[CML 008929] 沢田工業、3度目の団交申入に だんまり
酒井徹
sakaitooru1983 at excite.co.jp
2011年 4月 10日 (日) 19:09:49 JST
沢田工業、3度目の団交申入に だんまり
――労組委員長ブログを理由に回答自体を拒絶――
http://imadegawa.exblog.jp/15789999/
■1週間の回答期限に回答せず
従業員がプレス機の起動スイッチを誤って押し、
派遣社員の男性の指に障害等級10級の障害を残す
労災事故を起こした愛知県豊田市の沢田工業が、
労働組合との団体交渉を拒絶し続けている。
被災労働者の加盟する
愛知県の個人加盟労働組合・名古屋ふれあいユニオン
(「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟)は
これまでに3度にわたって
沢田工業に団体交渉を申し入れてきた。
しかし沢田工業側は、
1度目は
被災労働者と「労働契約関係にない」などとして、
2度目は
交渉事項が「民事賠償事件である」ことなどを理由に
団体交渉を拒絶。
そして、
こうした主張が成り立たないと
3月30日に行なわれた
3度目の団体交渉申し入れに対しては、
回答指定日とされた1週間後の4月6日午後6時までに
労組に対して回答を一切行なわなかった。
そればかりか、
団交拒否の事実を報じた
ユニオン委員長である筆者のブログ記事について、
「削除しなければ
民事・刑事を問わず法的責任を追及」するなどと
弁護氏名で「警告」してくるありさまである。
■「ホームページ削除なければ回答できない」
筆者が
沢田工業の代理人弁護士である小谷聖弁護士に
電話をすると、
小谷弁護士は
「(筆者注:団交拒絶の事実などが)
ホームページに出されているような状況では
回答も出せない」とか、
「『話し合いをする・しない』は
ホームページを削除していただかないと
回答できない」などという主張の一点張りだった。
直接の雇用関係にない派遣先でも、
自社が解決すべき問題については
労組との団体交渉に応じなくてはならないことは
朝日放送事件の最高裁判決や
ブリジストンケミテック事件の労働委員会命令などからも
明らかである。
また、
「災害補償」の問題が労働条件であることは
厚生労働省の通達でもはっきりしている事実であり、
団交拒否の論拠を失った沢田工業側が
労組の3度目の団体交渉申し入れに
どのように回答するかが注目されていた。
ところが沢田工業は、
こうした労組の論理的追及を
真正面から受け止めて回答することなく、
団交拒絶の事実を報じた筆者のブログ記事を理由に
回答自体を行なわないという挙に出たのである。
■団体交渉は経営者として最低限の義務
団体交渉は
憲法・労働組合法で定められた労働組合の権利であり、
裏を返せば使用者の義務である。
労組委員長が
どのような言論活動を行なっているかといったこととは
そもそも何の関係もない話なのである。
しかもブログ記事は、
沢田工業自身の団体交渉拒絶が理由となって
発表されたものであり、
今になって自分で引き起こした問題を理由に
団体交渉を拒絶するのは
マッチポンプ
(マッチで自ら火事を起こし、それを自らポンプで消す)の
誹りを免れないのではないだろうか。
およそ団体交渉はおろか諾否の回答すら拒絶する
「正当な理由」(労組法第7条第2号)となりえないことは
明白である。
名古屋ふれあいユニオンは情理を尽くし、
沢田工業が
労組との団体交渉に応じるべき立場にあることを
主張してきた。
その主張に対し、
弁護士まで雇い、
1週間の猶予を与えられながら
回答自体ができないというのは
もはや論理破綻・敵前逃亡と受け止めざるをえない。
違法派遣の状態で
外国人労働者を働かせて労災事故を起こし、
労組の追及からも逃亡する沢田工業経営陣に、
そもそも
経営者として最低限の覚悟・資格・倫理が
あるのかということを問わなければならない。
経営者であれば、
自らの行動の結果には責任を負わなければならない。
世間に公言できない、
公表してもらいたくないことなどは
そもそもするべきではなかったのだ。
