[CML 006246] 「劣化ウラン兵器使用に関する情報公開」を求める新決議、国連第一委員会で採択(10/29)

Kazashi nkazashi at gmail.com
2010年 10月 30日 (土) 14:11:55 JST


[転送、転載歓迎。重複受信された方、ご容赦下さ 
い。]

「劣化ウラン兵器使用に関する情報公開」を求める 
新決議、国連第一委員会で採択

                        
   2010年10月30日

 10月29日、ニューヨークで開催中の国連総会第一 
委員会(軍縮・国際安全保障関連)において、新た 
な国連決議「劣化ウランを含む武器・砲弾の使用に 
よる影響」が、前回(2008年)を上回る賛成多数で採択 
されました。賛成136カ国(2008年は127カ国)、棄権28 
カ国、反対4カ国でした。反対した4カ国は、前回 
同様に、劣化ウラン兵器を戦闘で使用したことのあ 
るアメリカ、イギリス、そして同兵器を所有してい 
るフランス、イスラエルです。日本は2007、2008年に 
引続き、今回も賛成票を投じました。

 今回の「劣化ウラン国連決議」では、今までに同 
兵器を戦闘で使用した国に対して、使用地域と使用 
量をできる限り詳細に、要請があれば、影響を受け 
た国に報告するように求めるなど、これまでの決議 
から大きく前進した内容が盛り込まれています(主 
文第6項)。米軍は2003年のイラク戦争などで使用 
した劣化ウラン兵器の使用地域・量を未だに一切明 
らかにしていませんので、こうした情報公開は、被 
害調査や被害者支援を進めるためにも重要です。 
ICBUWが決議に入れるよう求めてきた「予防原則に基 
づいた劣化ウラン兵器使用中止」などは、残念なが 
ら今回の決議には含まれませんでした。しかし「使 
用地域・量などの情報公開」が盛り込まれたこと 
は、今年ICBUW調査団が行ったバルカン諸国調査や、 
イラクのバスラでの疫学調査支援などの活動をもと 
に、具体的な「情報公開」の重要性を、国際的にも 
国内的にも訴え続けた私たちNGOの活動の成果と言っ 
てよいかと思われます。

 同決議は、これまでの二回の決議(2007、2008年)と 
同じく「非同盟運動」(NAM)諸国全体の一致した案と 
して、NAMを代表してインドネシアによって提出され 
ました(下記暫定訳参照)。第一委員会での採択の 
後、12月初めに国連総会(全体会議)でも採決が 
なされる予定です。ICBUWは第一委員会で棄権した 
国々に対し、国連総会(全体会議)では賛成票を投 
じるよう引続き呼びかけを続けています。
 今回の採決では、米英と軍事的同盟関係にある 
NATO諸国でも、オーストリア、ドイツ、フィンラン 
ド、アイスランド、イタリア、ノルウェー、オラン 
ダが前回同様に賛成票を投じたのに加え、前回2008 
年には棄権したベルギー、ギリシャ、ルクセンブル 
グ、スロベニアも賛成に転じました。劣化ウラン兵 
器をめぐる立場の違いによる、NATO加盟諸国間での 
亀裂がより深まったといえます。また、ボスニア・ 
ヘルツェゴビナ、マルタも、2008年には棄権しまし 
たが、今回賛成に転じました。このような欧州諸国 
の動きの背景には、ベルギー、ドイツ、オランダを 
はじめとする国々でのICBUWの活動や欧州議会への働 
きかけなど、この2年間に展開された欧州でのキャ 
ンペーンがあります。

 前決議より大きく一歩前進した内容を含む新決議 
に、日本政府が引続き賛成票を投じたことを私たち 
は心から歓迎します。「国連総会に向けた日本政府 
への要請」にご協力下さった全国の皆さん、ありが 
とうございます。政府に対しては、同兵器の国際的 
禁止と被害者支援に向け、より積極的な政策に取り 
組むよう、引続き働きかけを強めたいと思います。
 11月に各地で予定されている「ウラン兵器禁止 
国際共同行動デー」の取組みの中でも、新たな国連 
決議が、より多くの国々の支持を得て採択されたこ 
とを広く人々に知らせましょう。世界の人々の力 
で、「ウラン兵器の禁止」に向けて着実に前進して 
いることを確認し合いたいと思います。ウラン兵器 
の危険性、非人道性を、さらに多くの人々に訴え、 
禁止への動きを加速させましょう。

