[CML 006587] 二子玉川ライズ原告団・弁護団集会で方向性確認(下)林田力

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 11月 22日 (月) 22:06:35 JST


【PJニュース 2010年11月20日】続いて淵脇弁護士は住民訴訟の控訴理由書の内容を説明した。控訴理由書は11月11日付けで提出した。控訴理由書では冒頭で開発と住民の利益は対立するから、そこを見て欲しいと主張したという。

企業にとって再開発は利潤追求である。企業の好き勝手にさせるならば地域の自然環境は破壊され、交通量や居住人口・集客人口の増加で住環境も破壊される。これを規制することが都市計画法や都市再開発法の務めである。「再開発によって街が発展すれば周辺住民が潤う」的な幼稚なWin-Win論は虚偽である。開発事業者の利益と周辺住民の利益が対立するという本質を見失ってはならないと主張する。

その上で控訴理由書では行政と企業の関係に迫った。東急電鉄・東急不動産らの東急グループは二子玉川ライズによって通常の民間事業以上の利益を得ることが可能になった。容積規制が約2.2倍に緩和されたことで、通常は建築できない超高層ビルが可能になった。また、再開発事業には公金(補助金)が投入される。岩見良太郎教授の意見書によると、それら東急の利益は910億円になる。

一方、住民訴訟の一審判決では以下のように東急の負担に言及して住民に不利な判断を下した。
「東急電鉄等は、本件覚書等により、二子玉川公園となるべき土地の約半分を世田谷区に無償で譲渡することを約している」(林田力「二子玉川公金支出差止訴訟で住民側控訴(上)」PJニュース2010年6月7日)
http://news.livedoor.com/article/detail/4812039/

それでは東急が世田谷区に無償譲渡する土地にどれくらいの価値があるのか。控訴理由書では世田谷区作成の資料に基づき、146億円と計算する。つまり、東急は僅か146億円の負担で建築規制を変更させ、6倍以上の910億円の利益を得られるようになった。
http://news.livedoor.com/article/detail/5155995/
http://www.pjnews.net/news/794/20101120_5
加えて再開発という手法を取ることで、東急は駅前の弱小地権者の権利を駅から離れた土地の建物内に権利変換した。これを控訴理由書は「合法的に追い出し、地上げをし」と表現する。それによって駅前の土地を東急グループの独占的な商業ビル(二子玉川ライズ ショッピングセンターなど)とすることを可能にした。この点などを踏まえれば東急グループの利益は910億円をはるかに超えると主張した。

その上で控訴理由書は問題の本質を、特定の企業が一部の土地資産の提供によって、都市計画の規制を自社に有利になるように変更し、提供資産の数倍もの利益を獲得することにあるとする。「お金を出せば容積率を買える」ということはあってはならない。そこには都市計画制度を行政の腐敗の温床とする危険性があると警告した。

淵脇弁護士の説明に対し、住民から「二子玉川ライズは腐敗の典型」と同調する意見が出された。また、「世田谷区の職員が再開発組合に天下りしている」という具体例も指摘された。【了】
(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力)




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