこのグループが2003年に新しい放射線リスクモデルを出版しました(ECRR2003).

このモデルは、いくつかの放射線核種への慢性的な被曝がICRPによる評価基準を越えて危険を増加させると主張しました。ICRPは体内の放射性核種を、その崩壊エネルギーが入って行くのが細部の細胞やDNAどころか、あたかもすべて体内組織全体に薄まって行くように扱っています。生化学的および生物理学的考察と各種の放射線による異なる汚染領域の疫学的評価に基づいたある種の内部核種について放射線荷重計数がECRRによって開発されました。

2010年までに、チェルノブイリ事故による本当の被曝影響報告が権威ある学術誌に載るようになりました。ECRRモデルが正確に説明し、予測してきた影響が明らかになったのです。2010年、ECRR の改訂モデル(ECRR2010)が出版されました。しか
し、各国連機関とICRPは依然としてこの証拠を無視しつづけたのです。彼らの出版物には、彼らの世界観と一致しないどのような研究も引用されることはありませんでした。彼らにはこれをすることができたのです。そしてICRPのモデルが大幅に間違っているという明瞭な証拠を、メディア・コントロールと調査課題のコントロールそして特にガン統計のコントロールによって無視しました。

これには世界保健機構(WHO)とフランスの国際ガン研究機関(IARC)のようなその関連ガン研究機関も含まれました。
どうしてそうなったのでしょう?たぶん以下のようないくつかの要因が重なっているのでしょう:

*核兵器開発と冷戦時の軍事秘密との歴史的関係。
*原子力エネルギーとウラニウム採鉱への巨大な資金投下。もし本当の健康リスクが受け入れられるとそのすべてが失われる。
*その結果として起こる、組織、国家、個人に対する法的賠償訴訟。
*核兵器実験とその使用(劣化ウランを含む)によって敵味方の兵士たち、地球上の全市民(そして全生物)に遺伝的被害を増加させたことが認められると、兵器と軍能力が損なわれる。

この領域での真実を見分けるひとつの方法は、福島からの死の灰(放射性降下物質/フォールアウト)が計測された地域でのガン発症率を調べることです。私たちはそれがどこなのか知っています。しかしガン発症率や他の病気の発症率をどのように入手したらよいのでしょう?

世界のほとんどの国では、ガン発症率は独立の研究者には入手不可能になっています。科学誌に掲載され、低レベル放射線における深刻な健康障害を示している研究はすべて無視されるか過小評価されるか攻撃されます(例:トンデル等2004)。狭い地域でのガン発症率データがあると、それは直ちに核施設付近の住民に深刻なガン発症率増加が明らかにあるということになるので、そのようなデータは公表されないのです。しかし、これに対する方法があります。それは狭い地域の住民の疫学的調査が関わります。2000年以来、グリーン・オーディットは核施設やほかのリスク源の周辺地域でのガン発症率を決定するための地域質問表(アンケート)方式を開発しました。最近では、イラクのファルージャで使用され、ウラニウムのフォールアウトで被曝した人々を試験しています(バズビー等2010)。

2。現在

チェルノブイリ事故の被曝影響は、国際原子力エネルギー機関(IAEA)と原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)によって隠ぺいされ、否定されています。WHOに対する彼らの支配は、2000年キエフでの中島宏WHO事務局長の言葉からも明らかです。彼はそこで(カメラに録画された)、放射性核種の被曝による公衆衛生の分野ではWHOはまったく委員会に従っていると述べたのです。これは1959年の合意に従ったもので、今でも効力があるということです。ICRPはUNSCEARの証拠を採用しています。UNSCEARはIRCPのモデルにそぐわない証拠はすべて除外しています。UNSCEARによるチェルノブイリ健康被害の隠ぺいは今福島で再び進行中です。今週UNSCEARに新しい委員長が就任しました。ドイツ連邦放射線防護庁(BfS)長官のウォルフガング・ワイスが戦略的な隠ぺい工作を開始しているのです。

ウイーン:
この原子放射線に関する国連委員会は月曜、現在のところ日本の活動不能になった福島原発からの放射線放出による健康影響はほとんどないと予想されると言いました。「いまのところ、住民たちに見られること、子どもたちに見られること、作業員たちに見られること・・これらから健康への影響があるとは考えられません」と原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)のウォルフガング・ワイス委員長が記者会見で述べたのです。「私たちは健康被害をこれらの放射線によるものとして特定することができません」と語り、また一方で起こりうる健康障害の確率性について述べるには放射線量に関するさらなる詳細なデータが必要だと加えました。

