[CML 005587] Re: 山崎 淑子さん Re: 小野洋子の言葉

田口 hantenno at m10.alpha-net.ne.jp
2010年 9月 10日 (金) 18:25:56 JST


萩谷さん、たくさんの情報をありがとうございます。

> 音声学者の書く文章は誰も読みたがらない、もっと読みやすく、面白く書けそう
> なもんだ、とか、そんなことを考え続けています。

 渡辺 謙さんが演じた名人 実演販売人のテレビ劇(ドラマ)を
連想しました。 「君たちがいて僕がいる」 という作品でした。路上
販売人です。名人が売れば、道行く人々が不要な物でもつい
つい買ってしまうのです。自分の生活には全く関係のない
ことが書いてあっても、最初のページを読んだら続きを読み
たくて買わずにはおれない本。なにか共通点がありそうな気が
します。 名人の落語にも通じるかも。

 「あんた達は L と R を聞き間違えることはないのか」 と或る
米国人に聞いたことがあります。彼は 「百%ない」 と断言しま
した。お金と暇があったら実験してみとうございます。101人の
英米人を各地から連れてきて中の一人に election
election erection election erection と早口に5個 発音させる。
そして残りの百人に erection は R と書け、 election は L と書け
と言って L L R L R と 書き取らせる。 何人まちがえる
者が出るか、楽しみですねえ。 時には意地悪して全部 erection
にしたり、日本人の 「イレクション」 を聞かせる。本当に100%
正解するか。
 似たようなことを釜山で地元の若者達としたことがあります。
彼らが異なる音だという韓国語の発音の違いがどうしても分かりま
せんでしたから。小規模実験でしたけど間違えた人がおって
皆から からかわれていました。

 日本の中学二年の英語の教科書を 「普通の速さで」 と
頼んで米人宣教師に読んでもらい録音しました。それを
某大学の英語クラブの学生に聞かせて書き取らせました。
しかし大半の学生が半分も聞き取れませんでした。
 音声は面白いですね。五十音が人類の音声の基本だと
思っていました。太陽が自分を中心に回っていると思う蛙
でしたね。

 九州で自分が生まれ育った地区には「せ」と「ぜ」の音は
ありません。かわりに 「しぇ」 と 「じぇ」 です。文字は同じ
「せ」 と 「ぜ」なのに。テレビ・ラジオでは 「せ」 と聞いて
いましたから、自分では 「せ」 と発音していたつもりなのに、
実は 「しぇ」 と言っていたと分かったときは驚きました。私の
知る限り今の子ども達の中では 「しぇ」 と 「じぇ」 は消えて
しまいました。テレビのせいでしょう。
 九州・山陰地方のどの地区に 「しぇ」 と 「じぇ」 があった
のか、お金と暇があったら調べてみたいものです。お年寄りは
どんどん鬼籍に入っていくから急がねばなりません。もう
手遅れかなあ。
 方言の研究も同様ですね。あのお婆さんが亡くなったら
この方言の秘密は永久に分からなくなる、という状態かも
しれませんよ。
 隣り合う佐賀県と長崎県では異なる言葉が多いのに、海を
へだてた長崎と熊本で共通な方言が多いのを知ったときも
驚きました。

 韓国語・朝鮮語と日本語との間には、他にない共通点が
多いですね。何千年、何万年前か知らないけれどある時に
枝分かれしたのでしょうね。
 「ぜ」 がなくて 「じぇ」 がある点は韓国語と九州語は共通して
います。しかし相違点もあります。 「ぞ」 は九州にあって
韓国にない。 「せ」 は韓国にあって九州にはない。九州の
全部かどうかは分かりませんが、少なくとも私の故郷では。

 いやあ、学究的ですねえ。興味のあることを追究し学問・
文化の発展に貢献する、これは人間として生きる喜びの
一つですよ。本当は私は蟻の観察をしたいのです。とくに
オオズアカアリの。
  インドに行ったときにあそこにも私の
好きなオオズアカアリがいて同じように生活していたので
感動しました。オオズアカアリの引っ越しの秘密を知りたい
のです。巣の環境が悪くなると一家は引っ越します。
引っ越しを始める瞬間がどのような仕組みで決まるのかを
知りたいのです。一家の中のどの蟻が決定するのか。
学究的ですねえ。

 しかし観察に没頭する余裕はありません。それをさせて
くれないアホタレどもがいいいっぱい いますからね。蟻どころか
人類の滅亡は案外と早いかもしれませんよ。
 音声の話は尽きませんがローマ字の話に戻ります。

 >  ローマ字を使って日本語を書くのは、第一に外国人のためですから、彼らに発
> 音がわかるようにしてやったほうがいいでしょう。 文部省が訓令式を奨励して
> 学校でそれを教えても、一般にはヘボン式が親しまれているのは、そういう理由
> によると思います。でなかったら、誰もわざわざ 字を変えたくはないですよ。

