[CML 006722] 延坪島砲撃事件による朝鮮学校無償化停止の不当(中)林田力

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 11月 29日 (月) 09:20:42 JST


【PJニュース 2010年11月29日】菅氏は民主党のトロイカ体制を支えた鳩山由紀夫氏や小沢一郎氏と異なり、対米従属路線に挑戦する姿勢も見せていない。「最低でも県外」と発言していた鳩山氏が米軍普天間基地の辺野古移設に変節したように、鳩山・小沢両氏の対米従属路線見直しの本気度については議論がある。しかし、菅氏からは対米従属路線見直しの意欲すら感じられない。この点で左派が民主党代表選で菅氏ではなく、小沢氏を支持したことには合理性があった(林田力「尖閣弱腰外交が管直人を救う可能性」PJニュース2010年9月29日)。
http://news.livedoor.com/article/detail/5039146/

そして菅氏は朝鮮学校の無償化停止を率先して指示することで、人権面でも市民派として看板倒れであることが露呈した。政治の場で在日外国人の人権制限が決められてしまうならば、在日外国人にとって日本の政治に参加することは死活問題になる。もともと外国人参政権は必ずしも在日外国人の総意ではなかった。

在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は外国人参政権に明確に反対する。朝鮮総連の反対は外国人参政権反対派に都合よく利用される傾向にあるが、実態は複雑である。朝鮮総連は日本社会の差別によって民族的尊厳が損なわれている実態を問題視する。日本国民の延長線上にある参政権よりも、教育や生活・企業活動などで民族的な権利の確立を優先する。

しかし、政治の場において在日コリアンへの差別がまかり通るならば、民族的権利を守るためにも外国人参政権が必要という議論が生じる可能性がある。この点は、在日コリアン弁護士協会『裁判の中の在日コリアン』(現代人文社、2008年)という書籍が象徴的である。

本書は在日コリアンを当事者とした裁判や事件をまとめたものである。在日コリアンは在日韓国・朝鮮人とも呼ばれるが、この記事では本書の呼称にあわせて、在日コリアンで統一する。本書は副題に「中高生の戦後史理解のために」とあるとおり、平易な言葉で分かりやすく説明しており、専門的な法的知識がなくても読み進めることができる。

本書は多くの日本人に読んで欲しいと思える一冊である。在日コリアンの問題は在日コリアンだけの問題ではない。在日コリアンの尊厳が守られていないという状況は、日本で生活する人全てにとっても人権の危機である。本書は日本に暮らす全ての人が尊厳をもって生きていけるような社会を構築するための重要なテキストになる。
http://news.livedoor.com/article/detail/5170745/
http://www.pjnews.net/news/794/20101126_3
本書で紹介された在日コリアンをめぐる裁判や事件は実に多岐に亘る。刑事事件、従軍慰安婦、BC級戦犯、サハリン残留コリアンの帰還問題、日本国籍確認訴訟、就職差別、教育権、ウトロ裁判、入居差別、ゴルフ会員権差別、指紋押捺拒否訴訟、無年金差別、管理職裁判、司法修習生、調停委員・司法委員、地方参政権である。

驚かされるのは本書の裁判や事件が現代日本の法的論点の多くをカバーしていることである。私は大学及び大学院で法律学を専攻したが、本書の判決は大学の講義で紹介されたものも少なくない。私が殊更、在日コリアンの問題に集中していたわけではない。

在日コリアンが当事者となった裁判の判決の多くが、良い内容であれ、問題のある内容であれ、司法の場では先例となっているという現実がある。在日コリアンの問題を掘り下げれば、日本の社会と歴史が見えてくるのである。副題の「戦後史理解のために」は決して誇大広告ではなく、文字どおり、在日コリアンの裁判が戦後史理解の鍵になる。
より驚かされるのは在日コリアンの抱える問題が、一般の日本人にとっても決して他人事ではないことである。在日コリアンは日本社会においてマイノリティーである。同質性の強い日本社会を当然視する日本人が在日コリアンの問題について関心が低い傾向は否めない。
林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)




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