[CML 008805] 関西救援連絡センターニュース2011年4月号

Matsuba Shoichi mauricemerleau at yahoo.co.jp
2011年 4月 5日 (火) 14:52:41 JST


第296号
2011年4月

関西救援連絡センター
〒530‐0022大阪市北区浪花町11‐14
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   振替番号 00910−2−73915
発  行  隔月刊(原則として) 
賛助会費  月 額 1口   500円
年間購読  送料共 1部 1,000円


コンピュータ監視法を審議入りさせるな!
共謀罪も上程に向けた動きが

 三月十一日、民主党菅政権は「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」の上程を閣議決定し国会に送付したというが、四月四日現在、衆議院のホームページにある提出議案一覧には掲載されていない(四月五日に、四月一日付で送付された議案としてアップされました。)。
 この法律案は、廃案になった共謀罪関連法案(左欄に掲載)のうち、「1『国際組織犯罪防止条約』の締結に伴う罰則等の整備」だけを外したもので、「2強制執行を妨害する行為等に対する罰則整備」と「3ハイテク犯罪に対処するための法整備」は、ほぼそのまま残されている。変更点は、いわゆる「ウィルス作成罪罪」について「正当な理由がないのに」という一文が入れられたことと、プロバイダ等への要請の期間が九十日から六十日に短縮されたことだけである。
 共謀罪と同じ思想
 この法律案の問題点は、まず「犯罪であることが確定してない」行為を犯罪とするものであり、共謀罪と同じ思想にもとづいている点である。次に、この法律案は「サイバー犯罪への対応」をうたっているが、これと直接関係のない「わいせつ図画の所持」や「強制執行妨害罪の処罰の拡大・強化」などの条項が含まれている。さらに、この法律案では、ウィルスの定義そのものが曖昧である上に、ウィルスを使用しなくても、作成したり取得、保管したりするだけで違法とされることになっている。またウィルスに対抗する研究等に関する例外規程がなく、特定の企業や研究者が開発を独占する道を開くことになる。そして、送信元、送信先、通信日時等の通信履歴を六十日間保全する義務がプロバイダー等の通信業務を営む者に課され、この保全要請には、対象犯罪の制限がない。
捜査方法にも数多くの問題点
 捜査方法に関してもさまざまな問題がある。この法律案では「記録命令付差押」が新設され、コンピュータ管理者等に命令してデータ等をコピーさせて差し押さえることができる。押収品はデータであり、改竄されても証明は難しい。また一台のコンピュータからネットワークを使ってアクセスできるすべてのコンピュータのデータを差し押さえることもでき、一箇所の捜索令状でどこまでも強制捜査を拡大していくことができる。また押収すべきデータはオリジナルではなくコピーであり、物・場所を特定しない強制捜査を認めることになっている。これは刑事訴訟法の基本的な考え方を大きく逸脱しており、明らかに憲法三五条に違反している。
 先日の、携帯電話を使った大学入試不正に関する捜査では、捜索令状は請求されず、任意の捜査照会だけで、翌日には入試問題の投稿者が確定されている。また大相撲の賭博や八百長問題でも、強制捜査ではなく任意提出による捜査が行われている。こうした現状を前提にして、この法律が成立した際にどのような捜査が行われるかを考えなければならない。
日弁連事務総長が独断でゴーサイン
 多少は治安・管理法に対する見識を有しているのではないかと思われた江田五月法務大臣は、昨年、この法律案に対し「問題のない法律」だという見解を示した。また、問題点を指摘すべき日弁連の事務総長が、法務省官僚と民主党の会議に現れて、修正への謝辞と共にこの法律案へのゴーサインを出したという。多くの議員は「日弁連がOKなら問題はない」と考えがちであり、事務総長の罪は重い。日弁連の刑事法制委員会からはこの独断専行への批判文書も出されており、議論が尽くされないまま意思表示が行われた可能性が高い。
共謀罪新設に向けた会合開催か
 財務・外務・法務省は、これにとどまらず共謀罪を新設することによって、今年十月のFATF(金融活動作業部会)対日相互審査を乗り切ることを目論んでおり、「警察庁の呼びかけではない」会議が開催されているようだ。
 「コンピュータ監視法」を成立させないことこそが、共謀罪新設を阻むことにつながる。
 今一度、廃案に追い込もう!

犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための
刑法等の一部を改正する法律案の概要(二〇〇五年第一六三国会提出)
 近年における犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化の状況にかんがみ、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の締結に伴い、組織的な犯罪の共謀等の行為についての処罰規定、犯罪収益規制に関する規定等を整備するとともに、組織的に実行される悪質かつ執拗な強制執行妨害事犯等に適切に対処するため、強制執行を妨害する行為等についての処罰規定を整備し、並びに情報処理の高度化に伴う犯罪に適切に対処するため、及びサイバー犯罪に関する条約の締結に伴い、不正指令電磁的記録作成等の行為についての処罰規定、電磁的記録に係る記録媒体に関する証拠収集手続の規定その他所要の規定を整備する。
1「国際組織犯罪防止条約」の締結に伴う罰則等の整備の概要
 (1)組織的な犯罪の共謀罪の新設〔組織的犯罪処罰法〕
 (2)証人等買収罪の新設〔組織的犯罪処罰法〕
 (3)犯罪収益規制関係規定の整備〔組織的犯罪処罰法〕
(4)贈賄罪及び関係罰則につき国外犯処罰規定の整備〔刑法、組織的犯罪処罰法等〕
2 強制執行を妨害する行為等に対する罰則整備の概要
 (1)強制執行を妨害する行為についての処罰対象の拡充〔刑法〕
 (2)上記犯罪及び関係罰則の法定刑の引上げ〔刑法等〕
 (3)加重処罰規定の新設〔刑法及び組織的犯罪処罰法〕
3 ハイテク犯罪に対処するための法整備の概要
 (1)コンピュータ・ウイルスの作成、供用等の罪の新設等〔刑法〕
 (2)わいせつ物頒布等罪の構成要件の拡充〔刑法〕
 (3)電磁的記録に係る記録媒体に関する証拠収集手続の整備等〔刑事訴訟法等〕
 (4)通信履歴の電磁的記録の保全要請等〔刑事訴訟法等)



刑事収容施設の「新処遇法」の見直しを!
 施設長の裁量権拡大を許すな
 死刑確定者の接見に刑務官を立会わせるな

 法務省は、三月四日から四月二日まで「刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメントをホームページ上で募集した。
 この意見公募の目的について、法務省は次のように説明している。平成一七年の「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」(以下、新処遇法)において「政府は、施行日から五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」と規定されているので、「刑事施設視察委員会の意見の尊重、制限区分第四種(昼夜単独室処遇)受刑者の処遇の改善等、更なる運用改善を図るものです」。つまり法務省は、新処遇法そのものの見直しではなく、規則の部分的な手直しですませようとしているのである。
 新処遇法は、名古屋刑務所等で暴行事件が発覚したことから制定された。そのため、当初は外部交通の制限緩和などの動きがみられたが、現在では、前号のニュースでも報告したように、死刑確定者や受刑者の外部交通は制限され、その範囲は施設長の裁量に委ねられている。大阪拘置所では、再審代理人のパソコンの持ち込みが認められないので、打ち合わせに支障をきたしている。また大阪刑務所でも再審の打合せに刑務官が立ち会う状況が続いている。
 今回の規則の変更点をみると、新処遇法の目玉であった施設委員会の設置や、開放的施設への移動、電話等の通信の許可が対象となっており、努力目標さえ設けられている。このこのことは、新処遇法が有効に機能しておらず、旧態依然たる処遇が行われていることの証左である。新処遇法による改正は、現金や切手の差し入れをする相手についての制限がなくなったことだけだったということになる。
 新処遇法見直しの議論を早急に始めなければいけない。

刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則
(平成18年法務省令第57号)の一部を改正する省令の概要について
1 趣旨
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成17年法律第50号)附則第41条において、「政府は、施行日から五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」と規定されているところ、所要の措置の一つとして、本省令案により、刑事施設視察委員会の意見の尊重、制限区分第四種(昼夜単独室処遇)受刑者の処遇の改善等、更なる運用改善を図るものである。
2 主な改正事項
(1)刑事施設視察委員会の意見の尊重/刑事施設視察委員会から提出された意見について、刑事施設の長が可能な限り施設運営に反映させるよう努力すべき義務を規定(第6条の2の新設)
(2)運動機会の確保/居室内で運動ができる時間帯を現行より拡大(第12条第1項第3号の改正)
(3)優遇制度の改善/評価期間の経過後に善行(褒賞)があった場合、刑事施設の長の裁量により臨機に上位の優遇区分に変更できる旨を新たに規定するとともに、優遇内容を見直し(第15条第5項、第53条第3号及び第5号並びに第54条第1項第2号、第2項第1号及び第3項第1号の改正)
(4)制限区分第四種(昼夜単独室処遇)受刑者の処遇の改善/昼夜単独室処遇の解消に向け、刑事施設の長が積極的な働きかけを行うとともに、可能な限り集団処遇の機会を付与するよう努力すべき義務を規定(第49条の2の新設)
(5)外部通勤作業又は外出若しくは外泊の促進/受刑者に外部通勤作業を行わせる場合又は受刑者に外出若しくは外泊を許す場合に、当該者の位置を把握できる装置の携帯又は装着を条件とすることを可能とすることにより、逃走等のリスクを軽減することで運用を拡大(第57条の2及び第65条の2の新設)
(6)受刑者の電話による通信の運用の拡大/受刑者処遇の目的を達成する見込みが特に高いと認められる者等のほか、人道上の観点から特に必要と認めるときも電話による通信を行わせることができる旨の規定を新設(第83条第4号の新設)
3 施行期日(予定)/平成23年5月ころ


