[CML 005913] 尖閣諸島も竹島も日本領と胸を晴れるのか(下)

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 10月 10日 (日) 13:57:01 JST


【PJニュース 2010年10月10日】第二に日本政府が尖閣諸島や竹島を編入した時期である。尖閣諸島が編入された1895年1月14日は日清戦争中である。竹島が編入された1905年1月28日は日露戦争中で、大韓帝国は日本軍に占領されていた。中国や韓国から見れば軍事力を背景にした帝国主義的な侵略に他ならない。

実際、尖閣諸島後の日本は台湾を植民地化し、その後も中国への侵略を続けていく。竹島編入後の日本も第二次日韓協約を押し付け、1910年には韓国全土を植民地とした。歴史的に見れば、尖閣諸島や竹島の編入は中国や韓国への侵略・植民地支配の第一歩であった。

このような論調は日本社会でまれである。その点が過去を反省した平和国家として日本がアジアから信頼されない一因である。尖閣諸島と竹島の編入経緯が同一であることは、中国と韓国は同じ論理で日本に対抗できるということを意味する。日本が領有権問題に固執するならば孤立する危険もある。

反戦平和意識の高い沖縄県でも尖閣問題では強硬である。沖縄県議会は2010年9月28日に「尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議」を可決した。日本政府宛ての決議では「尖閣諸島および周辺海域が我が国固有の領土および領海であるという毅然たる態度を堅持し、中国政府をはじめ諸外国に示すこと」を要求する。中国政府宛ての決議では以下のように要請した。

「本県議会は、尖閣諸島および周辺海域における今回の領海侵犯に抗議するとともに、貴国におかれては、日本国固有の領土および領海である尖閣諸島および周辺海域に対し、今後このような領海侵犯事件を起こさぬよう慎重かつ冷静な対応と細心の注意を払うことを強く要請する。」
http://news.livedoor.com/article/detail/5063935/
http://www.pjnews.net/news/794/20101008_3
沖縄県の強硬姿勢の背景には、尖閣諸島沖の漁業で生計を立てているという県民の生活問題がある。日本政府宛ての決議で以下のように述べられている通りである。

「安全な航行が阻害されることが懸念され、県民は不安を感じている。」

生活が絡むとなると容易に譲歩できなくなるが、だからと言ってナショナリスティックな論調に同調するならば「反戦平和意識の島」の名折れである。現状の生活利益は重要な要素であるが、現状維持の思想であって、それ自体は正義とは限らない。もし現状の生活利益を重視するならば、竹島沖の漁業で生計を立てている韓国漁民や北方領土に居住するロシア人の生活利益も尊重しなければならなくなる。

この点は特に竹島問題で想像力を働かせる必要がある。外務省ウェブサイトの「竹島問題」によると、竹島と隠岐の距離は約157kmもある。これに対し、竹島と鬱陵島(ウルルンド)の距離は約92kmであり、韓国の方が圧倒的に近い。鬱陵島から肉眼で見えるほどである。

国境線は地理だけでは決まらないために決定的ではないが、地理的には韓国領とすることが自然である。より重要な点は竹島が日本領にならば、鬱陵島の漁民にとって死活問題になる。現状の生活利益を重視するならば、この程度は考える必要がある。それがないならば、日本人は「被害者意識だけは豊富」と言われ続ける。

結局のところ2つの価値観の相違である。第一に「正義も公正も知ったことではない。国際法を都合よく利用して国益だけを押し通せばいい」という考え方である。第二に日本国憲法前文の「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」の思想である。領土問題になると右も左も前者ばかりという状況は平和国家として寂しいものがある。【了】



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