[CML 013527] シリーズ:515スペイン大衆反乱15-M 資料:銀行家どもに食いつぶされる欧州

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 12月 6日 (火) 22:12:11 JST


みなさまへ    (BCCにて)松元

バルセロナの童子丸さんが、8回続いた「シリーズ:515スペイン大衆反乱」の「資料」としてポール・クレイグ・ロバーツの「銀行家は欧州を手にした:ゴールドマンサックスが支配権を継承」を訳出しましたので、紹介いたします。
配信が遅くなりまして、ごめんなさい。

・・・・・・・・・以下、全文転載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://doujibar.ganriki.net/webspain/Bankers_have_seized_Europe.html

【シリーズ:515スペイン大衆反乱 15-M 資料】

銀行家どもに食いつぶされる欧州
ポール・クレイグ・ロバーツ論文(Global Research)和訳

 2011年11月27日にGlobal Research誌に掲載された論文を仮訳してご紹介したい。ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)著「Bankers
have seized Europe: Goldman Sachs Has Taken Over」である。 


    【原文 http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=27872】 


 レーガン政権で財務次官補を務めたポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)については
  http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Craig_Roberts を参照のこと。またその著述一覧は
  http://www.vdare.com/users/paul-craig-roberts で見ることができる。

 米国と欧州の巨大銀行はいま、EU諸国とユーロ圏を「金縛り」にして我が物にすると同時に、軍産複合体および支配的なメディア・言論界と一体となり、政治をその道具として使いながら世界を新たな戦争に導こうとしている。それを許すなら、欧州各国はもちろん、世界中で、もちろん日本でも、国民は「上下」に2分され主権国家の機能は実質的に解体されるだろう。その後に続くのは、世界共通の、「1%」のための永遠の天国と「99%」のための永遠の地獄ということになる。

 私は『シリーズ:515スペイン大衆反乱15-M(キンセ・デ・エメ)』の中で、巨大銀行がスペインと欧州の覇権を握り、国を解体し破壊し貧窮地獄におとしいれつつあることをお話した。(特に次の2編参照:「バンケーロ」は「銀行家」の意味)
    第1話:バンケーロ、バンケーロ、バンケーロ(http://doujibar.ganriki.net/webspain/Spanish_5-15_movements-01.html) 


    第8話:旅人に道はない。歩いて道が作られる。(http://doujibar.ganriki.net/webspain/Spanish_5-15_movements-08.html) 



 このポール・クレイグ・ロバーツによる論文は、上記のシリーズで私が述べた内容について最新のニュースを踏まえながらより具体的に説明したものであり、私はこのシリーズを補完する目的でこの文章に和訳を施した。
 以下に掲げる和訳は童子丸開による仮訳であり、原文(英語)は訳文の後ろに貼り付けておく。
(2011年12月1日 バルセロナにて 童子丸開)

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■銀行家は欧州を手にした:ゴールドマンサックスが支配権を継承
                ポール・クレイグ・ロバーツ著 2011年11月26日

 11月25日、ドイツが10年物の国債の35%を売ることができなかったオークションの2日後に、ドイツの財務大臣ヴォルフガング・ショイブレは、問題の多いギリシャ、イタリア、スペインのソブリン債を抱えた私営銀行がその一部を帳消しにして財政支援のコストを受け入れなければならないとする要求を取り下げるかもしれないと語った。

私営銀行は、極端な耐乏生活を国民に押し付けて国債の価値を高めることをギリシャとイタリアとスペインの政府に強いることで起こる損失も、欧州中央銀行に私営銀行からソブリン債を買い上げるためにユーロを印刷させることで起こる損失も、どちらの損失をも避けたいと願っている。国債の価値を上げるために紙幣を印刷することは欧州中央銀行の憲章に反しており、特にドイツ人を恐怖させる。ワイマール時代の超インフレの経験があるからだ。

 明らかなことだが、ドイツ政府は組織的になされた国債オークションの失敗からそのメッセージを受けている。私がそのときに書いたように、困難を抱える国々に比べると債務の対GDP比の低いドイツにとって、その国債を売ることができないはずが無いのだ。
 もしドイツの貸付信用性が疑わしいのなら、どうやってドイツが他の国々を救済すると期待されることができるだろうか。ドイツ国債の販売の失敗が組織的に行われたという証拠は、その2日後に困難を抱えるイタリアが国債を販売できたことで明らかにされる。

 奇妙な話だ。イタリアこそ借金の棒引きを求めるEU最大の国なのにまだその国債を売ることができ、それを求めずにイタリアとギリシャとスペインの救済する不釣合いなコストに耐えると期待されているドイツが国債を売ることができなかったというのだから。

 私の意見はこうだ。ドイツの国債売却失敗は、米国財務相、欧州中央銀行、そして欧州の権力者たちによって、また焦げ付いたソブリン債を所有する私営銀行によって、組織的に図られたものだった。

 この私の意見は次の諸事実に基づいている。ゴールドマンサックスと他の米国の銀行は、おそらく1兆ドルかそれ以上の欧州のソブリン債を、自分が蓄えを持たないスワップつまり保険を売却することによって保証したのだ。欧州のソブリン債の価値を保証することによって米国の銀行が受け取る手数料は、単に利潤となり重役たちのボーナスに消えたのみである。もちろんだがこのことは、米国の巨大保険会社AIGを突き崩し、米国の納税者の支払いに基づく不良資産買取プログラムの財政援助、およびゴールドマンサックスへの巨額の利益を導いた。

