[CML 008750] 団交拒否の沢田工業、筆者にブログ削除を要求
酒井徹
sakaitooru1983 at excite.co.jp
2011年 4月 2日 (土) 19:29:31 JST
団交拒否の沢田工業、筆者にブログ削除を要求
――労組、「労災逆切れ」と強く反発――
http://imadegawa.exblog.jp/15750686/
■弁護士名で「エキサイトに削除申出」
職場で起きた労災の補償に関する
労働組合との団体交渉を拒絶している
愛知県豊田市の沢田工業が、
この事実を報じた労組委員長のブログについて、
「名誉毀損行為」であるなどとして
削除を要求している。
沢田工業は代理人弁護士名で、
ブログのプロバイダであるエキサイト株式会社に対しても
プロバイダ責任制限法などに基づいて
記事の削除申出を行なう他、
筆者が記事を即刻削除しない場合、
「刑事,民事を問わず法的責任を追及」すると
「警告」している。
「警告書」を受け取った
愛知県の個人加盟制労働組合・
名古屋ふれあいユニオン
(「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟)は、
「違法派遣の状態で労働者を労災事故に遭わせておいて
団体交渉は拒絶。
その事実を報道されるや
記事の削除を要求するとは
どこまで盗人猛々しいのか。
『労災逆切れ』も甚だしい」と
激しく反発している。
■社会的評価を害しているのは沢田工業自身
名古屋ふれあいユニオンの運営委員長である
筆者の記事を、
沢田工業の代理人弁護士は
4月1日付「警告書」の中で、
「依頼者(筆者注:=沢田工業)の社会的評価が
害される危険性のある行為」であると
主張する。
しかし、
団体交渉拒絶という、
誰がどう見ても
「社会的評価」を「害」する「危険性のある行為」を
今まさに行なっているのは
他でもなく沢田工業自身なのであり、
筆者ではない。
筆者の記事は、
確かに沢田工業の不当労働行為に取材してはいるものの、
その内容は法律や判例の紹介や解釈、
労働運動の理念を中心としたものである。
組合側が団体交渉を希望しても
開催してもらえない状況の中、
沢田工業側の書面から会社の主張を最大限拾い出し、
紹介するという配慮も行なってきた。
また、
その引用も正確であると自負している。
沢田工業は、
筆者のブログ記事で報道されたとおりの事実を
沢田工業自身の判断で行なったのであり、
その結果として
沢田工業の「社会的評価が
害され」ることとなったとしても、
それはまさしく身から出たさび、
自業自得というものではないのだろうか。
筆者にその責任を転嫁するのは
文字通りの筋違いというものであると
言わざるをえない。
■沢田工業事件は社会的問題
そもそも沢田工業の代理人弁護士は、
筆者がブログ記事において
「依頼者やその他関係者の実名を記載した」などと
非難している。
だが、
筆者は沢田工業代表取締役の実名も、
沢田工業代理人弁護士の実名も
これまでブログに記載したことは
一度もなかった。
本件においては人格攻撃を避け、
建設的な主張・報道を心がけてきたにもかかわらず、
このような「警告」を受けたのは本当に残念である。
名古屋ふれあいユニオンが
これまで何度も指摘してきたとおり、
沢田工業の団体交渉拒絶は
労働組合法第7条第2号に該当する
不当労働行為である。
労働者を使用して社会の中で事業を営むものとして、
労使関係の基本中の基本を踏みにじる、
もっとも恥ずべき行為である。
会社は、
自分ひとりだけのわがままで成り立つ存在ではなく、
従業員や取引先など多くの人々とのかかわりの中で
生かされ、動かされる存在なのだ。
株式会社として複数の従業員を使用し、
また人材派遣会社から労働者の受け入れを行なっている
沢田工業には重大な社会的責任がある。
これから沢田工業に就職を希望する者も、
沢田工業と取引を望む会社もある。
沢田工業が働く者を労災事故に被災させた際、
どのような対応を取るのか、
労組と誠実に向き合う会社なのかどうかということは
当然にも
広く社会的な問題として
問うてゆく必要があるのである。
名古屋ふれあいユニオンは
今回の団交拒絶・労災問題を、
単にたまたま沢田工業で起こった
不幸な事故・事件であるとは
決してとらえていない。
ただでさえ
コミュニケーションに支障をきたしやすい外国人労働者を
違法派遣の状態で使用し、
労災事故を起こす企業は
この愛知県において後を絶たず、
今日なお同様の悲劇が続いている。
そして、
直接の労働契約関係がないということを盾に
労組との団体交渉を拒絶するケースも近年頻発し、
大きな社会的問題となっている。
本件団体交渉申し入れに対する沢田工業の対応は
まさにそうした事例の典型例であり、
社会の矛盾が集中的に凝縮された
象徴的な事件である。
すなわち沢田工業の一件を広く社会的に報道し、
問題点の指摘を通じてその改善を目指すことは、
単に被災労働者・Pさんのみならず
広く労働運動全体の発展を図り
働く者の生活と健康を防衛する実に正当な活動であり、
ひいては社会全般の利害に関わることなのだ。
「一人の問題」を「みんなの問題」に押し広げ、
よってたかって解決・改善を図るのが
労働組合の社会的役割なのである。
■被害者の前でも堂々と主張できるのか
そもそも名古屋ふれあいユニオンは、
2月25日に第1回目の団体交渉の申し入れを行なった際、
この事実をインターネット上で報道することなど
一切なかった。
名古屋ふれあいユニオンはあくまで、
労使の紛争を話し合いによって解決することを
本分としており、
沢田工業が団体交渉にただちに応じ、
誠実に対応する限り、
このような事態になるはずがなかったことは
明白である。
名古屋ふれあいユニオンはブログ問題も含め、
沢田工業との話し合いの扉を閉ざしていない。
にもかかわらず沢田工業が、
名古屋ふれあいユニオンとの
話し合いのテーブルにもつかずに弁護士を立て、
「エキサイト株式会社に対し,
いわゆるプロバイダ責任制限法等に基づく
本件ブログの削除申出」を行なったり、
まして
「刑事,民事を問わず法的責任を追及」したりするのは、
カネにものを言わせて
自らへの批判的な言論活動の封殺を狙う
卑劣なやり方だと思わざるをえない。
大体こうした理不尽な物言いを、
沢田工業の製造担当が
「誤って起動スイッチを押し」てしまった結果
一生障害を背負って生きることとなったPさんや、
そのPさんを支え、
1ヶ月以上の団体交渉拒絶に粘り強く耐えている
名古屋ふれあいユニオンを目の前にしても、
沢田工業は堂々と主張することができるのだろうか。
胸に手を当てて
物事の理非を少しは考えてもらいたいと思うのである。
【参考記事】
派遣社員に労災問題の団交権はないのか 2011-03-21
http://imadegawa.exblog.jp/15693057/
沢田工業(豊田市)、またも団体交渉拒絶 2011-03-31
http://imadegawa.exblog.jp/15738844/
氏名:酒井徹
住所:〒460-0024
愛知県名古屋市中区正木四丁目5番6号
金山センタービル907号
電話番号:090-4901-9364
電子メール:sakaitooru1983 at excite.co.jp
ホームページ:『酒井徹の日々改善』
http://imadegawa.exblog.jp/
CML メーリングリストの案内