[CML 006300] 「尖閣」見解の一部修正&「ヤスニITT」見解

杉原浩司(Koji Sugihara) kojis at agate.plala.or.jp
2010年 11月 2日 (火) 22:46:52 JST


東京の杉原浩司です。「尖閣」問題に関する「みどりの未来運営委員会」
の見解に対する前田朗さんからのご指摘(10月21日)を受けて、検討し
た結果、以下のように見解の一部を修正し、[註]を付け加えました。
                       [転送・転載歓迎/重複失礼]

後半には内容に関連する会員からの問題提起も貼り付けていますので、
こちらもご一読いただければと思います。

【見解】
「尖閣」諸島(釣魚島)沖漁船衝突事件―― 脱「領土主義」の新構想を
<みどりの未来運営委員会 10月27日一部修正>
http://site.greens.gr.jp/article/41265440.html

              最新のこちらもご参照ください
【見解】                              ↓
より公正で公平な、よりよく生き、自然の権利に基づいた世界を提案す
る「ヤスニITT イニシアティブ」の基本理念を支持し、その実現に向けた
協力を国際社会に求めます   <みどりの未来運営委員会 11月1日>
http://site.greens.gr.jp/article/41565079.html

 ……………………………………………………………………………

■HPへの対処

・本文の「10月13日 みどりの未来運営委員会」を「10月13日みどりの
未来運営委員会(10月27日一部修正)」とし、本文の下記の箇所を以下
のように変更し、「…通ずる論理です(註)。」とする。

 --------------------------------------------------------

(原)そもそも、日本政府が領有権を正当化する「無主地先占の原則」(所
有者のいない島については最初に占有した者の支配権が認められる)は、
帝国主義列強による領土獲得と植民地支配の論理であり、アイヌなど世
界の先住民の土地を強奪した法理です。
↓
(修)そもそも、日本政府が領有権を正当化する「無主地先占の原則」(所
有者のいない島については最初に占有した者の支配権が認められる)は、
帝国主義列強による領土獲得と植民地支配を正当化する法理であり、ま
た、アイヌなど世界の先住民の土地を強奪してきた歴史にも通ずる論理
です(註)。

  ----------------------------------------------------------

[註]
 10月13日公表の文章では、「(無主地先占の原則は)・・・アイヌなど世界
の先住民の土地を強奪した法理です。」とありましたが、「日本がアイヌの
土地を強奪し、これを日本の領土であると主張したのは、日本がこの地域
をすでに『支配』していたという理由からであり、『無主地先占の原則』とは
違うのではないか」という旨の指摘がありました。
 確かに明治政府は、アイヌの土地について「すでに日本が支配」している
などとして、対外的に「無主地先占」論を持ち出してはいないようです。しか
し、江戸幕府からアイヌ支配を引き継いだ明治政府は、アイヌ民族の土地
を「持ち主なき土地」(=「無主の土地」)として強奪し、国有化し、さらにこ
れを民間へ売り払うなどしたばかりか、ロシアとの交渉においては、この土
地を勝手に分割し、取り引きしたりしました。
 北海道ウタリ協会(現在北海道アイヌ協会)が1984年5月に総会で決議し
た「アイヌ民族に関する法律案」においても、こうした政策の不当性を強く
訴えています。 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8729/ainu.html
 「無主地先占」の法理は、「持ち主なき土地」を当事者との交渉なく強奪
してきた近代国家の論理が基礎にあり、その意味ではこれとアイヌ民族な
どの土地強奪の歴史には通ずるものがあると考えます。しかしながら、10
月13日公表の文章のままでは正確さに欠けるため、今回示した通りの表
現に修正しました(10月27日)。

-----------------------------------------------------------

【参考】 「みどりの未来」会員からの意見とメモ

 私は、アイヌの土地強奪には「無主先占」の法理が用いられたと認識し
ています。
 明治国家がアジアへの侵略を開始する過程と並行して、アイヌと琉球を
国内植民地化していったのですが、北海道ウタリ協会(現在北海道アイヌ
協会)が1984年5月に総会で決めた「アイヌ民族に関する法律案」では、
法制定が必要な理由のなかで「近代的統一国家への第一歩を踏み出し
た日本政府は、先住民であるアイヌとの間になんの交渉もなくアイヌモシ
リ全土を持ち主なき土地として一方的に組み入れ、また帝政ロシアとの
間に千島・樺太交換条約を締結して樺太および北千島のアイヌの安住
の土地を強制的に棄てさせた」という指摘があります。そもそも土地は誰
のものでもないという考え方で私的所有権を設定しなかった先住民の土
地を、「持ち主なき土地」(無所有地)であるとして強奪するのが無主「先
占」の法理の核心です。アイヌ民族の人びとが「持ち主なき土地」という
論理で、土地を日本国家に奪われたと認識していることが、大事な点だ
と思います。

1 アイヌの土地の強奪については、たしかに、江戸幕府と松前藩による
侵略と支配との連続性と区別(明治政府による新しい支配の特徴)が問
題になります。明治政府による支配は、アイヌが共同使用していた土地
を「無主地(持ち主なき土地)」として接収したこと(国有地化)したことに
あると思います。つまり、近代に固有の土地所有権や国家の論理が用
いられたということでしょう。

2 前田さんが言われるように、「先占の法理」は国際法上の論理ですか
ら、すでに日本国家の「領域」として支配していた北海道(蝦夷地)のアイ
ヌの土地を奪うのに、明治政府がこの法理を公式に持ち出す必要はな
かったし、持ちだしていません。「先占の法理」は、千島・樺太交換条約
に際してロシア側が持ちだしたものです。

3 問題の核心は、明治国家がアイヌ民族を「国内植民地」として支配し
たときに、その土地を「持ち主なき土地」として強奪したことにあると思い
ます。すなわち、国際法上の「先占の法理」を形式的に使っていないとし
ても、その核心にある「持ち主なき土地」の支配は正当であるという論理
を使っていると言えます。「先占の法理」は領土画定=領土拡大(植民
地獲得)と不可分の論理ですが、「先占の法理」を批判するためには「国
内植民地」化にも通底する土地強奪の論理を浮かび上がらせる必要性
があるというのが、私の主張したいことです。

4 「先占の法理」と「無主地」獲得の論理、領土画定・拡大(植民地獲得)
と国内植民地化との関係を、歴史的な過程に即して整理する必要があ
ると思います。




CML メーリングリストの案内