[CML 009122] 【釜ヶ崎大弾圧】南さんの意見陳述 etc
tomonitatakawan2
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2011年 4月 20日 (水) 11:50:59 JST
おはようございます舘山です。
釜ヶ崎大弾圧、起訴されるかどうかの勾留期限(いわゆる23日間以内)は、第一
陣逮捕者6名は4月26日(火)、第二陣逮捕者1名は5月1日(日)となっております
。
日本の司法制度では、罪を認めない被疑者に対しては(政治犯に限らず)、起訴
後、保釈を認めず数ヶ月の長期勾留を強いるものとなっており、警察・検察・裁
判所が起訴をしにくい状況をいかに世論の中で作っていくかが救援活動の鍵とな
っていきます。こちらはやましい事は一切ありません。どうか皆様のご協力をよ
ろしくお願いいたします。
また、服部良一衆議院議員も救対で動いてくれています。
救援活動の現況については、
http://nameken9.exblog.jp/i0/
http://hatarakibito.at.webry.info/
http://d.hatena.ne.jp/FreeK/
等のブログをご参照下さい。救援会の新たなネットへの発信媒体が今後できるか
もしれませんので、そちらもチェックお願いします。
(以下、南さんの意見陳述)
南美穂子 勾留理由開示公判における意見陳述
2011年4月15日
釜ヶ崎労働者の皆さん!集ってくださったみなさん!住民票闘争に関わったみな
さん!今私の言いたいことをまとめます。
今回の逮捕は不当逮捕です。憲法に保障された自由選挙の権利、普通選挙を守ろ
うとする者への計画的な弾圧です。7名をも逮捕し、関係のない所14ヶ所を家宅捜
査するなど、許すことはできません。断固抗議します。
2006年、福岡県警の警察官が浮気して、新しい人生を歩もうとして、釜ヶ崎解放
会館に置かれていた住民票を買いました。このことが明らかになり、マスコミに
大々的に報道されると、2007年3月29日、大阪市、西成区は、釜ヶ崎解放会館、ふ
るさとの家、NPO釜ヶ崎に置かれていた釜ヶ崎労働者の住民票2088名と簡易宿
泊所に置かれていた住民票を強制的に削除しました。
この日本では、住民票がないと本人確認の手段がなくなり、ありとあらゆること
から排除されます。健康保険、運転免許、年金受け取り、携帯電話、日雇い雇用
保険を持てなくなり、建設現場への新規入場も断わられます。
大阪市、西成区は、そのことをわかっていて、30年もの間、支援団体の裁量にま
かせ丸投げにしていました。そのくせ、この事実がわかって大騒ぎになると、手
のひらを返して住民票を削除したのです。
「これだけが、俺が俺である証明なんや」と、解放会館の住所の健康保険を持
っていた野宿の労働者。住民票削除の時に、「俺たちは犬畜生より下に置かれた
」という労働者の言葉をききました。このことからからわかるように、人間とし
ての生きる権利、働く権利など、人が人として最低持っている基本的人権を奪っ
た棄民政策が、住民票削除でした。
奪われた基本的人権の一つが、選挙権です。
この住民票削除の反対の闘いの中で、一人の労働者がおこした差し止め裁判があ
りました。この中で大阪市は、大阪市が住民票を削除した日から投票日までの住
所を明らかにすれば、四ヶ月以上萩之茶屋投票所区内に住んでいれば、住民票を
復活して投票させることを約束したという事実を、その判決の中で確定していま
す。
このことは、一昨年の衆議院選挙の時、大阪市西成区の選管にたずねたところ、
この先も有効であることを知りました。
大阪市西成区は釜ヶ崎労働者の住民票を削除した責任として、このことをせめて
釜ヶ崎だけでも周知させるべきです。それが憲法を守る公務員の公務です。しか
し、一度もこのことが釜ヶ崎で周知されたことはありません。
私達は本来ならば大阪市、西成区がしなければならないことを、憲法を守るため
にやっているにすぎません。裁判所はこれまでの判決の中で、「2007年から3年も
たっている」とか、「住民票をとることは、自立支援センターとか、2008年から
生活保護の適用変化でできただろう」と言っています。しかし釜ヶ崎ではまだま