自民党が「国旗損壊罪」提出へ
君が代の替え歌にも刑罰を検討中
 「三月二日に、自民党は、国旗損壊罪を新設する刑法改正案を今国会に提出する方針を決めた」と新聞は報じた。日本を侮辱する目的で日章旗を焼いたり破いたりすると、二年以下の懲役または二十万円以下の罰金を科すという内容である。自民党は、民主党や公明党などにも協力を呼びかけて成立をめざすとしている。また「君が代」の替え歌なども国家への侮辱だとして、刑事罰を科すための法改正も検討中だという。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件等を機に、排外主義的な動きが強まっており、こうした動きを注視しておかなければならない。



報告 大阪拘置所における「審問」に一名が同席!
 三月二二日午後、大阪拘置所で「審問」という手続きが行われた。
 林眞須美氏(和歌山カレー事件で再審中)は、死刑確定者の拘置施設がある七つの矯正管区に、情報公開請求を行った。七管区すべてから開示決定が出たが、東京と名古屋管区の開示情報の中に一部不開示のものがあったため、不服申立(審査請求)を行った。その結果、東京と名古屋管区が各三十分ずつ事情を説明に来る審問という手続きが行われることになった。
 林氏は、外部交通の相手方ではない三名を補佐人に請求。審問の立会いはD氏一名が認められ、面会室での審問に補佐人として参加した。また、これに先立ち、三名に補佐人を依頼するための特別発信は許可されたが、三名からの返事の閲読は許可されなかった。また、打合せのための特別面会は認められず、東京、名古屋の審問にのみ補佐人として立ち会った。


東北地方の矯正施設の被害について(三月十六日)
▽宮城刑務所収容棟(三階建て)では一階から三階まで二本の亀裂が生じ、一部収容不能に。仙台拘置所も含め、面会は十七日から許可された。宮城刑務所では二二日から手紙の発信も許可。
▽黒羽刑務所の外塀に数箇所亀裂が生じる。
▽仙台矯正管区の庁舎が使用困難となり、国土交通省東北地方整備局において構造等の調査を実施。現在、宮城刑務所に移転
▽仙台の施設、福島刑務所、水戸刑務所では、停電に対しては自家発電等で対応。
▽食料・飲料水については、東京管内等から緊急輸送し、数日間は対応可能。
▽東京拘置所などでも物品の購入制限。
▽いわき拘置所や郡山拘置所では被告を一時関東に移送。
※福島刑務所は、福島第一原発から六十勸幣紂∧‥膩彩浬蠅い錣拘置支所は約四三辧石巻市双葉町にある石巻拘置支所は海岸から一辧情報は入っていない。
*監獄人権センターが矯正施設の被害等状況についてのブログを立ち上げている。
http://cpr.jca.apc.org/archive/
statement#1015


各地の靖国合祀拒否訴訟等の日程
 ★大阪靖国合祀イヤ!です訴訟/最高裁に上告中
 ★東京ノー!ハプサ訴訟/判決 7月21日15時 東京地裁
 ★沖縄ガッティンナラン訴訟
  第2回口頭弁論 6月14日14時〜福岡高裁那覇支部
 ☆砂川政教分離訴訟/最高裁に上告中



