[CML 008910] 窒素注入の危険性について(その2)
Yasuaki Matsumoto
y_matsu29 at ybb.ne.jp
2011年 4月 9日 (土) 22:26:12 JST
みなさまへ (BCCにて転送)松元
京都の諸留さんから、核分裂反応進行中と情報隠しの指摘です。このあとに送る童子丸さんからの「米国の研究者が語る福島1号機再臨界の可能性」をもあわせてお読みください。
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「窒素注入の危険性について(その2)」
[2011(H23)年4月9日(土)PM17:05]
《パレスチナに平和を京都の会》の諸留です
※このメールの送信停止を御希望の方はお知らせ下されば配信停止致します。
1号機から3号機まで、もともと原子炉格納容器に封入してあった窒素が、ベント弁を開放したり格納容器の破損などにより、大気中に抜けていってしまいました。その状態で、燃料棒を覆っていたジルコニウムから、また水(とくに海水)の放射線による分解により水素と酸素が発生し、格納容器に移っています。これは水素爆発の可能性が生じていることを意味します。
そのため、それぞれの格納容器内への窒素注入が必要となり、緊急性の高い1号機から注入が既に進められています。しかし他に比べて高温状態が続いている1号機では圧力が上昇するため、今後の冷却いかんでは、ベント弁の開放がまた必要となるかもしれません。
しかしそうなると、このベント弁開放によって、再び窒素も外気へ抜け出てしまうので、その分の窒素の更なる追加注入が必要となりますが、その窒素の更なる追加注入自身が、更に格納容器の圧力を高めることになります。1号機は繰り返し高温・高圧にさらされ続けてきていて、その上窒素注入による圧力上昇により、格納容器への更なるプレッシャーが繰り返し与えられる可能性があります。原子炉格納容器の状態が心配されます。
2号機、3号機では、原子炉の圧力は大気とあまり変わらなくなっていると報じられています。外気圧と同じということは、原子炉に穴が開いていて、格納容器内にかなりの放射能が漏れだしている可能性も否定されません。しかも格納容器も破損しているので、ここに窒素を入れると、この放射能が押し出されて漏れてくる可能性が高い。
窒素注入により、再び大気の放射能汚染が高まる可能性が高くなります。また、水素爆発の危険性も、不安定なままに抱え続けなければならないことが分かります。原子炉は、いまだ、それぞれ非常に危険な状態にあると言わねばなりません。
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現在、1号炉の炉格納容器内への窒素注入が行われていますが、この「窒素注入」について
知っておかねばならない大切な点がいくつかあります。
原子力発電では、事故が起こらす平常時の安全運転稼働中でも、原子炉の炉心内部では、水素は常に発生しているのですね。
1号機だけでなく3号機まで含め、原子炉格納容器にもともと封入してあった窒素が、ベント弁を開放したり格納容器の破損などによって大気中へ抜け出てしまったから、改めて窒素を注入し直してるんですよね!
原子炉内で水素ガスが発生するメカニズムは、以下の(A)と(B)の、大きく分けて2つの原因があります。
(A)平常運転時にも、原子炉内での核分裂連鎖反応が起こると、圧力容器内に中性子も同時に発生します。この中性子が炉心の冷却水(水素原子二個と酸素原子一個から成る水の分子)と衝突して、水素原子と酸素原子に分解する(水の電気分解)現象が、常に起こっているのですね。どの程度の量と速さでこの「水の電気分解=水素発生」が行われるかは私[諸留]には解りませんが・・
(B)マスコミなどでは、冷却水の水位が下がって、核燃料棒が露出し、核燃料を包んでいるルジコニウムという金属のサヤ管が高温になって水蒸気と触れると、それが触媒となって働き、水蒸気(=水)の電気分解が起こって、水素が炉心内に発生します。
ところが、原子力安全・保安院や政府や東京電力はこの(B)の原因しか報道、説明してきてなかったのに、事故発生後20近くも経過した、ここ数日になった今頃になって(A)の説明も流し始めましたよね!(A)の理由からも、正常運転中の原子炉内でも、水素はもともと、発生するって専門家なら誰でも周知の事だったのにね!よく知られていたからこそ、「窒素ガスは原子炉格納容器内にもともとから封入してあるもの」なんですよね。
ただ、非常に恐しいことは、仮に、政府や東京電力の説明のように、
「原子炉は既にもう完全に止まっている」とすれば、炉心内では原子核分裂は起こっていない筈になりますから、炉心内には中性子が飛び交うことは(自然界に普通に飛んでいる中性子は別として)起こり得ない筈です。中性子が発生しないのなら、冷却水と中性子が衝突して発生する「水の電気分解現象」も起こる筈がないですよね。従ってまた(A)のプロセスでの水素も、当然発生しない筈なんですよね!