だ生活保護をとらなくていい人で、日雇い労働をしている人、生活保護を何かの
事情でとれない人が2000人以上います。そしてその人達は住民票を持っていませ
ん。そのことは、定額給付金の際に知ることができました。
この定額給付金の際には、10年以上も家に住んでいなくても住民票がある人は
もらえ、住民票を解放会館等に置いていた人だけがはじかれたのです。これで法
の下の平等と言えるのでしょうか。
警察は逮捕状で「大勢をたのみ、喧騒を起こして投票場の静ひつを破り、投票
場の門をふさいでいた矢野事務官の公務を妨害をした。」と書いています。
しかし、あの日実際に大勢をたのみ騒ぎにしたのは、門の所をふさぐために3列
にも4列にも並んでいた市の役人と、その横に立ちふさがっていた20人以上の制服
の警察官です。
そして大勢というなら、私達のような小集団に機動隊の車を何台も止まらせてい
た警察ではないでしょうか。このことが当日の参加者の怒りをかうことになった
のです。市の職員が門をふさぎ警察がその横でチェックしている中で、投票の可
能性のある人が一人で来て中に入ることは不可能だったと言っていいでしょう。
日本のどこにこんな前近代的な投票場があるでしょう。
私は、「住民票が消されていても投票の可能性のある人は中へ入りましょう」
と必死で呼びかけました。また、中に入った人が住民票復活の手続きができる場
所が設定されているのか?そのための職員がいるのか?投票場の前のガラス戸か
ら確認しようとしました。しかし門の所に並んでいる役人達にはばまれて行けま
せんでした。向こうが押してきて行けませんでした。
大阪市が住民票を消された人でも投票できる可能性をちゃんと周知し、2007年
の削除に対して手当てをしていればこんなことをする必要は全くなかったのです
。
「投票所は静かでなければいけない」と言いますが、小さな声で呼びかけてい
て投票の可能性のある労働者に届くのですか。またお金がなくて事情により生活
保護もとれず住民票がとれない人間は黙っていろ、貧乏人は一切声を上げるなと
いうことでしょうか。そして労働者に手のひらを返し、住民票を削除して基本的
人権を奪った役人は、投票できるかもしれない人を投票所の前に立ちはだかって
排除してもいいということですか。
私はこの住民票の闘争の中で、釜ヶ崎労働者全体のために「俺がやらなくて、
誰がやる」と立ち上がった沢山の労働者の方々と知り合いました。そしてその労
働者を献身的に支える団体や団体の人々とも知り合いになりました。最近私はガ
ンになり、人生を考えることになりましたが、この人達と知り合ったことは私の
人生の宝です。だからどんなに弾圧を受けても負けません。
憲法97条には「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年に渡
る自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練にたえ、現
在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの
である。」と記しています。
また国際人権規約には「家がないからと言って投票させないのは間違っている
」とも明記されています。私達がこうした闘いの一員であることを、私は誇りに
思います。
私は、ビルや道路や橋を作り、日本を支えて来た釜の労働者を人間以下に落と
しこめた大阪市を許すことはできません。一人でも住民票闘争を続けようという
人がいればその横にいていっしょにたたかおうと思います。
今回地震があり、職を失った沢山の人が住民票から離れたところで日本中を流
浪することになります。その人たちに選挙権はないのでしょうか。
釜の労働者のおっちゃんがあきらめない限り、住民票闘争はなくなりませんし
、闘いは続きます。釜をなめるな!
最後になりましたが、今回の弾圧を受けた釜の支援団体のみなさん、救援会に
集ってくださったみなさん、本当に迷惑をかけます。人民委員会のみなさん、行
動する会働き人のみなさん、迷惑をかけますがよろしくお願いします。本当にあ
りがとうございます。
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