労組との団体交渉に応じることは、
人を使って事業をしている経営者として
最低限の義務なのである。
■筆者側は話し合いの用意がある
筆者のブログ記事が
名誉毀損にあたるという自らの主張に
本当に自信があるのであれば、
話し合いの場において
その論理・情理をユニオン側に突きつけ、
是正を迫ればよいだけの話である。
名古屋ふれあいユニオンは
会社の言い分にも素直に耳を傾け、
誤りは誤りときちんと認めて訂正する用意があると
表明している。
なぜそれをせずに労働組合を避け、
逃げ続けているのか。
おかげでユニオンの側も筆者も、
いまだにブログ記事のどの部分がどう間違っているのか、
どこがどういけないのか、
会社の書面を何度読んでも
さっぱり理解できないという状態なのだ。
■なぜ、労組を通じての解決なのか
沢田工業は本件労使紛争を
被災労働者・Pさん個人や代理人弁護士との示談交渉に
誘い込もうと画策している。
ユニオン側も無論、
Pさんが弁護士を選任し、
会社と交渉を行なったり、
裁判を提起したりする選択肢そのものを
否定しているわけではない。
必要な場合には断固として行使すべき
当然の権利だとさえ思っている。
しかし、
力関係を社内の会社対個人に切り縮めた場合、
労働者は圧倒的に不利な立場におかれてしまうのが
現状だ。
それに対する名古屋ふれあいユニオンの優位性は、
愛知県全域の組合員が総体を挙げて
会社と対峙することができるというだけでなく、
団交拒否など不当労働行為を続ける
沢田工業のような悪質な企業には、
「コミュニティ・ユニオン東海ネットワーク」や
「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」の
ネットワークの絆を生かし、
地域共闘・全国団結で
会社と立ち向かうことができるという点にこそ
あるのである。
コミュニティ・ユニオンは、
会社側が会社対個人に切り縮めようと画策している
闘いの土俵を
労組対会社、地域共闘対会社、全国団結対会社に
広げることで
力関係を逆転させる。
トヨタ自動車グループの愛知製鋼のような
大企業を相手にしても怯むことなく闘いを挑み、
全国の広範な支援を受けながら
労働委員会闘争を3年にわたり闘い続けたのが
名古屋ふれあいユニオンである。
そして昨年、
構内で就労する社外労働者について
組合側から協議の申し入れがあった場合、
形式上の雇用関係がなくても
会社側は確定した最高裁の判例にしたがって
協議に応じるとする勝利和解を
ついに勝ち取ることができたのである。
ユニオンは、
団体交渉権こそは労組の最大の財産と考えており、
それをないがしろにする企業については
その実態を大衆的に明らかにして
徹底的に責め抜いてゆく。
なぜなら、
このような労災逆切れ、団体交渉逃げ得を
一たび許せば、
職場の理不尽がまかり通る
問答無用の めちゃくちゃな社会になってしまうと
考えるからだ。
■再度の督促「4月15日までに回答を!」
名古屋ふれあいユニオン側は沢田工業に対し、
指定日を過ぎても回答が届いていない
3月30日付の第3回目の団体交渉申し入れについて、
4月15日までには必ず回答するよう
4月8日に督促状を送付した。
名古屋ふれあいユニオンは、
「この回答督促を再度拒絶し、
団体交渉からの逃亡を続ける姿勢を変えない場合、
当労組は地域・全国の仲間とともに
団体交渉の扉を全力で切り開く行動に
打って出る」と強い姿勢を示している。
(JanJan blog 4月10日から加筆転載)
【参考記事】
派遣社員に労災問題の団交権はないのか 2011-03-21
http://imadegawa.exblog.jp/15693057/
沢田工業(豊田市)、またも団体交渉拒絶 2011-03-31
http://imadegawa.exblog.jp/15738844/
団交拒否の沢田工業、筆者にブログ削除を要求 2011-04-02
http://imadegawa.exblog.jp/15750686/
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