トコロガ、トコロガ・・・東京電力の説明では、今までは(B)が原因で水素が発生するということは何度も報道してきいたのに、今回の窒素ガス注入の理由として(B)のプロセス以外にも、更に(A)の理由による水素ガス発生対策として「窒素ガス」の注入を既に開始しましたよね。
今は真水を注入してますけど、以前は「海水注入」してたから、海水は塩分(化学的には「塩(えん)」・・・塩化ナトリウム(NaCl)と呼ばれる物質、これが塩(しお)ですけど・・・が大量に含まれていますが、この塩化ナトリウム(NaCl)は、水に溶かすと電解質となって、電気分解を起こしやすくなることは、中学生でも知ってることですよね。
以前に注入した海水の塩分も、まだ炉心内に大量に残ってる筈ですから、真水だけの場合よりも、より一層、水の電気分解=水素発生が生じやすい状態に、炉内部がなっていることは、十分に想定されますよね。
そのことを良く知ってるからこそ、東京電力も(A)のプロセスで発生する水素ガスの増加を恐れて、それで窒素ガス注入を急遽始めた(それもアメリカからの示唆を受けた後で)のですね。
でも、東京電力は、格納容器内の水素ガスの増加傾向は認めながら、水素ガス発生を引き起こしている肝心の原因である【中性子の発生=核分裂反応の発生】には、いまだに一言も言及していません!(肯定も否定もせずただ黙殺するだけ!。そのくせ「原子炉は現在は完全に停止してます」を繰り返してきてますよね!
炉心で核分裂反応が起こっていることを伺わせる、他の重要な証拠らしいものを指摘する人もいます。
そのひとつの証拠として、今まで政府や東京電力が公表してきている大気中や汚染水中のヨウ素濃度がさっぱり減らず、依然として増え続けていることが指摘できます。核分裂の時にしか発生しないヨウ素の半減期は8日なのに、もし、政府や東京電力の言うように、炉心内の核分裂は完全に終息してるのなら、ヨウ素の量も、炉心が緊急停止した3月11日以降もう30日近くになろうとしていますから、10%程に、少なくとも20%程度にまでは減っている筈なのに、一向に減っていないことが、その証拠として指摘できますよね。
更に、塩素38やヨウ素134等の「核種」は、再臨界が(たとえ部分的低レベルでも)発生していることを推定確定する際に、極めて重要な「手掛かり」となる「核種」なですが、それら塩素38やヨウ素134といった核種の発生を、東京電力や政府は検出してるのか?否か?知っていても敢えて隠している可能性も否定できないのですね。京都大学原子力工学教授小出裕章氏も、この点を非常に気にしておられます。
他の核種を一切明かそうとしない政府や東電、保安局の報告を、
どこまで信用できるのでしょうか?
>その結果、格納容器の水素爆発の可能性の低めるために注入するということですか。
*チョット、その辺の説明が東京電力や政府の説明では、わざ曖昧にされてるにですね。
一番最初に水素ガスが発生するのは、「格納容器」ではなく、もっと内側にある
一番炉心の内側の 「圧力容器」の中で発生するんですよね。
しかし、政府や東京電力は、「圧力容器」は厚さが17センチもあるステンレス鋼材の
頑丈な容器だから、絶対放射線は外部には漏れない、完璧に密閉されてる絶対に
安全な容器ですから・・・って、頑固に言い張ってきてたでしょう!
トコロガ・・・その「絶対頑丈な厚さ17センチもあるステンレス鋼材」の
「圧力容器」から、放射線物質や汚染された冷却水が漏れだしてるのに
そここと(つまり完璧な筈の「格納容器」が壊れちゃってるってことは
4月9日現在でも、絶対に公表してないんですよね!
圧力容器の本体それ自体が壊れちゃってるのか?あるいは米原子力規制委員会(NRC)の推測のように圧力容器の底の部分が壊れているのか?または京都大学原子力工学教授小出裕章氏[▼註1]が推定するように、圧力容器に取り付けられている再循環ポンプの配管の破損や亀裂が原因か?は・・・諸説は推定の域を出ませんが、その正確な場所の確定はどうあれ、いずれにせよ、少なくとも圧力容器のどこかが壊れていて、そこから外部へ漏れだしていることは100%確かなことと、私(諸留)も思っています。
[▼註1]小出裕章氏ラジオインタビュー、4月6日分
http://www.youtube.com/user/nyugankenshin
もし政府や東京電力の言うように「圧力容器」が壊れてないなら・・・というより、もはや現時点では政府や東京電力は圧力容器の破損に関しては一切肯定も否定も言及しない黙殺で押し通してきてますよね!・・・圧力容器の外側にある「格納容器」内に、水素ガスや放射線汚染物質が充満することも、絶対に起きない筈ですよね!