言葉を変えると、ワイス委員長が言っていることはまさに2000年のチェルノブイリに関するキエフWHO会議で UNSCEARのノーマン・ジェンターと
IAEAのアベル・ゴンザレスの言ったことと同じです。つまり計測された線量ではガン発症はあり得ないというものです。従って、被曝に起因するとされるガンはなにも見つからないでしょう。それは核施設周辺でのガン増加は、ほかの原因だと彼らが主張することと同じです。これはもちろん科学とは言えません。

しかしこれとは対照的にECRRモデルでは、福島での被曝によって原発現場から100km圏内に住んでいる人たちに今後10年間にわたって30%やそれ以上のガン増加があると予測しています。セシウム137の平均表面汚染値300kBq/屬硲魁ぃ械娃亜ぃ娃娃或佑凌邑をベースとして、このゾーン地域でガン発症例がさらに100,000件増加すると私は予測しています(バズビー2011)。このように将来を予測し、どちらのモデルがより正しいかを見ることは単純なことです。

3。将来への簡単な提案

福島原発から30km圏外近辺の市町村か狭い地域で1,000世帯を対象としたケースコントロール(症例対照)研究調査の実施を提案します。これはイラクのファルージャでの調査と同じ方法で行われます(バズビー等2010)。これには地元住民グループが関わってもらい、選挙区名簿に従って約1,000世帯の地域を決め、一軒ずつ訪ねて質問表に回答してもらいます。

この質問表は、その家で住んでいる人、年齢、性別そして過去5年間のガンや白血病の診断の有無、またそのタイプと診断時などを訊きます。さらに家族の出産時の経過や流産についても訊ねます。また死んだ人の死因の詳細についても訊ねるかもしれません。

あらゆる年齢層の約5,000人の住民の方々にその結果は後でお知らせします。質問表には世帯主や回答者が照会番号と3年後、5年後に再び質問表調査のための連絡先の詳細を書き込み、それにはコード番号がつけられます。このようにして、ベースラインとなる健康サンプルが決定され、それによって将来の健康障害の評価測定が可能になるのです。その質問表のサンプルを付録に添付してあります。

ICRPは、年間で言えば20mSv以下の積算線量であれば実質的なガン増加はないと主張しています。10,000人が毎時1マイクロシーベルトの被曝をすると、年間線量は0.00876シーベルト(8.76mSv)になります。日本政府は現在この値を認めています。ICRPは、その線量では5,000人当たり生涯で約2.2のガン増加をもたらすと見ています。日本の通常ガン発症率は年間100,000人に460ですから、5,000人では通常値は23、そして10年間では230になります。ですから、これらの被曝した5,000人に生涯起こる2.2増加分は10年間ではさらにはるかに少なくなり、10年間でそれがすべて現れたとしても、偶然変動値からすれば疫学的に識別不可能になるでしょう。これがUNSCEARのウォルフガング・ワイスの立場です。

しかし、毎時1マイクロシーベルトの線量というのは、私たちが評価基準として用いているものですが、公表されているデータを使うと、セシウム137の300kBq/屬良縮民染に相当します。そしてこれはECRRモデルでは10年間で33%のガン増加になります。従ってECRRは、この人口のフォールアウトの吸入と飲食による内部被曝によって、さらに75.9のガン増加を予測しています。さらに、ECRRは、チェルノブイリとの類似性から、2010勧告書にあるような流産、出産障害やほかの影響例が増加するだろうと考えています。そのようなガン増加は最初の10年間で起こり、そのほかの病気は5年以内に見られるかもしれません。特定された被曝したグループの存在が、どちらのリスクモデルが正しいかを答えてくれるでしょう。

疫学的調査に加え、多少でも資金的な余裕がもらえれば、髪の毛とほかの生体サンプルによる体内被曝汚染も計測可能です。また血液サンプルがあれば、レトロスペクティブ線量測定法で染色体の損傷を調べることもできるでしょう。

4。政治的側面

過去5年間、多くの人が健康障害をもたらすと信じている携帯電話の発信アンテナ塔のベースステーション近辺に住むグループの調査研究をするためにグリーン・オーディットによるたくさんの試みがなされてきました。そのアイデアは、アンテナが建つ前とそれが建ってから1カ月後にそれぞれ質問表を書いてもらって住人たちをモニターしようというものでした。そのように、ケース(症例)とコントロール(対照例)が同じ人たちというケースコントロール調査ができたのです。提案している福島の調査でも同じ状況になると思います。しかし、携帯電話の調査研究中に起きた興味あることは、グリーン・オーディットが携帯電話会社にこのプロジェクトの説明を書いたり、あるいは最初の質問表が配られるや否や、どの携帯電話会社もベースステーションを取り除いて引き上げてしまったことです。これまでにこれが8回以上も起きています。おかげで調査研究がまだどれも完了していません。

