[CML 008955] 私が国民投票を提案する理由
河内謙策
kenkawauchi at nifty.com
2011年 4月 11日 (月) 21:07:27 JST
河内謙策と申します。(この情報を重複して受け取った方は、失礼をお許し下さ
い。転送・転載は自由です。)
私は、「国民投票により原発政策の転換を!」ということを各方面・各団体に提案
し、さまざまなMLを通じても発信させていただいていますが、「なぜ国民投票なの
か」という意見も聞かれますので、私の考えを以下のとおり補足させていただきたい
と思います。
私が「国民投票」を考える理由は、脱原発の歴史的大闘争を本格的に構築しようと
考えるならば、個々の運動の戦術を超えて、何を、どのように実現していくか、とい
う大きな道筋、すなわち歴史的大闘争の戦略を考えることが絶対に必要だと考えるか
らです。ところが、日本の平和運動はこのことがとても苦手で、今回も戦略なしに当
面の戦いに突っ込んでいく気がしたので、これは危ない、と思っているのです。
私のような考えに対し、いまはそんなことを考える時期でない、という反論もあり
うるかと思います。私に言わせると、このような当面、当面、を積み重ねればよいと
いう思考では、人民の闘争のエネルギーを浪費させ、最後には人民に消耗感しか残ら
なくなるのです。また、そのように反論する人は、4月22日号の『フライデー』を読
んでください。そこには、菅首相側近グループが東京電力だけでなく9電力の「原発
オール国有化」の検討に入っているということがスクープされています。「原発推進
勢力」は将来を見通して、当面の「処理」を考えているのです。
今回の東北関東大震災の問題は、原発の問題に尽きるものではありませんが、私の
能力から考えて、原発問題に限定しています。そして、その歴史的目標としては、原
発の増設・新設の禁止を実現し、既存の原発の廃止・脱原発政策の方向へ大きく転換
を始めること、を考えています。私は、今すぐ原発の廃止で国民的合意を勝ち取るの
はむずかしいと判断しているのです。原発の廃止では、国民投票では過半数をとるの
は難しいでしょう。また、過去原発に賛成だった人も賛同していただけるような目標
を設定するとすれば、私のような案になるのではないか、と思うのです。
上記のような目標を実現する道筋として考えられるのは4つです。
一つは、個々の原発反対運動を強化し、横にも、国際的にも、連携を実現していく
道です。これは、たしかに重要な運動ですが、日本の国全体の原発政策の転換を実現
する上では、個々の運動を積み重ねることでは実現できないものがあります。また、
今回の「敵」は強大で必死です。国際(!)原子力産業の未来、世界帝国主義・資本
主義の未来がかかっているからです。だから個々の運動の勝利にも限界がある気がし
ます。
二つは、集団訴訟をする道です。しかし、これまでの原発訴訟で、裁判所がこのよ
うな問題に如何に弱腰であるか、分かったと思います。私は、期待できないと思いま
す。
三つは、国会に国民の意思をぶつける方法です。しかし、私は、いまの政党政治家
には、このような問題は期待できない、と思います。それは、今度の地方選挙で、脱
原発を訴えた政治家がいかに少数であったか、をみても明らかです。
四つは、国民投票です。究極的に、原発企業、原発関係者の動きを止めるには、き
びしい刑罰つきの法律で強制するしかありません。そのためには、国民の意思を国民
投票の形で示し、国会に国民投票の結果に沿った法律を制定させるしかないと思いま
す。これが歴史的目標を実現するもっとも確かな道筋なのです。ただ、本当に日本国
民の過半数が脱原発の道を選択するのかという問題が残ることは諸氏の指摘するとお
りです。しかし、私は、この道を反原発運動・平和運動が歩むしか、日本の将来を切
り開く道はないと確信しています。
太田光征さんから、イタリアが原発問題で新たに国民投票をすることになったと教
えていただきました。併せて御検討よろしくお願い申し上げます。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110324/erp11032421380007-n1.htm
以上
CML メーリングリストの案内