[CML 006062] マザー・テレサから学ぶ事

donko at ac.csf.ne.jp donko at ac.csf.ne.jp
2010年 10月 21日 (木) 02:23:29 JST


 坂井貴司です。
 転送・転載歓迎。
 
 2010年は、日韓併合100年、大逆事件から100年、レフ・トルストイ没後
100年と、100年記念年が目白押しですけれど、もう一つの100周年記念があり
ます。
 
 インド・コルカタ市(旧名カルカッタ)を拠点に、世界各地で貧困や身体障害、
疎外に苦しむ多くの人々の救済に人生を捧げたカトリック教会の修道女、マザー
・テレサ(本名はアグネス・ゴンジャ・ボヤジュ 1910年〜1997年)の生誕100年
です。
 
 現在のマケドニア(当時はオスマン・トルコ帝国領)のスコピエで、カトリッ
ク教徒のアルバニア人として生まれたマザー・テレサは、イスラーム教、セルビ
ア正教、ギリシア正教、ユダヤ教、そして、アルバニア人、マケドニア人、セル
ビア人、ユダヤ人、ギリシア人、トルコ人などが隣り合って暮らす多民族・多宗
教の環境の中で育ちました。
 
 家は裕福でした。しかし、建設会社を経営していた父は38歳の若さで急死した
ため、貧困層に転落しました。そして、ロレート修道会に入り、修道女として神
につかることになりました。
 
 やがてインド・コルカタ市に派遣され、富裕層の子女が通う女学校の教師にな
りました。そして、避暑地であるダージリンへ向かう登山列車の車内で、「最も
貧しい人の間で働くように」という「掲示」を受けたとして、女学校を出て、ス
ラム街での活動を決心しました。
 
 それから死去するまで、マザー・テレサは休むことなく貧困や飢え、病気、障
害、疎外に苦しむ、最も貧しく、最も悲惨な状況に置かれ、行政からも、政治組
織からも、そして地域社会からも見捨てられた人々の救済に尽力しまし。活動を
するため、苦労の末「神の愛の宣教者教会」を組織しました。その活動は多くの
書物やドキュメンタリー映画に描かれています。
 
 福岡市にあるKBCシネマでは10月9日から22日まで「マザー・テレサ映画祭」
が開催され、彼女の姿と活動をとらえたドキュメンタリー映画を上映しています。
 
 マザーテレサ映画祭
 http://www.motherteresa.co.jp/
 
 私は10月20日に上映された
 
 「母なる事の由来」(1986年)と「マザー・テレサと生きる」(2009年)を見
ました。
 
 その2本の映画は、感動的でしたけれど、それ以上に感じたのは、反戦平和や労
働運動などの市民運動をする者にとって、マザー・テレサから学ぶことがたくさ
んあることです。
 
 マザー・テレサは有言実行の人でした。自分が言ったことを必ず実行しました。
 自分の手で貧しい人々の服を洗い、垢と汚物で汚れた体を拭き清め、食事を与
え続けました。笑顔を絶やさず、励まし続けました。
 100万の言葉よりも、1つの行動を実践し続けました。だから多くの人々がマザー
・テレサの元へ行き、活動したのです。  

 市民運動に少し関わるようになった私は、有言実行がいかに難しいことかわか
ります。「言うは易く、行うは難し」が身にしみてわかります。行動しないと人々
は付いてこないこともわかります。
 
 彼女の姿を見て感動し、多くの人々が援助を申し出ます。彼女はそれを喜んで
受け入れました。「くる者は拒まず、去る者は追わず」です。しかし、カネだけ
の援助は拒否しました。
 
 「母なる事の由来」でこんな場面がありました。

 マザー・テレサの活動の感銘を受けたあるカメラマンが、人々から募金を募っ
て資金援助ををしたいと申し出ます。彼女はそれを拒み、こう言います。
 
 「私の名前でお金を集めることは禁止しています。貧しい人々を助けたいと思
うならば、あなた自身が動きなさい」
 
 自分の体を動かして活動をしなさい、と言うのです。これは相当な覚悟を求め
られます。
 
 マザー・テレサは、早くから「豊かな」先進国に隠された貧困に目を向けてい
ました。アメリカに「神の愛の宣教者教会」支部を設置したとき、ほとんどの人
が驚きました。
 
 「世界一豊かな国で、貧しい人々を救う? 第一、貧しい人がアメリカにいる
のですか?」

と。
 
 その問いにマザー・テレサは
 
 「愛に飢え、見捨てられた人々がたくさんいます」
 
 と答えました。
 
 活動を始めると、予想以上の貧困に人々は驚かされました。コルカタほどあか
らさまではなくとも、隠された貧困と飢餓、疎外が存在していたのです。同じ事
は支部を置いて活動を始めた西欧や日本でもありました。彼女は貧困は先進国で
も存在することを世界に知らせました。「自分の国にカルカッタがあることを知
ってください」と言い続けました。
 
 ノーベル平和賞を受賞するなど、晩年は有名人になったマザー・テレサですけ
れど、彼女の活動は言葉にはできないほどの困難にあふれていました。それを彼
女は底なしの楽天主義で乗り越えました。「母なる事の由来」の中でほほえみな
がら言います。
 
 「最後は何とかなるものです」
 
これは市民運動を行う点で最も重要なことではないかと思います。

 なお、次に見た「マザー・テレサと生きる」では、来日したマザー・テレサが、
東京・山谷と大阪・釜ヶ崎などの寄せ場に強い関心を抱いて訪問し、見捨てられ
た日雇い労働者やホームレスの状況に心を痛め、活動を行うことを決めたことを
記しています。
 
 活動家として、オルガナイザーとしてのマザー・テレサから学ぶことはたくさ
んあります。
 
坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
======================================
「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
『伝送便』
http://densobin.ubin-net.jp/
私も編集委員をしています(^^;)
定期購読をお願いします!
 


CML メーリングリストの案内