[CML 005659] 更新料廃止で賃貸住宅市場の充実を:林田力

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 9月 17日 (金) 08:04:12 JST


【PJニュース 2010年9月17日】賃貸住宅の契約更新時に支払う更新料を消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)により無効とする判決が相次いでいる。これは消費者だけでなく、賃貸不動産業界にとっても福音である。不動産業界は旧来の陋習(ろうしゅう)である更新料を積極的に廃止することで賃貸住宅市場を充実すべきである。

消費者にとって更新料は合理性に欠ける。建物に住むことと家賃の間には対価関係がある。ところが、更新料は契約を更新するための代金であり、そのようなものに金銭を支払うことは他の業種では考えられない。
http://news.livedoor.com/article/detail/5015629/
http://www.pjnews.net/news/794/20100916_14
一般の業種ならば長期契約者はサービス提供者にとっては有り難い存在である。割引してでも囲い込みたい上客である。建物を借り続ける場合に余計な金銭を支払わないところに不動産業界の異常さがある。更新料無効判決は不動産業界の悪弊を消滅させるチャンスである。

不動産賃貸業界にとっても長期契約者は上客である。賃貸ビジネスにとって一番避けたいことは空き部屋が出ることである。新たな住人を募集するためにはクリーニングやリフォームも必要である。現在では前の賃借人の敷金をクリーニングやリフォームに使うことは許されない。大家は長期契約者を大切にしなければならない。

更新料が無効になると、短期的には賃貸業者の収入が減るが、長期的には賃貸市場を拡大させることができる。日本は異常なほど持ち家信仰が肥大化しているが、賃貸と比較した分譲住宅の経済的合理性は不明確である。むしろ日本では分譲住宅や賃貸住宅そのものとは別の次元で格差があることが問題である。

分譲住宅購入者には住宅ローン減税や固定資産税減免など税制面で優遇されている。これに対し、高額な敷金・礼金、不合理な更新料、追い出し屋など賃貸住宅を取り巻く環境は貧困である。相対的に恵まれているはずの分譲購入者を制度的に優遇することは不公正である。この点で「民主党政策集INDEX2009」が以下を掲げたことは正当である。

「従来の持ち家取得への偏重を是正し、ライフスタイル・ライフステージに合った住宅政策への転換を図ります」

更新料のような不合理な慣行が賃貸に存在するために分譲に魅力を感じてしまう面がある。そのため、賃貸業界から不合理な慣行を一掃することで分譲に逃げた消費者を呼び戻すことができる。大家側には狭い業界の論理から更新料無効判決に抵抗するのではなく、普遍的な経済原理から判決の一歩先の対応を期待する。【了】



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