これと福島のケースとどう関係があるのでしょう?これが示すことは、人々が自分たちの状況をコントロールできるということです。福島の場合、5,000人の調査研究の存在だけで、ワイスによって勧告されている方法を変えざるを得なくなるのです。各国連機関が彼ら自身の分析に独自のチェックが入ることを意味するからです。5,000人の調査研究は隠ぺいに対するそのような大きな脅威になるので、初めから攻撃され、どのような口実を使っても、その実施を妨害しようとするでしょう。非道徳的だとか、疫学的に誤っているとか、誤差が大きすぎるとか・・それを止めさせようとあらゆる理屈で攻撃して来るでしょう。しかし確かなことがひとつあります・・もし5,000の人々が全員で参加することに合意すれば、それを法的に止めさせることはできないのです。

5。結論と勧告

チェルノブイリとそれ以外の例の一般公開への対応の歴史から、深刻な健康被害の組織的隠ぺいがあるであろうことが結論されます。それはすでに始まっているのです。ですから、ほかの地域ですでに試験されている簡単な疫学的質問表によって独自の健康モニタリングプログラムを実行することが勧告されているのです。

**************************** 


(付録)

基本的な質問表

福島原発近在のみなさまへ

原発からの放射性物質の放出のために、みなさまの健康がそれによる汚染で将来深刻な害を受けるであろうと考える科学者たちがいます。現在受けている放射線量ではそのような顕著な病気になる可能性はまったくないと日本政府と国際的な関係機関によって言われています。しかし、現在の被曝量は日本政府とその顧問(アドバイザー)たちが考えているよりはるかに危険性が高いと考えている科学者たちがいます。もし政府が誤った勧告に従い、あるいは科学的な証拠を正しく調査していないということになれば、その時は政府が国民の健康を守るという義務を怠ったことになり、みなさまの家族は法的救済策を請求しなければならなくなるでしょう。

以下の質問表は、放射線によってみなさまの健康が影響を受けたかどうかを科学者たちが調べるためのものです。それは放射線にまつわる健康状況の調査です。3年後と5年後に再び質問表に答えて頂くことになります。皆様の回答は、内部被曝の危険性の評価において日本国民にとって重要であるだけではなく、人類のためにも非常に貴重なものです。それらはまた将来日本政府に対する賠償請求の根拠にもなります。

個人の情報はすべて内密に保管されます。みなさまには分析結果を後に報告します。

              ■健康質問表(例)

●セクションA
質問表No:
回答者1:
回答者2:
住所:

あなたの住所に在住の男性の人数と年齢:
あなたの住所に在住の女性の人数と年齢:


●セクションB

あなたを含め、過去5年間にガン、白血病、リンパ腫の診断を受けた方がいますか?  (はい/いいえ)
「はい」の場合: 性別(男性/女性)、診断時の年齢(  歳)、診断年(  年)
ガン、白血病、リンパ腫の種類は?
その人は現在の地域にどのくらい住んでいますか?
それ以前はどこに住んでいましたか?
その方は治療か手術を受けましたか、あるいは受けていますか?
一般開業医あるいは医師の名前?
その方は診断以前に1日10本以上の喫煙をしていましたか、あるいはしていますか?
その方は存命していますか?

あなたの家族の中で誰かつぎの障害がある方がいますか?
死産/深刻な出産障害/幼児死亡(あれば、出生後どのくらいですか?)
もしあれば、それ(それら)は何年に起きましたか?

家族の中で過去5年の間に流産された方がいますか?
もしあれば、それ(それら)の起きた年は?

あなたの家族で過去5年間で亡くなった方があればリストしてください。そしてその死因と死亡年齢を教えてください。

あなたの家族で心臓病の治療を受けた方がいますか?
もしあれば、その方の年齢と性別。

あなたの家族で糖尿病の治療を受けた方がいますか?
もしあれば、その方の年齢と性別。


●セクションC

あなたの家族で原子力施設で働いている方がいますか?
もしあれば、どなたですか?
あなたの家族でこれまでに原子力施設での清掃業務に携わった方がいますか?
さらに質問に答えていただく必要がある場合、それに答えていただける用意がありますか?
もしあれば、あなたの名前と住所と電話番号を下に書いてください。
この質問表の情報に関してなにか付け足すことがあればどうぞ書いてください。


ご協力ありがといございます。
数日後に担当者が記入済みの調査票を集計に来ます。なにかご質問があれば、XXXXXXにお電話ください。

グリーン・オーディット研究プロジェクト
福島市民による委託により。


(森田玄訳)



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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
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TEL/FAX : 011−882−0705
E-Mail : y_matsu29 at ybb.ne.jp
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