 つまり萩谷さんは、「ローマ字は英米豪人や英語を使える
外国人の為にあるのだから日本人はヘボン式ローマ字を
使うべきである」 とお考えなのですね。私は、そうは全く
思いません。
 各国がローマ字ことラテンアルファベットを使っています。
しかし英語の発音に合わせて用いている国がありますか。
例えば中国では C は 「つ」 に近い。英語に合わせるなら
「く」 か 「す」 に似ているはずです。A は 「あ」 だけどEは
「え」 とは全く違います、 「う」 か 「あ」。 さらに X は 「し」 に近い。
 タイ国は英語で Thailand です。皆さんご存じの通り英語の
th は上の歯と下の歯の間から舌の先を少し覗かせます。
舌先を噛むと大げさすぎる。で、タイのローマ字の TH は、
英語の th ではなく t に近い。
 フランスやドイツはなおさら英語に媚びを売らないでしょう。
パン屋さんの Francois は英語読みならフランコイス?
 バッハの Bach はバッチ? バック?
ショパンの Chopin はチョピン。
 英語教の信者は世界広しと言えどひょっとしたら日本人
だけじゃないかと私は恐れています。
 さらにベトナムでの例を調べようとしていたらちょうどよい
ページに行き当たりました。 「Ken Mizunoのタバコのけむり?」 
というぺーじです。そこにこう書いてあります。

【一方、アメリカ人だったヘボンさん (ヘップバーンさん)は、/ti/ と
 /tu/ だけが子音が異なり、英語の音素系では異なるものだと
みなした。だから それを chi, tsu と書けと決めた。しかし
「ローマ字」というのは、しばしば誤解されるのだが、
「音声表記」ではない (疑問のある方は、中国語のピンインや
ベトナム語の現代表記をどうぞ)。「ローマ字」は 「文字」である;
 従って、音素表記でも音声表記でもない。ローマ字はその
意味で、その中間で揺れ動く存在である。それを承知の上で、
あえて 「音韻表記」に近いものを採用するのが 「訓令式」である。】
http://www.han-lab.gr.jp/~mizuno/cgi-bin/tabacco/hrtell.cgi?0212-2

 あいうえお表は結構 昔からあったみたいです。現物の写真は
探していません。ヘボンさんは あいうえお表を見たのでしょうか。
もし見た上でなお英語の発音に合わせたのなら、私は自国の
文化を勝手にいじられたみたいで嫌ですよ。
 外国を支配するにはまず言葉から。そして宗教? その
例は朝鮮半島と沖縄にありましたよ。
 日本がアメリカから独立する上で英語の呪縛から抜け
出ることが重要であると私は思います。安易な猿まね
カタカナ言葉とヘボン式ローマ字をまず私は追放したい。
一人でも多くの人に日本式ローマ字を使って頂きたく願う
次第です。個人の自由ではありますけど。
 臥薪嘗胆という言葉があります。この国はアメリカの属国で
あることを忘れないでおきましょうよ。佐藤さんがご紹介くだ
さったこの動画を広めたい。
一日本人の体験。
http://www.youtube.com/watch?v=Wn0blcET8V8

 それから、たまに投稿なさる池田香代子さんのこのページの一枚の写真。
http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51424388.html 
「少女轢殺」 です。 この写真を電網で捜しましたが見つかりま
せんでした。ここでしか見られないようです。これは嬉野 京子さんの
有名な写真だそうですが、実際には知っている人は少ないですよ。
特に若い人たちには。   田口