 もし欧州のソブリン債のどれかが焦げついたなら、負債に対してスワップつまり資金の無い保証を発行してきた米国の金融機関は、持っているはずもない莫大な金額を負債として背負うことになる。米国の金融システムに対する評価は、自身が発行したスワップによる債務不履行におそらく耐えることができないだろう。だからこそ、欧州のソブリン債の失敗は米国での金融危機を再燃させてしまうのだろう。それは新たな救済措置および/あるいは連邦準備制度による新たな「量的金融緩和」、つまり無責任な金融機関に利益をもたらすための紙幣の増刷を要求することになる。一握りの重役たちを豊かにしたような事柄をである。

 間違いなく、オバマ大統領はこういった米国の金融危機の高まりの予測に直面しながら選挙の年を迎えたくはない。だから、疑いの余地も無く、米国財務省はドイツが欧州の救済措置の道から外れることを望んでいるのだ。

 フランスとドイツとオランダの私営銀行は、最も面倒なソブリン債を抱えていると思えるが、いかなる損失も望んでいない。それらのバランスシートにしても、すでにウォールストリートの詐欺的なデリバティブによって突き崩されているのだが、これ以上の損失には耐えることができない。つまり彼らは不良ソブリン債の評価切り下げによる収入の低下から来る株価の大暴落を恐れているのだ。言い換えるとこれらの銀行にとっては膨大な金がかかっているわけであり、ドイツ政府を彼らの利益の計算書から引き離すために大量の奨励金を提供している。

 欧州中央銀行(ECB)は米国連邦準備制度と英国イングランド銀行よりも劣った銀行にはなりたくない。ECBは自分自身で「量的規制緩和」政策の可能な力を欲している。ECBはその権力に架せられた拘束のためにいらついているのだが、それはかつて、ドイツが自らの通貨とドイツ全土への資金提供に対するドイツ中銀の支配を放棄する見返りとして要求した条件に基づくものだ。EUの幹部たちはより一層の「統一性」を求めている。それはEU構成国の主権をさらに弱めることを意味する。ドイツはEUの中で最もパワフルなメンバーだが、その力はEUの幹部たちが振りかざしたいと願っているような種類のものである。こうして、ドイツ国債のオークションでの失敗は、ドイツを罰するために、またドイツ政府に「統一性」つまり個々の国の主権喪失に対して反対するなと警告するために、組織的に行われた出来事だったのである。

 ドイツは、第2次世界大戦に敗北して以来ずっと脅迫され続けてきたのだが、憲法によって強力な主導権を持つことができなくされている。ドイツが主導権をとろうとするいかなる兆候も、第3帝国の記憶がほじくりかえされることですぐさま押さえつけられる。結果としてドイツは、アブラハム・リンカーンが米国各州の主権を破壊したと同様に、構成メンバー政府の政治的主権を破壊しようとする欧州連合の方に押しやられてきた。
 いったい誰が「新たな欧州」を支配するのだろうか? 明々白々に、欧州の私営銀行とゴールドマンサックスだ。

 欧州中央銀行の新しい総裁はマリオ・ドラギである。この人物はかつてゴールドマンサックス・インターナショナルの副会長でありマネジング・ディレクターであり、そしてゴールドマンサックスのマネジメント委員会のメンバーだった。ドラギはまた、世界銀行のエグゼキュティブ・ディレクター、イタリア銀行総裁、欧州中央銀行の運営審議会委員、国際決済銀行とアジア開発銀行の取締役会委員、金融安定理事会会長でもあった。
 言うまでもなく、ドラギは銀行家たちの権力を保護しようとしている。

 イタリアの新しい首相は、選ばれたのではなく指名を受けたのだが、ゴールドマンサックスの国際アドバイザーの一人だった。マリオ・モンティはEUの統治機構の一つ、欧州委員会にも推薦された。モンティは、世界に対する米国のヘゲモニーを推し進める米国の組織、三極委員会の欧州委員長であった。モンティはビルダーバーグ・グループのメンバーであり、EU内の統合を促進させるスピネリ・グループの創立メンバーとなった。

 選挙で選ばれたわけでもない銀行家がイタリアの首相として据えられたと同様に、選挙で選ばれたわけでもない銀行家がギリシャの首相として据えられた。明らかに、彼らはソブリン債危機の銀行家としての解決を行おうとしている。

 新しく指名されたギリシャの首相ルーカス・パパデモスは、ギリシャ銀行総裁だった。2002年から2010年まで、彼は欧州中央銀行の副総裁だった。彼もまた米国の三極委員会のメンバーである。
 欧州連合の創立者ジャック・ドロールは、1988年に英国労働組合会議に対して、欧州委員会は各国政府に対して労働者に有利な法律を作るように求めると約束した。ところが実際には逆に、銀行にコントロールされた欧州委員会は、賃金引下げ、公的サービスの減少、そして年金支給開始年齢の引き上げによって私営銀行を救済せよと、欧州の労働者に求めている。

 欧州連合は、その他諸々の事柄と同じく、単に欧州各国民の犠牲で少人数の者の手に富を集中させるもう一つの枠組みに過ぎないのだ。欧州人は、米国民と同様に、21世紀の農奴となる運命なのだ。

【訳出ここまで】

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【英語原文、省略】

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 (2011年12月 童子丸開)





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