[CML 005595] 中野駅地区整備・景観等検討会に都計審委員が就任

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 9月 11日 (土) 10:55:09 JST


【PJニュース 2010年9月10日】東京都中野区の中野駅周辺の景観等を検討する組織「中野駅地区整備・景観等検討会」の委員に2名の中野区都市計画審議会(都計審)委員が就任している。都市計画行政の公正・中立性の観点から疑問の声もある。

検討会は「中野駅及び駅周辺を、東京の新たな活動拠点にふさわしい景観形成と、環境やユニバーサルデザインに配慮した一貫性のある整備を実現する」ことを目的として設置された(中野駅地区整備・景観等検討会運営要領第1条)。具体的には再開発が計画されている中野駅地区の景観、デザインコンセプト、駅前広場のあり方などを検討する。既に8月10日に第1回検討会が開催された。

この事実は中野区議会中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり特別委員会において、中野区まちづくり推進室拠点まちづくり担当が提出した資料「中野駅地区整備・景観等検討会の設置について」(2010年9月6日)によって事後的に明らかにされた。
http://news.livedoor.com/article/detail/5000443/
http://www.pjnews.net/news/794/20100909_2
気になる点は検討会の委員に現役である第18期都計審委員(任期:2009年2月12日〜2011年2月11日)が含まれることである。都計審会長の矢島隆・日本大学理工学部客員教授と委員の老沼宏二・東京都第三建設事務所長である。

運営要領第7条では以下のように定める。「検討会の庶務は、中野駅周辺まちづくりに係るコーディネート等業務の受託者である独立行政法人都市再生機東京都心支社が行う。」
開発業者が事務局を務める点は、開発を進める側の組織という印象を与える。会議及び会議資料は原則非公開であり(運営要領第5条第3項)、少なくとも住民のための検討会ではないことは確かである。

これに対し、都計審は都市計画法に基づき設置された組織である。第三者機関による審議を経ることで、公正・中立性を確保し、開かれた都市計画行政とすることを目指している。開発を進める側の検討会に都計審委員が参加することは、自身が関与した計画案を都計審で委員として審議することになり、公正・中立性に疑問符が付される。

この種の奇妙な兼任は他の再開発でも見られる。二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)では、株式会社アール・アイ・エーの宮原義明・代表取締役が再開発計画の初期に、再開発を考える会(再開発組合の母体となった団体)と世田谷区の双方のコンサルタントとして活動していたことが明らかになった。この点は二子玉川ライズの違法性を争う裁判において住民側代理人から以下のようには反(かえ)された。

「これは、真に行政から公共性の担保、機能チェックができない、お手盛りの体制じゃないですか」(林田力『二子玉川ライズ反対運動』マイブックル、2010年、17頁)。
しかもアール・アイ・エーは再開発で建設された超高層マンション「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」の設計も受注した。再開発を進めることで儲ける企業が、行政のコンサルタントとして私企業の開発と公共性を調整する役割も担当していた。これでは公共性が企業に都合よくねじ曲げられてしまう。

中野区では他の街づくり関連の会議体(中野駅周辺まちづくり推進会議、東中野地域まちづくり検討会)でも会議を非公開とする。再開発自体に反対意見がある中での秘密主義的運営は、住民の批判に耐えられない再開発計画であることの自認に等しい。再開発を進めることを前提として形式的に手続きを整えるのか、住民のための街づくりにするために趣旨に則って制度を運用するのか。都市計画行政の姿勢が問われている。【了】(林田力 『東急不動産だまし売り裁判』著者)



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