[CML 009026] 放射能被曝の留意点

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 4月 15日 (金) 02:03:03 JST


みなさまへ  (BCCにて)松元
すでに被曝の疑いがメールで行き交っていますが、相変わらず被曝線量だけで判断されている方もいるようです。下記の諸留さんの留意点は、これからますます大事な視点になると思います。

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[2011(H23)年4月14日(木)AM01:15 送信]
《パレスチナに平和を京都の会》の諸留です

※このメールの送信停止を御希望の方はお知らせ下されば配信停止致します。

【都内の病院でレントゲン写真に「黒点」が頻出している理由】 


「なんだ、これは」
 港区にある東京慈恵会医科大学付属病院で患者のレントゲン(X線検査)写真を撮っていた放射線部の成田浩人技師長補佐は、その画像に異常を見つけた。
 「撮影した画像に、黒くて細かい点が無数に写っていたんです。塵のように小さなものから、1〜2mmのものまで大きさはさまざま。普通、小さなゴミが付着していると、それが白く写し出されることはあるのですが、このような黒い点が写ったことはこれまでありませんでした」(成田氏)
 この黒点はいったい何なのか。レントゲン機器を製造するメーカーの一つ、富士フィルムには、問い合わせが相次いだ。
 「最初に報告があったのは3月14日、福島県内の病院でした。その後、東北のほか、東京都内など関東近郊の医療機関から50件ほどの問い合わせがありました。このような現象は今回が初めてで、福島原発の事故によって放出されたきわめて微弱な放射性物質▼[註1]を検出したものだと推測しています」(メディカルシステム事業部主任・栞原[くわはら]幹三氏)
 あくまでも、空気中に漂っていた放射性物質が写りこんだもので、撮影された患者が被ばくしているということではないらしい。しかし、こうして画像に現れると不安にもなるのだが・・・。
 「人体にはまったく影響はありません」[▼註2]と、富士フィルムの担当者は強調する。「今回、画像に写ったものが、どの程度の放射線量なのかは一概には言えませんが、1回の胸部X線撮影で受ける放射線の1万分の1以下だと思います」(栞原氏)
 胸部レントゲン検査の場合、1回あたりの被曝量はおよそ50μSv(マイクロシーベルト)。その1万分の1となると、気にするほどではないようだ▼[註3]。ちなみに、黒点の数と大きさは、単純に「放射線量」の多さを示すものではなく、放射性物質が画像を写すプレートに「付着している時間」と放射能の強さに比例する▼[註4]という。よって、病院の休み明けの日などに多く確認されている。そして栞原氏は、最後にこう漏らした。
 「機械が、それほど微量な放射線も感知する性能を持っているのだとご理解いただけるとありがたいのですが・・・」
 確かにその技術はすごい。だが、微量ながらも都内に放射性物質が拡散していることを、意外な形で改めて証明してしまったようだ。
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 上の記事は某週間誌の掲載記事である。軽々しく「鵜呑み」する積もりはない。更なる「裏取り調査」を今後も続ける必要がある。「都内病院レントゲン写真に黒点頻出」が事実無根のデマ記事であれば、「とんだ人騒がせ記事!」で済まされる事だろう。しかし、もし、ここで書かれてることが事実とすれば、東京都内でも「微量放射性物質」が確実に飛散してる事実を証明している、非常に興味深い記事と思われる。富士フィルム事業部主任栞原氏や週間現代記者が即断するように「微量放射性物質だから人体にはほとんど問題はない」との結論は、以下の理由から、早計であると言わねばならない。

福島原発の放射性物質が、もうこれ以上は増大しないと、断定できる段階には、いまだ達していない。とりわけ、1mm以下の近距離では強烈な放射線アルファー(α)線を放射するプルトニウム微粒子が、大気中に既にどれだけ放出されてしまったのか?・・・あるいは、今後も一体、どれだけ放出し続けるのか?・・・全く未知な現状なのだから。想定し得る「あらゆる状況」を想定する事を怠った結果危機的状況を招いてしまった東京電力の愚かな轍を二度と踏んではならない。想定し得る「あらゆる状況」を事前に想定しておかねばならない私たちにとって、上記記事は、週刊誌のガセネタ記事とみなして無視すべきなのか?今後も同様の他の裏付けも継続して注目すべき内容と受け止めるべきか?各自の自己責任で、御検証下さい・・・

**▼[以下:諸留註]**
▼[註1]
「きわめて微弱な放射性物質」であるから人体への影響もほとんど無い、と即断するのは早計である。いかに微弱な放射性物質であっても、放射線を放出している放射線源(これを核種という)が何であるかによって、人体へ及ぼす放射性量の強さは大きく違ってくるからである。

▼[註2]
富士フィルムの担当者が微量放射線が人体に及ぼす影響にかんする放射線医学面で、どれ程の専門知識を持ち合わせているかは定かではないが、「放射性物質が微量(あるいは微少)であるから人体への影響はほとんど無い」の即断は早計である。放射性物質が微少であればあるほど、それだけ細胞や組織に密着することになる。ミクロン単位で組織や細胞に密着すればするほど、距離の二乗に反比例して放射性の強度も飛躍的に増加する。

▼[註3]
微量放射性物質が人体へ及ぼす疫学的影響の有無を巡って「ホルミシス効果論」「しきい値論」「直線比例論」三論の結論が未だ出てないことを見逃してはならない。
 同様に「胸部レントゲン検査の1万分の1は気にするほどでない」式の、相も変わらぬこうした説明が、積算被曝総量を故意に見落した、無責任なゴマカシ論であることも、もうそろそろ見抜いて欲しい。

▼[註4]
X線感光乾板に「付着する放射能の時間ぼ強さに比例する」という点も、しっかり確認して欲しい。プルトニウム(Pu)のような放射性毒性が猛烈に強力な核種が、長時間細胞や組織に付着した場合、たとえ非常に微量でも、人体への影響は強烈となる。プルトニウムの生物学的半減期は80〜100年である。骨組織に沈殿した場合は永久的である。肝臓に沈殿した場合の生物学的半減期は40年と長期間に渡る。また、半減期の短い放射性物質ほど、より強い放射線を放出することも見落としてはならない。

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