[CML 008819] 孫正義と田原総一郎と原発設計者が対談
Hayariki
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2011年 4月 6日 (水) 07:40:44 JST
【PJニュース 2011年4月5日】ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏と田原総一郎氏と原子力発電所設計者の対談が2011年4月2日、動画サイト・ユーストリームやニコニコ生放送で生中継された。原発設計者は田中三彦氏と後藤政志氏である。番組では安心・安全を強調する政府や東京電力、マスメディアの姿勢が批判された。
孫氏「(テレビに登場する学者からは)安心させられるような話ばかり聞かされる」
田原氏「国民の危機感を煽りたくないという意識がある。今日の放送にも反対意見があった」
田中氏「流言飛語は許せないというが、『大丈夫だ、大丈夫だ』というのも流言飛語になる」
孫氏「安全と危険の両方の可能性を吟味することが必要。それを判断するために情報を提供することが重要」
後藤氏「ドライベントをすれば大量の放射性物質が放出されるということは分かっているが、政府や東京電力の発表では予告はなく、全てが過去形になっている。これは説明責任を果たしたとは言えない」
田中氏「我々が正しいとは限らない。なぜなら情報がなさすぎるから」
後藤氏「パニックを避ける為に安全だと言い続けて、いざ最悪な事態に陥った時こそ最悪のパニックになるのではないか」
田原氏「既に炉心は大丈夫と言って、実は炉心が溶けていた」
孫氏「リスクがグレーゾーンだったら、過剰でも一旦避難させるべき。今もガイガーカウンターを持ち歩いている。放射能は痛みも臭いもないから、危険性を認識できない点が怖い」
後藤氏「今後は原子力発電に頼ることは不可能である。子どもにマスクをさせて、放射能に気を付けろという生活をさせたくない。自分でメリットとリスクを判断して、個人でリスクを負担するならば問題ないが、原発は異なる」
田中氏「飛行機などのリスクと原子力のリスクは次元が異なる。人類全体の生存にかかわる。広島の原爆以後は人類の存続を考えなければならなくなった」
孫氏「トータルコストを考えれば原発が一番高い。今回の事故で再認識した」
後藤氏「電力は安定供給がポイントで、これまで原発が一番安定していると言われていた。しかし、柏崎原発は地震で停止したままで、福島第一原発も廃炉になる。安定供給が出来ていない」
http://www.pjnews.net/news/794/20110404_4
田中氏「原発は次世代に負担をかける。原発が電力の三割を負担している問題は原発を推進してきた結果であり、その解決策を原発反対派に求めることは誤りである。原発を頑丈にして増設しようという主張が最も問題。反省がない」
孫氏「原子炉の設計者が原発に反対していることは一般の原発反対意見と異なる。私は原発容認派であった。福島原発事故で反省している。半減期が2万4千年もある放射性物質には責任が負えない。多数の人命をリスクに晒して行う事業ではない」
田中氏「会社人は社会人ではない」
孫氏「原発村の人々は仲がいい。チェック・アンド・バランスが機能しない。経済産業省は原発を推進する側で、その下に保安院があるならば取り締まれないのではないか。原発の電気供給量は3割とされるが、これほど怖い思いをするならば3割くらいは我慢する。政府が市民の人命を守るということを真剣に考えていたか。自分の娘がいたら自主避難なんて言えるか。今は独居老人ら弱い人が残されている。人命尊重主義で意思決定しなければならない。本当の人災になってしまう」
後藤氏「自ら先頭に立たなければ、原子力に関わる資格はない」
孫氏「自主避難でいいというならば、その場所に首相官邸や保安院の事務所を移すべき」
田中氏「情報が与えられていないため、判断する自由が奪われている」
後藤氏「放射能障害は確率的な影響を及ぼすものであるため、ここまでは安全というようなことは言えない」
孫氏「言うべきことを言う人がいないと問題である。損得ではなくて、本当の事を言う人がいないのはまずい」
田中氏「我々も責任はあった」
孫氏「ここからどうするかが問題。今のこの状況になったからには、明日からどうするかを考えなければならない。原爆が落とされた国は日本だけで、複数の原子炉で事故が起きた国も日本だけである。この番組によって日本が楽観論だけでないことを世界に知ってもらうことも意味がある。停止中の原発は再開すべきはない」
田中氏「厳しい条件で再点検することは難しい。原子力村の審議会は原発を認める筋書きで動いている」
孫氏「自民党は長年原発を推進してきた。民主党は原発を推進する電力会社の労働組合が票田になっている。原発の問題は国民投票で決めないと、国民の本当の意見は表せないという気がしてきた」
田中氏と後藤氏は既に特定非営利活動法人原子力資料情報室の記者会見などで福島第一原発事故の危機的状況を訴えてきた(林田力「原子力資料情報室が福島原発に関する緊急記者会見開催」PJニュース2011年3月13日)。
http://www.pjnews.net/news/794/20110312_4/
今回の放送内容には従前の繰り返しになる内容も含まれていたものの、孫氏と田原氏という影響力のある人物の番組に登場することで、より多くの人が原発事故の深刻さを認識することになった。【了】
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『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力
http://book.geocities.jp/hedomura/
http://hayariki.webnode.com/
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