[CML 006544] 仙谷由人官房長官の暴力装置発言は正当:林田力

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 11月 20日 (土) 17:30:17 JST


【PJニュース 2010年11月20日】仙谷由人官房長官は2010年11月18日の参議院予算委員会で、自衛隊について「暴力装置」と表現した。仙谷氏は発言直後に撤回し、「実力組織」と言い換えた上で陳謝したが、暴力装置との表現は正当である。

問題の発言は11月10日付の防衛事務次官通達「隊員の政治的中立性の確保について」への質疑でなされた。この中で仙谷氏は自衛隊を「暴力装置でもある。特段の政治的な中立性が確保されなければいけない」と答弁した。

仙谷氏は統一社会主義者同盟・社会主義学生戦線(フロント)の活動家という経歴を有する。この経歴から仙谷氏の批判者は「自衛隊を人民の敵と考えているのではないか」と受け止める傾向がある。しかし、国家の軍事組織を暴力装置と捉える思想は左翼由来のものではない。

反対に共産主義革命に懐疑的であったマックス・ウェーバーに由来する。ウェーバーは『職業としての政治』において近代主権国家を合法的な暴力行使を独占する組織と位置付けた。そこでは軍隊や警察などの物理的な強制力が暴力装置になる。この点で仙谷発言はウェーバーの主張に基づいたものであり、左翼思想に偏向したものではない。
http://news.livedoor.com/article/detail/5153450/
http://www.pjnews.net/news/794/20101119_11
ウェーバーは国家権力の本質が暴力であることを喝破した。この点で国家もヤクザも根本的には変わらない。勿論、国家とヤクザでは印象は大きく異なる。それは国家の暴力行使だけが合法と正当化されるためである。合法性の衣をまとっていても暴力は暴力である。この現実を政治に携わるものは直視しなければならないとウェーバーは主張する。

自衛隊が国民を守る組織であるのか、旧軍のように国民を犠牲にして国家権力だけを守る組織であるのかは議論すべき問題である。しかし、何を守るにせよ、暴力によって守る組織であることは変わらない。

暴力は行使者の意図や目的を超えた結果をもたらし、行使者を裏切ることさえある。自衛隊を「国民を守る組織」と決め付け、無自覚に信頼する方が政治家失格である。自衛隊を肯定する立場こそ、暴力装置としての危険性を直視する必要がある。仙谷氏は暴力装置発言によってリアリズムに立脚した政治家の見識を示した。謝罪しなければならないような発言ではない。【了】(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力)



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