[CML 008826] Re: 渡辺治・進藤兵 編『東京をどうするか―福祉と環境の都市構想』(岩波書店)発売

塚田 俊一 lutmg at yahoo.co.jp
2011年 4月 6日 (水) 13:52:53 JST


渡辺治・進藤兵 編『東京をどうするか―福祉と環境の都市構想』(岩波書店)を読みました。
政策提起だけでなく現在の都政の問題点・争点を学ぶテキストにもなっています。
都政だけでなく国政の転換も視野に入れており、
また政策を裏付ける税財政のあり方も提起しています。

ぜひ多くの方に読んでほしいと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4000257994
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4000257994.html

http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0257990/top.html
編著者からのメッセージ

貧困と生活不安の拡大,環境危機へのとりくみの遅れ,
超高層ビルを乱立させる都市再開発,競争と抑圧の教育,道路・開発優先の財政――
三期一二年にわたる石原都政は強権的リーダーによる新自由主義的構造改革の都政であった.

本書は,これに対抗する東京の都市構想を提起する.
憲法二五条に基づいて貧困を縮減し,中間層の生活安定を実現する福祉国家型の生活保障.
公害防止と地球環境保全を優先することで雇用と内需の拡大をめざす「緑の経済」.
住民手づくりの人間的で防災重視のまちづくり.ノンエリート青年の自立を保障する教育.
そして生活保障と環境を優先する税財政構造への大胆な転換.

この「福祉と環境の都市構想」は,橋下大阪府知事らが唱える「成長優先の地方政治」とは異なる
「自治体版福祉国家」の構想でもある.
二〇一一年統一地方選挙に関心をもつ人びとに,
そして混迷する二大政党制下の国政の打開を願う人びとに,本書を読んでほしい.

編集者からのメッセージ

予算規模,実に10兆円を超える東京には,大きな可能性があります.
しかし,12年間におよんだ石原都政のもとでは,都政のあらゆる分野で民営化や規制緩和などの
新自由主義的な「構造改革」が進められ,都立病院は消え,数多くの福祉施策が切り捨てられるなど,
東京は人間に冷たい町になってしまっています.

 余談ですが,編集を担当した私の子も保育園に入れず待機児童です.
妻と育児分担をしながら本書の編集作業に取り組みましたが,
失敗したオリンピック招致に100億円以上,
「闇社会」などに食い荒らされた新銀行東京には1400億円以上の税金が費やされました. 
それだけの税金を子どもたちのために使えば,待機児童問題などすぐ解決するのに
―― そんな編集者の憤りも本書には込められています.
 弱肉強食の新自由主義ではなく,東京を人間らしく暮らせる街に.
そのための具体的で実践的な政策の数々を,ぜひお読みください.
『世界』編集部:熊谷伸一郎

目次
序章 新しい福祉国家型自治体の構想を 渡辺治
第1章 福祉と環境の都市・東京へ 進藤兵
第2章 人間らしく生きられるまちへ―生活保障の構想
 後藤道夫・森山治・高橋紘一・浅井春夫・曽我千春・中島明子・大泉幸二・村田悠輔
コラム1 築地市場移転は白紙化しかない 今松英悦
第3章 東京の都市ビジョンと環境経済政策 寺西俊一・環境グループ
第4章 東京のまちづくりと防災 福川裕一・中山俊雄
第5章 新自由主義教育「改革」を超えて 世取山洋介・山本由美
コラム2 「日常」と「非日常」が共鳴するスポーツ環境を 尾崎正峰
第6章 東京都の税財政―現状と新たな構想 醍醐聡・関耕平・安達智則・石橋映二
コラム3 証券投資とタコ足決算で生き長らえる新銀行東京 醍醐聡
第7章 豊かな自治の都市へ 進藤兵
あとがき

--- On Fri, 2011/3/4, 塚田 俊一 <lutmg at yahoo.co.jp> wrote:

<転送・転載歓迎>

岩波書店より渡辺治・進藤兵 編『東京をどうするか―福祉と環境の都市構想』が発売されました。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/4/0257990.html
四六判・上製・カバー・288頁 定価 2,835円(本体 2,700円 + 税5%)

自治体版新自由主義改革の先頭を走り、貧困を拡大してきた石原都政に代わる
新しい都政の構想を提言する本です。「誰が都知事選に出るのか」ばかり話題にされがちですが、
真に必要なのは「都政は何をすべきなのか」の議論を展開することだと思います。

自治体の変革から国政の新自由主義政策を転換する道を探るためにも、
東京以外の方にもぜひ読んでいただければと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4000257994
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4000257994.html

東京には大きな可能性がある。だが、石原都政のもと、医療や福祉など、あらゆる分野で
民営化や規制緩和などの新自由主義的な「構造改革」が進められてきた。
病院が消え、福祉が切り捨てられるなど、都民生活への影響がしだいにあらわになってきている。

東京をどうすればいいのか。本書は、新自由主義に代わる社会的理念として「新福祉国家」を提唱する
渡辺治氏や進藤兵氏が中心となり、二年間にわたって東京における都市構想を研究してきた
新東京政策研究会の研究成果を提示する。新しい都政の向かうべき方向を、具体的な政策をもって展開する。

執筆者
序章・東京から新しい福祉国家型自治体の構想を 渡辺治(一橋大学名誉教授)
総論 進藤兵(都留文科大学)
東京の貧困 後藤道夫(都留文科大学)
東京の人口動態 高橋紘一(日本福祉大学)
石原都政の「福祉・医療改革」の検証 森山治(金沢大学)
生活保障・雇用政策 後藤道夫
子ども 浅井春夫(立教大学)
医療 森山治
介護 曽我千春(金沢星稜大学)
住宅 中島明子(和洋女子大学)
障がい者(児) 大泉幸二(社会福祉・医療政策研究会)
生活保護 村田悠輔(東京自治問題研究所)
築地市場移転問題 今松英悦(津田塾大学)
環境 寺西俊一(一橋大学)
まちづくり 福川裕一(千葉大学)
防災 中山俊雄(東京自治問題研究所)
教育 世取山洋介(新潟大学)
     山本由美(和光大学)
スポーツ 尾崎正峰(一橋大学)
税財政 醍醐聰(東京大学名誉教授)
      関耕平(島根大学)
      石橋映二(地方税研究会)
      安達智則(健和会医療福祉調査室)
新銀行東京 醍醐聰
地方分権・自治・行政改革 進藤兵


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