「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW運営委 
員):
  嘉指信雄、森瀧春子、振津かつみ

  http://icbuw-hiroshima.org/
         『ウラン兵器なき世界をめざして—ICBUWの挑 
戦—』
   (合同出版、2008/第14回平和・協同ジャーナ 
リスト基金奨励賞受賞)

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国連第一委員会[軍縮および安全保障関係]への決 
議案(日本語仮訳)

2010年10月13日
原文:英語

第65回セッション
第一委員会
議題項目97(d)
一般的・完全な軍縮:劣化ウランを含む兵器・砲弾 
の使用による影響
[インドネシア*]: 決議案

劣化ウランを含む兵器・砲弾の使用による影響

国連総会は、
国連憲章に明記された諸目的と諸原則および国際人 
道法に従い
2007年12月5日の決議62/30及び2008年12月2日の 
決議63/54を想起し、
武器規制と軍縮に関する交渉を前進させるのに不可 
欠な手段としての多国間協調主義を促進すべく決意し
決議62/30及び63/54に従って事務総長が提出した報告 
書に反映されている、劣化ウランを含む武器・砲弾 
の使用による影響に関して、加盟国及び関連国際機 
関が表明した意見を考慮し、
劣化ウラン残留物による地域汚染が、人体や環境へ 
及ぼす潜在的な危険を緩和するために、国際原子力 
機関、国連環境計画及び、世界保健機構が行った勧 
告を、必要に応じて、実行することの重要性を認識 
し、
関連国際機関がこれまで行った調査では、劣化ウラ 
ンを含む兵器・砲弾の使用が人体や環境に及ぼす潜 
在的な長期的影響の深刻さに関する、充分に詳細な 
評価は得られてはいないことを考慮し、
人類は、環境を保護するため直接的手段を取る必要 
をより強く認識しているが故に、そうした努力を脅 
かす事柄に対しては、いかなるものであっても、必 
要な措置を速やかに講じる必要があると確信し
劣化ウランを含む武器・砲弾の使用が人体や環境に 
及ぼす、潜在的に有害な影響を考慮に入れつつ

1. 決議63/54に従って事務総長に見解を提出した加盟 
国、及び国際機関に対する感謝を表明し

2. 加盟国と国際機関に対し、とりわけ、まだそれを 
行っていない国には、事務総長に、劣化ウランを含 
む武器・砲弾の使用による影響に関する見解を伝え 
るように求め、

3.事務総長が、関連国際機関に対し、劣化ウランを 
含む武器・砲弾の使用が人体や環境に及ぼす影響に 
関する研究と調査を、必要に応じて、更新し完成す 
ることを求めるよう要請し

4. 加盟国、とりわけ影響を受けた国々に、必要に応 
じて、上記第3パラグラフで言及されている研究と 
調査を促進するよう奨励し、

5. また、加盟国が、上記第3パラグラフで言及され 
ている研究と調査の発展を、しっかりと注視するこ 
とを奨励し、

6. 劣化ウランを含む兵器・砲弾を武力紛争において 
使用した加盟国は、影響を受けた国々の関連当局に 
対し、要請があれば、使用地域の場所と使用量に関 
する出来る限り詳細な情報を、そうした地域の評価 
を促進する目的で、提供するように求め、

7. 事務総長に対し、加盟国と関連国際機関が提供す 
る情報を反映し、上記第2、3パラグラフに従って 
提出されたものも含めて、本件に関する新たな報告 
書を、第65回総会において提出することを要請し

8. 第67回国連総会の暫定的議題に、「劣化ウランを 
含む武器・砲弾の使用の影響」と題された項目を含 
めることを決議する。

* 国連「非同盟運動諸国」のメンバーである国連 
加盟国を代表して。

            [仮訳:振津かつみ/嘉 
指信雄]


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