[CML 013679] 第三次世界大戦:対イラン先制核戦争の開始

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 12月 14日 (水) 18:45:49 JST


みなさまへ     (BCCにて)松元@パレスチナ連帯・札幌

先週投稿されたグローバル・リサーチ・センター創設者ミシェル・チョスドフスキー氏の「第三次世界大戦:対イラン先制核戦争の開始」を拙訳ですが紹介いたします。

センセーショナルなタイトルですが、著者は2006年1月にすでに同趣旨の論考を発表しており、幾つかの翻訳もネットで見られますし邦訳著書もすでに出版されています。とくに対イラン戦への警告としては、日本の論者も早い段階で指摘しています。(例えば、北沢洋子氏の国際情報;イラン核攻撃が最終段階に(2006年1月9日))http://www.jca.apc.org/~kitazawa/undercurrent/2006/us_nuclear_attack_against_iran_2006.htm

しかし今年になって、NATO軍のリビア介入(侵攻)に呼応するかのようなイスラエル高官によるイラン攻撃発言の再燃、IAEAの執拗なイラン制裁という事態とあわせ、何よりも核先制使用を軍事アジェンダとする米軍機構の動きから、現実味を帯びた危機的状況を訴えています。

著者のいまひとつの警告は、政府とメディアの情報操作に絡め取られている市民社会の反戦抵抗の脆弱さです。「保護責任」などというNATO軍のリビア侵攻を是認してしまう民衆の弱さです。

当然のことながら沖縄をはじめとする在日米軍基地と「日米再編」による日本の自衛隊も世界の「警察官」ペンタゴン主導の世界的軍事機構の一部ですから、すでにイラク、アフガニスタンで日本も積極的な加担をしたように、対イラン戦が開始されると中東・中央アジアの「火の海」に巻き込まれることは必至です。

とはいえ著者の論考のねらいは、世界規模の民衆による各国首脳・高官をはじめとする戦争犯罪責任者の追及です。世界の民衆が国際法を人間の命と人権を守る砦に出来るかどうか、焦点はそこにあると主張しています。

核兵器と核プラント(発電所)を一元管理している国際核クラブが先制攻撃の核戦争を準備している、というわけです。核推進と核独占の国際条約はあっても、チェルノブイリもフクシマも核と放射能から民衆を守る防護・補償・救済体制はザルのような各国まかせで、命と人権を核と放射能から守る国際法はありません。「犯罪者」の追及という課題は世界の民衆に投げ返されています。

こうした情勢の根本は、核ミサイルを保有している常習の「戦争犯罪国家」イスラエルを野放しにしてきたツケといってよいでしょう。

古くから「パレスチナ問題」を世界の中心問題と指摘してきた中東・イスラーム研究家の板垣雄三さんは、ミシェル・チョスドフスキー氏のはるか以前から、「人類共滅」の警告を発し続けてきました。

=====以下本文(転載転送自由)=====

World War III: The Launching of a Preemptive Nuclear 
War against Iran

by Michel Chossudovsky

Posted: 07 Dec 2011 08:34 AM PST

●     原文サイト:Global Research

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=28026

●出典:Intifada Palestine

http://feedproxy.google.com/~r/IntifadaPalestine/~3/FnmS36GzPxY/?utm_source=feedburner&utm_medium=email

■     第三次世界大戦:対イラン先制核戦争の開始

ミシェル・チョスドフスキー

2011年12月7日

あからさまに核ミサイルを使用する対イラン戦争の開始は、すでに2005年以来ペンタゴン(米国国防総省)で活発に議論されていた。

もしこのような戦争が開始されるなら、中東および中央アジア全域が火の海となるだろう。人類は第三次世界大戦のシナリオに陥とし入れられるだろう。

第三次世界大戦は第一面を飾るニュースではない。主要メディアは徹底した分析を締め出し、この戦争計画による影響について議論している。



第三次世界大戦(の計画)に対する猛反撃が行なわれるべきであったが、まるでこれは「飛行禁止区域」やNATOの「保護責任」(R2P)下において繰り広げられた「付随的被害」を最小限にとどめた軍事作戦、または特定の軍事目標に対する「限定的」な懲罰爆撃のように、何気なく表現されるだろう。これらの作戦は、すべて「世界の安全保障」と「民主主義」、また攻撃対象となった国における人権を守るために行なわれたと主張されるだろう。