公判日程
4月21日	15時	関生弾圧(コピー用紙窃盗)	大阪地裁(刑)第1回
4月26日	10時半	西成公園業務妨害	大阪高裁(刑)第1回
4月27日	11時半	選挙権確認&国賠訴訟	大阪地裁(民)第2回
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★「関生弾圧(コピー用紙窃盗)」について
データをプリントしたとして、「コピー用紙数枚の窃盗」で、2月3日令状逮捕され、本人宅および関生労組役員宅に家宅捜索が行われた。2月23日起訴。逮捕以来、接見禁止がつき、2月24日に申請された保釈請求却下となり、3月15日の2度目の保釈申請に対して、保釈決定が出た。しかし、検察官から準抗告が出され、3月23日に釈放された。
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★3月4日、最高裁は、京都タウンミーティング不正国賠訴訟の原告・被告双方の上告を「棄却」、「不受理」の決定を行った。これにより、国と京都市が連帯して原告3名に各5万円(計15万円)を支払うよう命じた2009年9月17日付大阪高裁判決が確定した。3月9日に京都市教育委員会に対して申入れに行ったところ、冒頭から謝罪してきた。


集会案内

☆コンピュータ監視法を許すな!関西集会PART2
〜共謀罪法案の復活を許さない〜
6月6日(月)午後6時30分〜(6時15分開場) エルおおさか709号室
資料代:¥500
現在の日本社会の監視・管理体制について、話していただく予定です。
講演:小倉利丸さん(JCA−NET代表/盗聴法に反対する市民連絡会
ネットワーク反監視プロジェクト/富山大学教員)
コーディネーター:永嶋靖久さん
主催:関西救援連絡センター
問合せ先:pc0314shukai at gmail.com


☆陪審制度を復活する会連続セミナー=陪審制度を学ぶ第12弾=
裁判員裁判が始まって一年が経過して
場所:西本願寺津村別院(北御堂会館)13時半〜16時半
1000円〔学生は無料〕

第5回 4月23日(土)
 講 師:下村 忠利氏(大阪弁護士会)
 テーマ:「裁判員制度の検証」
  −一年を経過して、これでいいのか裁判員制度!−


☆京都・当番弁護士を支える市民の会/新歓セミナー
日時:2011年5月14日(土)午後2時〜4時半(開場午後1時30分)
場所:京都弁護士会館(京都市中京区丸太町通富小路下る1筋目北西角)
参加費&事前申込みは不要です

弁護士の仕事とは
〜刑事弁護人は何を考え、何を欲しているか〜
お話:鈴木 一郎さん(弁護士〔2001年登録〕/大阪弁護士会所属)

 例年、新歓セミナーでは、刑事弁護・刑事裁判を中心に活躍されている弁護士さんをお招きして、お話を伺っています。
 今年は、大阪の公設事務所(現:大阪パブリック法律事務所)発足時からのメンバーである鈴木一郎弁護士に登場していただきます。
 鈴木さんは、2001年に弁護士登録をされています(54期)。登録当初、上野勝法律事務所(現:上野共同法律事務所)に所属し、その後、刑事こうせつ法律事務所へ移籍し、多くの刑事裁判を手がけられてきました。その経験を踏まえて、刑事弁護人の仕事とはどのようなものかをお話しいただきます。
 なお、鈴木さんは、村木さんの無実や検察官の証拠改ざんで有名な「郵政事件」の被告の弁護人です。この裁判の中で、「刑事手続打切り」や「検察官の調書の開示」など、様々な法的な手続きを駆使されています。
 そうした法的な手続きについてもお話をうかがえるかと思います。
 ぜひ、皆さん、ご来場下さい。


☆自由人権協会 大阪兵庫 2011年度総会記念講演会
講演『えん罪をうむ構造』
講師:弘中淳一郎 弁護士
参加費無料・申込不要
 日時 5月21日(土)午後2時半〜
 場所 大阪市立総合生涯学習センター第一研修室
(大阪駅前第2ビル5F)


☆死刑廃止フォーラムin大阪<学習会>
「神は、貧しく小さくされた者と共に−釜ヶ崎と福音」
お話 本田 哲朗さん(神父 釜ケ崎ふるさとの家)
7月3日(土)午後1時半〜4時半 クレオ中央(四天王寺)
 資料代700円

 本田さんの著書「釜ヶ崎と福音」の中に、「小さくされた者」という言葉を知りました。
 それは、イエス自身、イエスの廻りに集まってきた人たちであり、釜ヶ崎で野宿生活を強いられている人たちと重なります。
 「虐げられて虐げられて、もうどんな立場も、立つ瀬もない。ほんとうに弱い弱い立場に立たされている人たち」。
 それは、また、死刑囚の有りようではないのかと思います。
(今年秋の死刑廃止合宿は、西成(釜ヶ崎)での開催が予定されています。)



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