[CML 005770] 新刊紹介 崔 善愛『ショパン――花束の中に隠された大砲』(岩波ジュニア新書)

maeda akira maeda at zokei.ac.jp
2010年 9月 29日 (水) 12:54:57 JST


前田 朗です。

9月29日

崔 善愛『ショパン――花束の中に隠された大砲』(岩波ジュニア新書、2010年)

定価861円

<目次>

はじめに

第1章  少年時代

第2章  青年時代

第3章  失意の日々

第4章  栄光の時代

第5章  病と死

第6章  音楽は思想

おわりに

<内容紹介>

今年2010年は,ショパン生誕200年.日本でも各地でショパン・コンサートなど
が行われています.皆さんはショパンにどんなイメージを持っていますか?
「ロマン派の華麗な「ピアノの詩人」というのが,平均したところでしょうか.
その美しい調べを多くの人が愛しています.
 著者のピアニスト,崔 善愛(チェ・ソンエ)さんも,はじめはそんな印象
だったそうです.でも,ショパンの曲は,華麗であるばかりでなく,なぜこれほ
ど激しくまた情熱的なのか,不思議に思ったともいいます.アメリカに留学した
ころ,崔さんはショパンの書簡集を読み,衝撃を受けます.パリへ向かうショパ
ンは,生きて二度と祖国(ポーランド)へ帰れないかもしれない,と書いていた
のです.当時,ポーランドは,ロシアやプロイセン,オーストリアといった周囲
の強国に侵略され,分割支配されていました.ポーランドの人々は,抵抗し,何
度も蜂起します.ショパンの激しさは,祖国への愛であり,マズルカなど伝統的
な歌や言葉への愛であり,そして支配者に立ち向かっていくポーランドの人々へ
の共感と支配者への怒りから生まれたものだったのです.まさに,ショパンの音
楽は「花束の中の大砲」(シューマン)なのです.
 崔さんは,指紋の押捺(おうなつ)を拒否したため,留学先のアメリカから日
本に戻ることができないという体験をもっています.ショパンの不安,絶望,怒
り,悲しみに共鳴しながら,崔さんはショパンの生涯を改めて追っていきます.
(編集部 岡本厚)



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