----- Original Message ----- 
>  田口さん、コメントありがとうございます。萩谷です。 
>
>  私は音声学の勉強を大学でやったとかではありませんが、そういう研究者から
> 手ほどきは受けています。
>  以来長いこと、その人の言っていることも、理論の枠にしばられて、真実とは
> ずれているとか
> 音声学者の書く文章は誰も読みたがらない、もっと読みやすく、面白く書けそう
> なもんだ、とか、そんなことを考え続けています。
>
>  ヘボンさんと田口さんの耳がどっちがいいのでしょう。
>
>  基本的に、私は、かくかくしかじかの聞こえ方がする、というのには必ず理由
> があると思っています。
>
>  なかには、ほんとに耳の悪い人もいるでしょうけど、だいたいの場合はそんな
> ことを考えるより、その人なりの聞こえ 方をよく考えてみると、面白いです。
>
>  ヘボンさんは英米人だから英語流の聞こえ方をし、田口さんは日本語流でしょう
>
>  rとlの発音はできるが、聞き分けがむずかしい、まったくおっしゃる通りです。 
> 
>
>  英語はとくにそうです。フランス語やドイツ語や中国語なら、もっと易しいで
> すが、それでも間違えることはあります。
>
>  rは、舌を硬口蓋(口の天井)に向かって巻き上げて、唇を突き出し、音をく
> ぐもらせます。
>  唇が突き出るのと対称的に、舌先も、日本語のラ行音よりやや深いところに向
> かって立てます。そのようにすると音が明確になります。英米人などの 喋ると
> ころを見ていると、これはよくわかります。
>
>  l は、舌先を前歯につけて、舌の両脇から、ウというような声を出し、唇は
> 突き出しません。
>
>  tableなど、語尾のl なら、舌の付け根に近い方が盛り上がるので(なぜかわ
> かりませんが)、オに似た暗い音になりますから、テイボーとき こえ ます。イ
> ンクレディボー、ビューティフォー、アンタッチャボーなど、皆同じ。
>
>  rでは唇をとがらせるため、子どもは器用ではないから上下の唇がくっついて
> しまい、RobertをBobertと言ってしまい、ついにBobと なります。それくらい、
> 唇の突き出しは大事です。ただし、アクセントのないところでは、そんなにハッ
> キリ唇を動かしません。また、writeや wrongで、wを発音しないのは、rにす
> でにそれが含まれているからです。
>
>  というふうに知っておくと、多少聞き分けに役立つとはいうものの、日本語で
> 植え付けられた、ラ行音は1種類という観念というより感覚は案外根強 くて、
> 両方の音をちゃんと区別できても、実際の会話のなかでは聞き間 違うことはあ
> ります。知っている言葉は聞き間違いません。それだけです。
>  それでも、発音は正確にやったほうが、聞く側のためにはいいことです。
>
>  韓国語の子音の発音はよく知らないですけれども、濃音とか激音とかいうのが
> あるとは読みかじりました。ちがったかな?
>  すごく魅力的な響きをもった言葉で、詩人の朗読を聞いたらドイツ語みたいで
> した。中国語や韓国語の響きはヨーロッパ大陸の言語に似てい ます。
>
>  ヘボンさんたちには、ha hi などと フの違いが際立って聞こえたにちがいあ
> りません。
>
>  焼き芋を吹いているときは、唇の音でフッフッフと言いますが、走った後で息
> 切れした人は、上昇した体温を逃がしたいから、口 をあけ、喉のほうでフッ
> フッフといいますね。ハッハッハですか。とにかく、両者のちがいははっきりし
> ています。
>
>  富士山を、hujisanとfujisanの両方で発音できるか、やってみると、日本人な
> ら、fujisanならできるでしょうが、 hujisanと言うのはむずかしい人が多いは
> ずです。
>
>  で、fuは唇性があるから、多くの外国人には日本語のフに近くきこえるでしょう。 
> 
>
>
>
>  おっしゃるように、位置が問題になってきます。それは舌の位置です。それと
> その構えや動きです。
>  一致は無理だから、位置の近いものを、ということで。
>
>  フは口の一番前です。 fu も大体そんなところ。 huは、奥の方です。それ以
> 上奥は、アラビア語か中国語でないと使いません。アラビア語と中国語は、口の
> 前のほうか、中程か、奥かという違いに注意すれ ば、一般に言われるよりは発
> 音がわかるはずです。
>
>  それと、フとfuには、唇が関与するという共通点があります。ヘボンはこれに
> 着眼するのです。それが英語などを喋る人たちの感覚でしょう。
>
>  一方、日本人の感覚ではfは異質ですから、使いたくないのではないでしょう
> か。なにしろ、そんな音は元来 日本語にはないですから。
>
>  ぞ、と、じょ、で思い出しますが、九州出身の知人は、全然を、じぇんじぇ
> ん、と言っていましたが、韓国人もそう言います。我らが民族ということ を、
> ウリミンジョクなんて言いまして、ミンジョクってのは民族なんですね。
>
>  foodとhoodには、英国式と米国式で差はないと思います(微々たる個人差はあ
> るでしょうが、それは、たとえばアメリカ国内で複数の人に やっ てもらって
> も、似たようなもんでしょう)。
>
>  それと、アメリカ英語とかイギリス英語というのが確固としてあるわけではあ
> りません。今どきの辞書は両者の区別を明瞭にしすぎの感があります。
>  どちらにも地方差や、階層の差がありますから。私にはそういう細かい区別は
> できませんけれども、辞書に書いてあるようにいかにも明快な違いがあ るとい
> うのは、信用しないほうがいいです。
>
>  ローマ字を使って日本語を書くのは、第一に外国人のためですから、彼らに発
> 音がわかるようにしてやったほうがいいでしょう。 文部省が訓令式を奨励して
> 学校でそれを教えても、一般にはヘボン式が親しまれているのは、そういう理由
> によると思います。でなかったら、誰もわざわざ 字を変えたくはないですよ。



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