[CML 009034] ヴィットリオ・アッリゴーニ、ガザで殺害される
Yasuaki Matsumoto
y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 4月 15日 (金) 18:58:40 JST
みなさまへ (BCCにて)松元@パレスチナ連帯・札幌
きのうイタリアの石山奈緒さんから「ヴィットリオ・アッリゴーニ誘拐」の知らせが以下のように入っていましたが、ちょうどその一時間後に「殺害された」というニュースが入りました。ただいまP-Forumで、ベイルートの法貴潤子さんから殺害のニュース報道が連絡されましたが、これまでヴィットリオ・アッリゴーニの活動を日本に紹介する努力をされてきた石山奈緒さんからのメッセージをお届けします。これからの配信を準備していただけにたいへん残念です。ご冥福をお祈りします。
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●ヴィットリオ・アッリゴーニ氏に関する続報です。(4月14日)
多くの人々が無事な彼の解放を待ち望み、そして祈っている最中、昨日深夜03時
頃イタリアのRaiNews24の中継ニュースで私達の仲間であるヴィットリオ・アッリゴーニ氏の遺体がガザにあるアパートの一室で見つかったという報道が入りました。
ハマスによるこの発表が字幕を通して流されている間、ヴィットリオ氏が拘束されたビデオ映像を始め、以前収録したインタビュー映像、フェイスブック上での発言、またブログ上に掲載された記事、彼が書いた本を紹介しながら特集を組んでいました。
悲報が流された30分後、フランス・プレスによってヴィットリオ氏は絞殺されたという報道が入り、続いて男性2名が逮捕され、まだ他のメンバーも 追跡中であると
いうニュースが入りました。
その30分後、ハマスによる記者会見が緊急に開かれる予定だという情報が入りま
したが、それについての詳しい情報はまだわかっていません。
私はイル・マニフェスト紙に寄稿していた彼の記事を2008年のキャスト・レッド軍事作戦時に読み、そこからずっと貴重な情報を提供してくれる彼の文章はもちろんのこと、人間味にあふれた活動自体に魅了されてきました。彼が2009年3月にイタリアで刊行した「Gaza Restiamo Umani」
(英訳:Gaza Stay Human/和訳:人間であり続けよう)の本をぜひ日本にも紹介したいと思い、彼の承諾を得て翻訳作業を進め、ほぼ終わりに近づいていたところでした。あとは出版に賛同してくれる出版社を見つけるという段階で、細かなやりとりを続けていました。
その矢先に日本で大きな地震、津波、そして原発の問題 が起こり、大変な状況になりました。ヴィットリオ氏もすぐにガザから連絡をよこしてくれ、ものすごく心配していました。翻訳出版の話はもう少し落ち着いてからと思い、日々状況が悪化するガザの様子を綴った彼の報告を翻訳して発信することにしました。それがつい3週間前のことでした。
情報の 配信は私自身のフェイスブックおよび、パレスチナ連帯・札幌の松元保昭氏によるご協力を頂き、多くの日本人が目にすることになるとヴィットリオ氏に報告したところ、非常に喜んでいました。ガザの人々に寄り添い、あたたかいまなざしと強い意志そして多くの人を魅了する文章、発言を続けてき た1人の仲間、大切な友人を失いました。もう数週間で
イタリアに帰国する予定だった彼と、本の出版についての話合いをする約束が宙に浮いたままとなってしまいました。
彼が私達に教えてくれたこと、人間であり続けること、その声はいつまでも私達の心に、そして耳の中で鳴り響き続けることでしょう。祈りを。
石山奈緒
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●ロイター通信のニュース(全文ではありません。石山奈緒訳)
http://news.yahoo.com/s/nm/20110415/wl_nm
ガザで誘拐されたイタリア人活動家が殺害される:ハマスが発表
ニダル・アル・ムグラビ(Nidal al-Mughrabi)
ガザ(ロイター通信)より
ハマス幹部は金曜日、ガザでゲリラ兵たちによって誘拐されていたイタリア人の親パレスチナ人権活動家の遺体を空き家で発見したと発表。ヴィットリオ・アッリゴーニ氏殺害に関連して男性2人が逮捕され、ほた他のメンバーについても追跡中だとハマス警察幹部が付け加えた。ジハード・サラフィタ・グループはアル・カイダの関連団体であり、先月ハマスによって逮捕された彼らの指導者を午後5時までに
(GMT14:00)釈放しなければアッリゴーニ氏を殺害するという脅迫声明を木曜日に発していた。
「警察部隊がその家屋に突入し、イタリア人男性を発見したが、彼は死亡してい
た。」と現場にいた幹部がロイターからの質問に匿名を希望しながら答えた。
イタリア外務大臣は自国の領事館職員によってその遺体はアッリゴーニ氏のものだと確認したと話した。パレスチナ暫定自治政府大統領マフームド・アッバスの側近であり、2007年にイスラムグループ・ハマスによって追放されたファタハ一派のサエブ・エレカットはアッリゴーニ氏を殺害した行為を「パレスチナ人の歴史の中で恥ずべきもの
だ。」と糾弾した。36歳のアッリゴーニ氏は2008年8月以降ガザに滞在し続けている平和活動家であり、またブローガーでもあった。(後略)
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●犯人グループの犯行声明ビデオ
http://www.ilmanifesto.it/archivi/fuoripagina/anno/2011/mese/04/articolo/4456/
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●昨晩の「誘拐ニュース」
2011年4月15日
アンドレア・パッラディーノ
ヴィットリオ・アッリゴーニがガザで誘拐される。
パレスチナでボランティア活動を行ない、またイル・マニフェスト紙の寄稿者でもあるヴィットリオ・アッリゴーニが数時間前にガザでサラフィタと いうイスラム
グループによって誘拐された。何時間前にYoutube上で両手を縛られ目隠しをされたヴィットリオの映像が配信され、彼は明らかに 顔の右側に傷を負ってい
る模様。映像の中には今日の日付が入ったアラブ語の文章が挿入されている。第一報によれば、誘拐グループはハマスによって 拘束されている指導者ア
ブ・アル・ワィード・マクディシ(Abu Al Waleed Al
Maqdisi)の解放を求めているという。もし30時間以内にハマス政府がこの要求を受け入れなければ、ヴィットリオは殺害されるという。
ヴィットリオ・アッリゴーニは2008年の「溶けた鉛(註:キャスト・レッド)」軍事作戦が行なわれた際、イル・マニフェストに日常的な報告を 記事として投稿
し、イスラエル軍による大規模攻撃が行なわれたガザ回廊で現地にとどまっていた唯一のイタリア人ジャーナリストである。それらの日 々の体験をもとに書か
れた本「Restiamo umani」(訳:人間であり続けよう)が2009年manifestolibri(マニフェスト・リーブリ)社から発行された。彼のブログはパレスチナ で起きていることを知
るための貴重な情報源となっている。guerrillaradio.iobloggo.com。
誘拐は昨日夕方から今朝にかけて起きたと考えられている。ヴィットリオ・アッリゴーニ氏のfacebook(フェイスブック)の profilo(プロフィール)には4月13日水曜日19時12分に投稿された文章が残っており、そこにはイスラエル軍による封鎖に対抗するため ラファ国境付近に掘られたトンネルの一つで4名のパレスチナ人労働者が殺害された経緯が綴られていた。(石山奈緒訳)------------------------------------パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭〒004-0841 札幌市清田区清田1-3-3-19TEL/FAX : 011−882−0705E-Mail : y_matsu29 at ybb.ne.jp振込み口座:郵便振替 02700-8-75538 ------------------------------------
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