[CML 004212] 多摩川暫定堤防土のう工事に住民抗議=東京・世田谷

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 5月 23日 (日) 14:36:13 JST


東京都世田谷区玉川1丁目の二子玉川南地区多摩川暫定堤防工事(二子玉川下築堤工事)では土のう積み工事が始まり、抗議を続ける住民らとの攻防戦は新たな局面を迎えた。5月22日には土曜日であるにもかかわらず、午前7時半から工事を開始し、住民感情を逆撫でした。

多摩川暫定堤防工事は二子玉川南地区に暫定堤防を建設する国土交通省の工事であるが、堤防の過大、自然や景観の破壊、治安悪化、内水氾濫の危険などを理由に住民らは「二子玉川の環境と安全を考える会」を結成し、反対運動が起きている(林田力「多摩川暫定堤防は連休中も工事強行=東京・世田谷(上)」PJニュース2010年5月6日)。「せたがや百景」にも選定された松林などは伐採されてしまったが、住民らは残された樹木を守ろうとしている。
http://news.livedoor.com/article/detail/4784823/
http://www.pjnews.net/news/794/20100522_7
土のうの積み上げ場所は住民らが守ろうとしている桜の木や旧玉川一丁目河川広場よりも川岸に近く、既に工事用に除草されてしまった場所である。それ故に桜の木の伐採などに比べると、施工者側にとっては工事しやすく、住民側にとっては抗議しにくい場所ではある。しかし、土のう積み工事は住民側にとって看過できない問題がある。本記事では2点指摘する。

第1に土のうの積み上げにより、二子玉川南地区から多摩川への眺めが遮られてしまう。既に堤防建設によって二子玉川南地区の多くの場所で住民が長年親しんできた多摩川への視界が遮られているが、土のう工事は残された場所からの眺めも奪うものである。

第2に土のう工事は堤防建設を早く進めるためのものでしかなく、住民のことを官上げたものではない。多摩川は6月から増水期に入り、そのままでは工事ができない。ところが、土のうを積むことで、増水期でも工事を進めようとする。

現在は価値観の転換期にある。これまでの日本で開発優先の発想によって無駄な公共事業が行われてきたことを総論で否定する人はいない。しかし、「コンクリートから人へ」をキャッチフレーズに歴史的な政権交代を果たした現在でも、利権などのしがらみから無駄な公共事業が検証されないまま進められている状態である。鳩山政権の力不足の面もあるが、価値観の転換は一朝一夕に変わるものではない。それ故に過去の基準で正しいと判断した内容も時間をかけて慎重に検証し直すことが必要である。

ところが国土交通省の姿勢は正反対である。通常は行わない増水期にも工事を進めようとする。ここには新時代の価値観では耐えられない工事であることが分かっているために、一日も早く工事を完成させ、「できたものは仕方がない」で逃げ切ろうとする目論見が透けて見える。

また、住民の抗議に対する工事関係者の反論も「やれと言われたからやっている」というもので、自らの仕事に対する責任感も価値認識も誇りも感じられなかった。この発注者(国土交通省)にして、この施工者ありである。この場所に今後も住み続ける住民の真剣さとは比べようもなかった。【了】

林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
http://hayariki.weebly.com/
http://www51.tok2.com/home/hayariki/
市民メディアHAYARIKI
http://hayariki-d2.r-cms.jp/



CML メーリングリストの案内