[CML 005484] 韓国併合首相談話に謝り損を考える愚(上)

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 9月 3日 (金) 08:23:40 JST


【PJニュース 2010年9月1日】韓国併合条約が発効し、日本が朝鮮半島の植民地支配を始めてから、2010年8月29日で100年目である。日韓併合という言葉もあるが、事実は日本の帝国主義による韓国の一方的な併合であり、ネット右翼などの歴史修正主義者が美化する類の合併ではなかった。それ故に本記事では韓国併合で統一する。

韓国では過酷な植民地支配の悲劇を忘れないために8月29日を国恥記念日と位置付ける。各地で集会が開かれ、日本の侵略と植民地支配への謝罪を求めた。そこでは「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛」に「痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明」した管直人首相談話も批判対象になっている。
http://news.livedoor.com/article/detail/4980464/
http://www.pjnews.net/news/794/20100831_3
抗日・独立運動の推進者や遺族らで構成される光復会主催の集会では以下内容の決議文が読み上げられた。

「首相の欺瞞的な謝罪ではなく、日王(天皇)が植民地支配の犠牲者と被害者の前で率直かつ具体的に謝罪することを求める」

菅談話では以下のように植民地支配の実態を率直に認める。これは侵略を美化する歴史修正主義者たちとは一線を画していることの表明になる。

「三・一独立運動など激しい抵抗にも示された通り、政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられました」

その上で菅談話は以下の2点の認識に立脚して謝罪する。

「歴史の事実を直視する勇気とそれを受け止める謙虚さを持ち、自らの過ちを省みることに率直でありたい」

「痛みを与えた側は忘れやすく、与えられた側はそれを容易に忘れることはできない」

最初の歴史の直視は侵略国として当然持たなければならない認識である。戦後50周年の終戦記念日に発表された村山談話でも、歴史の事実を謙虚に受け止めるとする。最も有名な言葉はドイツ大統領の以下の演説である。

「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危機に陥りやすいのです。」(ヴァイツゼッカー『荒れ野の40年』岩波書店、1986年、16頁)

次の加害者側は忘れやすく、被害者側は容易に忘れないという点は村山談話にはない視点である。被害者の思いに近づこうとする点で感動的である。以下に指摘される日本人の欠点を克服しようとするものと評価できる。

「自国・自国民が他国・他民族が受けた痛みはいつまでも覚えているが、他国・他国民に対して与えた痛みは忘れてしまう」(佐藤優『国家の罠』新潮社、2005年、119頁)。【つづく】
(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)




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