[CML 006406] 「今年は派遣村を開設しないそうです」!?

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2010年 11月 10日 (水) 21:10:36 JST


「Afternoon Cafe」ブログを主宰する秋原葉月さんが今日付けで「今年は派遣村を開設しないそうです」
という記事を書かれています。

■今年は派遣村を開設しないそうです(Afternoon Cafe 2010年11月10日)
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-569.html

秋原さんは次のように書いています。

「去年公約通りに政府が初めて貧困率を調査して1年たちます。/しかし貧困問題に関してあれから何の
政策も採られず、状況は何にも変わりません。もちろん貧困率も高いままです。/せっかく貧困率を調査
しても、それを改善する政策がとられなければ何の意味もありません。/セイフティネットの張り直しや派
遣法見直しなど、貧困問題を解決する抜本的政策は全く手つかず。牛の歩みどころか、完全に停滞した
ままです。/新政権発足から1年以上たつのに、政府はこれら待ったなしの政策に何故ちっとも取りかか
ることができないのでしょう?/私にはその理由がまったくわかりません。/そんななか、今年は派遣村
開村が見送られることになったようです。/そういえば去年石原都知事が、もう派遣村なんかやらないっ
て随分不機嫌にしてましたから、それが一番の理由なのかも。」

「『大事なのは年間を通して(対策に)取り組んでいくこと。』というのはその通り正論です。従って『年間を
通して対策に取り組み効果もあがっているから、もうあらためて年末の派遣村を開く必要はなくなった』と
いうのなら話は分かります。/でもお世辞にもそうだとは言えないのに派遣村を開かないと決めたのは、
生活困窮者の意向より派遣村が大嫌いな都知事の意向を優先したから。/で、その罪滅ぼしに、年越し
前の生活支援強化を行うことにした、という印象を受けます。」

上記の「大事なのは年間を通して(対策に)取り組んでいくこと」というのは、「セーフティ・ネットワーク実現
チーム」主査の小宮山洋子厚生労働副大臣の言葉のようです。産経新聞(2010年11月9日付)によれば
小宮山副大臣は次のように語っています。「昨年は年末年始に住居の提供や就業の相談を行ってきたが、
大事なのは年間を通して(対策に)取り組んでいくこと。全力を挙げて(役所が開いている)12月28日まで
やっていく」。共同通信(同日付)によればこの部分は次のようになっています。「厚労省の小宮山洋子副
大臣は会合後の記者会見で『派遣村が必要とならないよう、(役所が開いている)12月28日まで周知に
全力を挙げる』と話した」。小宮山副大臣は「派遣村が必要とならないよう全力を挙げる」と語ってはいます
が、「今年は派遣村を開設しない」とは断言していません。左記の小宮山副大臣の言葉は次の元派遣村
村長の湯浅誠・内閣府参与の呼応します。「年末年始の対応はするとも、しないとも言えない」(朝日新聞 
10日付)。ですから、「今年は派遣村を開設しないそうです」「『派遣村』見送りへ」といってしまうは秋原さん
や産経新聞の少し早とちりのようです。もう少し様子を見てみる必要があるように思います。

しかし、秋原さんの次のご指摘はそのとおりだと思います。

「この年末支援強化も官公庁の御用納めの12/28までです。/一昨年末に年越し派遣村が開村されたの
は、年末年始は役所が休みでハロワもないのでホームレス等の生活困窮者が特にこの厳寒時期に深刻
な状況に陥る危険があったからでした。/それを思えば国や地方公共団体は12/28までで店じまいするの
ではなく、引き続き生活困窮者が寒さをしのぎ年を越せる支援を行うべきではないでしょうか。」

「派遣村は『貧困問題を可視化して、突きつける』ことに大きな役割を果たしていると思います。/貧困問
題というのは放っておけば決して人々の見えないものです。それを見えるようにしたのが派遣村です。/
しかし、もしこれをきっかけに今後派遣村が開設されない流れになってしまったら、せっかく可視化しかけ
た貧困問題が再び見えないところに一歩後退させられ、人々の意識から遠ざけられてしまうような気がし
ます。貧困問題について自民党政権並みに何もせず、派遣法改正すら遅々として進まない現政権にとっ
て、それはきっと好都合なことでしょう。日本ではまだまだ貧困問題を可視化していく必要があると私は感
じます。」

そういう意味では、湯浅さんの「年末年始の対応はするとも、しないとも言えない」という発言は少し不満で
すね。内閣府参与という立場では言いにくいこともあるのでしょうが、この不景気の嵐の中で、仮に政府一
丸となって「全力を挙げ」たとしてもお役所の都合どおりに12月28日までに貧困問題、ホームレス問題が
一挙に解決するとは常識的に考えられません。湯浅さんは先の記者会見では「仮に政府が年越し派遣村
を開設しない場合でも、これまでどおり自立生活サポートセンター・もやいをはじめとするNPOや労働組合、
ボランティアの協力によって年越し派遣村は開設する」とつけ加えるべきではなかったでしょうか? そうす
れば内閣府参与がそこまで言うのであれば、と政府をさらに突き動かす力にもなりえたのではないか、と
思うのです。

以下、少しばかり今年の年越し派遣村に関する報道のリンクを貼っておきます。

■「派遣村」見送りへ 年越し前の支援強化(産経新聞 2010年11月9日)
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/101110/wlf1011100000000-n1.htm
■失業者向け相談会、全国300地域で 年末へ向けて(朝日新聞 2010年11月10日)
http://www.asahi.com/national/update/1110/TKY201011090563.html
■“脱派遣村”へ対策強化 年末まで住居や就業の相談(共同通信 2010年11月9日)
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110901000888.html
■ワンストップ窓口、就職セミナーも=年末に向け失業者支援−政府(時事通信 2010年11月9日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010110900917
■政府、年末年始の失業者対策を強化へ(TBS News-i 2010年11月9日)
http://www.youtube.com/watch?v=ywJ9AjRExy4


東本高志@大分
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http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi



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