[CML 009007] IK原発重要情報(1)

河内謙策 kenkawauchi at nifty.com
2011年 4月 14日 (木) 14:11:42 JST


           IK原発重要情報(1)

 私たちは、本日より、不定期で「IK原発重要情報」を発信します。
 福島第一原発の事故は、現在も進行中の事故です。それゆえ、私たちが判断するた
めには、何よりも正確な情報が求められていると思います。しかし、政府・東電は正
確な情報を公開していません。したがって私たちは、ML等にあふれている情報の中か
ら、重要な情報を精選し、この情報に注目しよう、この情報を脱原発運動の中で議論
しよう、と呼びかけたいのです。言わば、「IK原発重要情報」は一種のメタ情報で
す。
 この情報の転送・転載は自由です。皆様の情報公開・情報追及の運動に役立ててい
ただければ幸いです。

          弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策
          (連絡先:kenkawauchi at nifty.com)

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 現在、脱原発の立場で強力な論陣をはられている代表的な人物の一人が、小出裕章
氏(京都大学原子炉実験所助教)です。
 氏の経歴は、以下のサイトを見てください。 
http://www.sangakuplaza.jp/page/156453
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0
 氏の最近の注目される発言は、4月12日のラジオインタビューです。[CML008982]で
以下のとおりラジオインタビューの内容が紹介されています。

……………………………………………………………………………
[情報1−1]
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は野球中継のため35分遅れ
で始まりました。水野晶子さんと、平野幸夫さんの解説によるものでした。

 まず、キャスターの千葉さんより原発事故の話、レベル7になり、放出された放射
能はチェルノブイリの1割(37万テラベクレル、別の試算では63万テラ…注:テラは
10の12乗で、SI単位の位では最高位であり、私も使ったことはありません)です
が、1の後に0が12個…63の後に0が16個並ぶもので、スリーマイルではヨウ素は0.16
テラベクレルだそうです。どんなに途方もない数字か分かるでしょう(注:計算した
らこれはスリーマイルの約400万倍!です)。

 原子力保安院はチェルノブイリでは原子炉が爆発したが、福島では原型を留めてい
ると、違いを言っています、チェルノブイリと違い、1日中作業しているものの、福
島の原子燃料はチェルノブイリの10倍なのです。また、2号機の漏電で火災が起こっ
ています(泣)、余震も続いており、震度6弱が福島で観測されています。

 日本でマグニチュード5の地震は年150回なのですが、今回の震災で1ヶ月でその2.5
倍の地震が起きています。

 細野氏を震災・原発対策に置いています。閣僚増員には内閣法改正が必要で、困難
です。与謝野大臣は、日本が原子力から抜け出せないと言っています。日本人の生活
レベルを落としてもいいなら江戸時代に戻ると与謝野氏はエネルギー大量消費時代の
維持を語っています。

 そして小出先生のお話、原発事故が国際評価でレベル7となったことは、「ばかば
かしくてコメントできない」、最初からレベル7と小出先生言っていたのに、日本政
府は4〜5とか言っていた、事故翌日に水素爆発、15〜16日に東京汚染、とっくの昔に
レベル7と言わないといけなかったとのことです。レベル7と言わなかったことで、世
界的信頼をなくし、住民の避難も遅れた(万一のために10kmが20km、30kmと後手後手
になった)。

チェルノブイリの1割に過ぎないと言うことには、小出先生はそう思うが、1割で少な
いと思ってはいけない、それでも大きい、そして今進行中で、これで終わるわけでは
なく、チェルノブイリ並みに出る危険性(最悪シナリオ…冷却失敗により大規模溶融
でメルトダウン、圧力容器、格納容器破壊、さらに運転中の原子炉3機+使用済み燃
料あり=チェルノブイリ超えの恐れあり)があるのです。1〜4号機の出力は300万キ
ロワットですが、チェルノブイリは100万キロワット+使用済み燃料があるというの
です。チェルノブイリの何倍もあるのです。

平野さんより安全委員会は、1万テラベクレルと言っていますが、5万ベクレルを超え
るとレベル7で、1日目でそれを出したと言うのです。1日目でレベル7と分かっていた
のです。周辺のモニタリング、その他の逆算から分かったはずなのです。どれだけ出
てきたか、当初から分かっていたのです。それなのに、レベル7と言わなかった(わ
からなかった可能性なし)のです。

チェルノブイリの事故を調べたら、職員、消防士31人が亡くなり、枝野氏は直接健康
被害なしと言っているものの、小出先生はマスコミの報道しか知らないので、被曝に
よる死亡者が出たと聞いていないが、2名亡くなった死因は分からないと言うことで
す。チェルノブイリでは数百万人被曝したのですが、チェルノブイリと違うと信じた
い(小出先生も信じたい)のですが、チェルノブイリ型の大きな被曝を考えて政策を
採るべき、避難の遅れた人は大変な被曝で、被曝が蓄積している、今進行している被
曝が、チェルノブイリでもあったのです。何十万人被曝しています。

計画的避難と言う言葉に問題ありと平野さんが言うとその通りであり、判断力の欠
如、責任を取りたくないと言うのではないかと平野さんが指摘し、今何をすべきか聞
かれても、小出先生、分からないと語られました。避難しないといけないところがま
だら模様であり、政策的にはやりにくいので、万一を考えて避難しないといけないの
ではと水野さんが言うと、今回とてつもないことになっている、住み慣れた土地を捨
てないといけない、捨てないといけない人の思いを考えると途方に暮れる、逃げたら
生活が成り立たない、こんなことにならないことを願ってきたが、手遅れだと言うこ
とです。

菅総理は徐々に安定化と言っているのですが、みんなそう願うのに、もっと悪くなら
ないと誰も断言できない、闘いはまだ何ヶ月も続く、今の状態で良くなっているとい
うのはどういう神経か、というコメントです。

地震の中で確認したいデータは、たくさんあり、原子炉内の中性子(数値が出なく
なった)、2号機のサプレッションチェンバーの破損のデータも出ていないというこ
とです。

 昨日のお話で、外付けの水の循環は、夕刊に冷却回路の案がでていたということで
す。進みつつある(小出先生に考え付くことは福島の現場ではわかっている)とのこ
とです。

 今日はレベル7になったお話でしたが、小出先生、そんなことは事故当日から分
かっていたという発言が衝撃的でした。また、私は日本にSI単位の普及に関わりま
したが、そのSI単位の最高位である「テラ」は今まで使ったことはなく、それでも
足りず、○万テラ…なのです。恐ろしい話です。

 今日から野球ですが、毎日放送は小出先生のお話、もっと伝えて欲しいものです。
明日も聞きます。

…………………………………………
[私たちの見解]
市川守弘・河内謙策:小出さんの見解については保留です。重要な問題提起と思いま
すが、私は今の時点では、真実と確信できません。脱原発の立場にたつ個人や団体
が、政府や東電に対し、“政府や東電が小出氏の見解がおかしいというのならその見
解と根拠を明らかにせよ”と迫るべきでしょう。
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 小出氏の見解をやや詳しく論じているのが、以下のビデオニュースです。
(たんぽぽ舎の「地震と原発事故情報 その37」で、ビデオニュースの存在を教えて
いただきました)。小出氏は、「炉内で再臨界がおきている可能性が高い」「水蒸気
爆発が発生し、圧力容器や格納容器が吹き飛び、今とは桁違いの放射性物質が流出す
る最悪のシナリオも今後警戒していくべきだ」と述べています。
[情報1−2]
http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001814.php

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                         以上










        



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