世論はこの戦争計画の深刻な影響には気が付かず、皮肉にもイランの実在しない核兵器計画への報復として核兵器使用の可能性を是認している。

加えて21世紀における軍事技術は、高度な兵器システムの配置を伴い、開発分野では先端を行っている。

われわれは、世界史におけるもっとも重大な危機という岐路に立っている。人類の未来がかかっている。

目下の状況は、核弾道ミサイル使用という恐るべき軍事力を視野に入れた先端的な戦争計画の一段階である。米国国防総省のグローバルな軍事構想は、世界征服の一環である。

米国-NATO軍の軍事的展開は、世界の幾つかの地域がいっせいに起動することになっている。

世界規模に軍事化された体制は、米軍の作戦統合指揮系統が組織のいたるところに配備されている。全世界が、米国国防総省による統率下で地理的な戦闘管轄地域に分割されている。前NATO軍統合司令長官ウェスレイ・クラークによれば、米国国防総省の軍事構想は絶え間ない戦争の脅威という舞台で描かれている。「5年にわたる一連の戦略的軍事行動には、(中略)7ヵ国が含まれている。イラクに始まり、次はシリア、イラン、ソマリア、そしてスーダンである。」

軍事行動は、「対テロ世界戦争」および世界の安全保障という名の下に行なわれる。それはお決まりの「人道主義」「民主主義を守る」という権限である。

米国国防総省お雇い専門家の科学的見解によれば、欧米諸国の戦略的核兵器保有量は、(イラン・イスラーム共和国の【実在しない】それらに較べて)「周辺の一般市民に対して無害なものである。なぜなら爆発は地下で起こるからだ。」といった考えを基本としている。

無責任な政治家たちは、これらの軍事行動による影響には無関心である。彼らは、核兵器は平和と民主主義の道具だと言い触らしている自分たちの戦争プロパガンダを信じている。

戦争は、「国際社会」から支援された平和維持の軍事作戦だと喧伝されている。

戦争犠牲者は犯罪者として描かれ、イランとシリアは世界の安全保障の脅威であるとされ、先制攻撃は正当化されるだろう。

●     地球規模の戦争

「長期戦」という概念は、第二次大戦終結以来、米国軍事政策の一貫した特徴であった。

帝国のプロジェクトを維持するグローバルな軍事支配の幅広い目標は、1940年代後半における冷戦初期にトルーマン政権のもとで最初に公式化された。

われわれはグローバルな軍事アジェンダ、すなわち「地球規模の戦争」を論じている。ネオコン・アジェンダの論拠であった「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)2000年」は、「国境なき戦争の遂行」を基本としていた。

PNACの公然とした目的は、「危険地帯の安全保障環境の形成に関連する」いわゆる軍事的「警察官」の義務を遂行することと同様に、世界の異なった地域において「複合的に同時に起こる重要な地域戦争に断固として戦い勝利すること」であった。グローバルな警察官とは、隠密作戦および「レジーム・チェンジ(体制交替)」を含む軍事的取締りおよび干渉政策という世界大に広まった方法を意味する。(アメリカ新世紀プロジェクト編『アメリカ防衛の再構築』2000年9月pdf)

ネオコンによって公式化されたこの悪魔的な軍事プロジェクトは、オバマ政権のかなり早い段階から採用されかつ実行された。オバマは軍事・外交政策顧問の新しいチームと一緒になって、最近クアラルンプール戦犯法廷で「平和に対する罪」を宣告されていたホワイトハウスの彼の前任者に較べて、さらに効果的に軍事エスカレーションを助長した。

現在の状況では、米軍およびその諜報活動は世界の異なった地域で始められている。広大な中東・中央アジア地域内で進行中の戦争計画は、戦争の舞台をより拡大された地域へと導いてイラン、シリア、およびパキスタンに対する統合的な軍事行動を必然的に伴うだろう。現存する三つの別個の戦争舞台(イラク、アフガニスタン、およびパレスチナ)は、レバノン=シリアの東地中海海岸線から中国西部に接するアフガニスタン=パキスタン国境へと拡がる広大な地域戦争へとしだいに糾合変化していくだろう(地図参照)。イスラエル、レバノン、およびトルコは、その紛争に巻き込まれるだろう。

(イランを中心とした中東から中央アジアの地図。省略―原文サイトで参照ください。)

予定されているイスラエルが担う役割を含め、この軍事行動指針の来歴に焦点を当てることは重要である。

米国、英国、イスラエル、およびトルコを含む主な連携パートナーは、2005年以来、「準備にかんしては先端的な段階」にあった。対イラン軍事作戦の戦闘指令組織は、米国国防総省によって中央集権化されかつコントロールされる。