そこに、二つ目のゴマカシ報道があります。「ゴマカシ」というのが不正確だ!と指摘なさる方がいるのなら、「都合の良い事実だけ報道して不都合な事実は黙殺し報道しない」という、私(諸留)の言う「まだら報道」を意図的に流して私たち国民を騙し続けています。
水素爆発だけでなく「格納容器」という容器自体の爆発や破損と、さらには、最悪の場合の「圧力容器」自体の爆発や破損も回避したい!という目的も、今回の窒素注入作業の目的として同時に潜り込ませておきながら、そのことには、一切言及せず、単に「格納容器内の水素ガス爆発回避の為だけ」と報道していますよね!
全くゴマカシのオンパレードですよね!
格納容器内への窒素ガス注入により、格納容器の内圧も高まり、格納容器の持つ設計上での耐圧限界である「4気圧/平方センチ」を超えるレベルまで圧力が高まることで生じるかもしれない、格納容器自体の爆発や、あるいは、格納容器自体の爆発は避けられたとしても、格納容器内で水素爆発が起こる危険性も、今回の窒素ガス注入によって、一層高まってしまうのですよね。何故なら、今まで圧力容器から格納容器へと漏れだしていた水素ガスが、窒素ガスが格納容器に充満した為に、格納容器へと漏れだしにくくなって、圧力容器内にそのまま滞留する可能性も高まりますからね。
上で既に述べたように、圧力容器内での水素発生→圧力容器自体の破裂!又は圧力容器容器内での水素爆発!・・・という危険性も有り得るということには、全く報道されていませんしね!
格納容器内への窒素ガスの注入によって、格納容器中に占める水素ガスの比率は少なくなって、水素ガス爆発の危険度は少なくなるけど、肝心の大元である、圧力容器内で発生しているウランの原始核反応→中性子の発生→水分解→水素ガスの発生・・・のプロセスは、窒素ガスの注入の有無とは関係なく、依然として進行してますから、圧力容器から格納容器内へと水素ガスが漏れ出し続ける限り、格納容器内の水素ガス量も、格納容器の内圧も、どんどん増大していく一方ですから・・・。今行われている格納容器内への窒素ガス注入によって、さらに格納容器の内圧が増大していきますから・・・いつかは、格納容器自体も壊れるか、爆発しちゃいますから・・・そうなったら大変だから、いずれ遅かれ早かれ、格納容器に取り付けてある、大気へ通じている弁(ベント弁といって2個あるのですが・・・一箇所のベント弁を開いただけでは、格納容器内のガスは、すぐには大気中へは放出されず、更にもう一つ別のベント弁を開いて初めて大気中へ格納容器内のガスが放出されるのですが)を開くことになりますよね。
なお、正確に言えば、このベント弁には2種類あります。ひとつは「ウエット・ベント弁方式」といって、いきなり大気中へ放出するのではなく、原子炉本体の底にある格納容器の一部となっている「圧力調整室」内に蓄えられている水の中に水蒸気を潜らせることで格納容器内の圧力を減らす方式のウエット・ベント方式と、それとは別の「ドライ・ベント弁方式」というものがあります。後者の方式kは、さっき上で説明したように、違う場所にある2つのベント弁を次々と開けば、格納容器内のガスが、直接大気中へ放出される方式です。
いずれにしても、こんな仕組みになってるのですから、窒素ガスの格納容器への注入が始まった以上、遅かれ早かれ、高濃度汚染水や高濃度汚染大気が、原子炉外の大気中や
地下水へ更に大量に流出することは、もう時間の問題です!
かといって、今更窒素ガス注入しないと、炉心そのものが大爆発しちゃう(圧力限界を超えたためか、水素ガス増加のためかのいづれかの原因で)し・・・。どっちに転んでも「背に腹は替えられない」っていう、せっぱ詰まった瀬戸際作戦なんですね。環境汚染なんか、ことここに至っては、どうなっても構わない!っていう「外部環境汚染切り捨て策」がホンネなんだろうけど、そこの所を、キチンと国民大衆に説明してきてないですよね!不都合な部分は、カットして触れないで、政府や東京電力や原子力安全・保安院にとって都合が良いと思われる部分だけを、それも「現在のところ大きな被害は生じない程度ですから」と、将来の責任追及時のアリバイ作りを付加させる形の報道だけ流し続けていますよね手いつもの手口ですけどね!
以上の事柄は、決して難しい専門知識なんか無くても、高校生レベルの原子炉に関する基本知識だけあれば、かなりの正確さで、政府や原子力安全・保安院、原子力安全委員会、東京電力、マスコミに登場する大学教授連中の報道の欺瞞性は、簡単に見抜けますよね少し根気は必要ですけど・・・
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