2005年に、USSTRATCOM(核兵器および宇宙軍を統括する「アメリカ戦略軍」)は、「大量破壊兵器に対峙する国防総省規模における統合および同時発生に備えた先導的な戦闘指令」と確認されていた。この統合戦闘指令には、NATO、イスラエル、およびNATOの地中海会談のメンバーであり最前線に置かれている多数のアラブ諸国といったアメリカの同盟国との関係調整もまた含まれていた。

USSTRATCOM(核兵器および宇宙軍を統括する「アメリカ戦略軍」)の指令を実行するために、「宇宙および地球規模攻撃機能構成部隊」と名付けられた新しい指揮部隊が設立された。これはJFCCSGS(地球規模攻撃・集積統合機能構成部隊)とも呼ばれている。

JFCCSGS(地球規模攻撃・集積統合機能構成部隊)は、2002年に米議会に認定された「2002年核態勢見直し」に沿って対イラン核攻撃開始を指揮する権限を与えられていた。NPR(核態勢見直し)は、「悪の枢軸国」(言い換えればイラン)に対してだけでなく中国およびロシアに対してもまた核兵器の先制使用を強く主張している。「地球規模の攻撃」にかんする作戦の実行は、CONCEPT PLAN (CONPLAN) (構 
想形式における作戦計画)8022と名付けられていた。「海軍および空軍がそれらの潜水艦および爆撃機に攻撃計画を遂行させている実際の計画」であると、後者(地球規模の攻撃)を説明している。CONPLAN (構想形式における作戦計画)8022は、「核兵 
器を必要とする事前に計画された戦略的なシナリオの全体的・包括的な計画」である。反戦活動の再構築。第三次世界大戦にNOと言おう。

とはいえ、反戦運動は危機にある。市民社会の諸組織は、誤った情報を伝えられ、世論操作され、あるいは(権力に)吸収されている。「進歩的」世論の大部分が、NATOによるR2P(保護責任)という「人道主義的な」指令に対して協力的態度を見せており、これらの戦争計画は、市民社会による「安易な同意」(ゴム印)によって遂行されることになるだろう。全く新たな前提に立って反戦運動の再構築をする必要が迫られている明白な要因がここにある。

巨大なデモンストレーションおよび反戦抗議は、十分ではない。要求されていることは、勢力と影響力の構築を喚起する国際的、国家的規模でかつ地方を横断するような十分組織化された広範な草の根反戦ネットワークの発達である。人々は、軍事アジェンダに反対するだけでなく結集しなければならない。国家当局およびその官僚たちもまた、異議に晒されなければならない。

戦争を支持する中核となっているのは、メディアによるキャンペーンであり、これが世論の目の前で戦争に正当性を与えている。悪に対する善という二分法が勝利している。戦争犯罪者が、犠牲者だと演じられる。世論は誤った方向に導かれている。「西洋の生活様式を維持する手段として、あらゆる形態の悪と戦わねばならない。」と。

人道的な企てとして戦争を是認するこの「大きな嘘」を見破ることは、利益追求を最優先課題とする地球規模の破壊を引き起す犯罪的な企てを打ち破ることを意味する。利益追求に駆られたこの軍事アジェンダは、人間的価値を破壊し無意識のうちに人々をゾンビ(死神)に変質させてしまうだろう。 

いかなる正当化を持ち出そうとも、ニュールンベルク裁判において戦争は「平和に対する犯罪」であると判断された。

対イラク侵略の犯罪的な戦争を遂行したジョージ・ブッシュおよびアンソニー・ブレアは、クアラルンプール戦犯法廷よって有罪と宣告されている。

しかしながら、戦争犯罪は先の米国大統領および英国首相に限定されてはいない。他の人々に加え、言うならばアメリカ合衆国大統領バラク・フセイン・オバマを含む「新入りの戦争犯罪者たち」が実在するからである。

R2P(保護責任)という口実のもとで米国=NATO=イスラエルの侵略戦争を支持する事実上の国家の長および政府の長は、国際法上の戦争犯罪者である。政府高官の戦争犯罪を追放することに本質を置いているこの主張は、効果的な反戦運動の達成にとって中核である。

戦争犯罪という問題に取り組み、地球規模の戦争に巻き込むように仲間に知らせその言葉を広め、地方の町々、村々および各自治体で組織し、彼らが選出した国会議員に圧力をかけ、軍隊内での討論および議論に着手し、人々が彼らの政府に力強く立ち向かうことで、この戦争を防ぐことが出来る。


Michel Chossudovsky, Dercember 4, 2011

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(以上、松元保昭訳)

Source: Global Research

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