[CML 004125] 鳩山内閣の19%〜21%の内閣支持率はどういう声に支えられているか 共産党の支持率はなにゆえに3.3%程度どまりなのか

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2010年 5月 16日 (日) 22:46:43 JST


鳩山内閣の支持率と民主党の政党支持率が急落を続けています。

ANN(テレビ朝日)の5月度世論調査(調査日:5月8、9日)では鳩山内閣の支持率は20.5%(前月
比8%減)、不支持率は63.5% (同8.1%増)。NHKの5月度世論調査(調査日:5月7〜9日)では同
支持率は21%(同11%減)、不支持率は68%(同12%増)。時事通信の5月度世論調査(調査日:
5月7〜10日)では同支持率は19.1%(同4.6%減)で昨年9月の政権発足以来初めて2割を切りま
した。不支持率は64.1%(同7.6%増)。

民主党の政党支持率はANN(テレビ朝日)の調査では24.4%(前月比5.1%減)。対して自民党は
28.7%で、政権交代後初めて自民党が民主党を上回りました。NHKの調査では民主党の同支持
率は20.8%(同1.4%減)で、自民党は17.9%(同1.8%増)。時事通信の調査では民主党の同支
持率は17.0%(同0.2%減)、自民13.2%(同1.0%減)。

■内閣支持率20.5%、政党は自民が逆転 ANN世論調査(テレビ朝日 2010年5月10日)
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/201005/index.html
■NHK世調 内閣支持率21%(NHK 2010年5月10日)
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/seijiishiki/list_seijiishiki1.html
■内閣支持続落、19%=普天間で49%「首相退陣を」−時事世論調査(時事通信 2010年5月14日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010051400611

しかし、私が注目したいのは、鳩山内閣と民主党の支持率が急落し続けている、という事実ではあ
りません。民主党が自民党から政権を奪取しておよそ9か月。この間、鳩山内閣は、不要なダム建
設の中止、凍結。各省庁の記者会見公開の方向性。沖縄密約訴訟における元外務省の高官であ
った吉野文六氏の法廷証言の許可などその政策において評価すべき点も少なくありません。が、
鳩山内閣はその評価すべき点以上にこの間失政に失政を重ねてきました。朝鮮人学校排除問題、
外国人参政権付与法案問題、夫婦別姓等民法改正問題、労働者派遣法「改正」問題、官僚・法制
局長官の答弁禁止問題、そして普天間基地「移設」問題などなど。鳩山内閣はこれほど公約違反、
憲法違反の失政を続けているのにも関わらず、いまだ19%〜21%の内閣支持率があります。い
ささか逆説的ではありますが、この鳩山内閣支持の声は何に由来するのか、というのが私の注目
したいところなのです。

私の好きなジェンダー研究者のイダヒロさんのブログの「沖縄基地問題とメディア」(2010年5月12日)
という記事(注1)の中に「低気温のエクスタシーbyはなゆー」さんのブログの「〔普天間〕日本テレビ
が報じる『沖縄県民の声』を疑問視する沖縄県民」(2010年5月9日)という記事(注2)が紹介されて
います。

注1:http://blog.zaq.ne.jp/spisin/daily/201005/12
注2:http://alcyone.seesaa.net/article/149346378.html

イダヒロさんは上記の記事で、報道各社の世論調査で民主党支持率が下落していることを憂い、
「沖縄で『自民党政権に戻って、ぜひきっちり辺野古に決めて欲しい』と思う人間は、少なくともわ
たしの周りには一人もいない。鳩山よがんばろうよ、迷えよという声が多い」という「真実」を伝え
ようとしてはなゆーさんのブログ記事を紹介されているわけですが、私はイダヒロさんとは違って、
はなゆーさんの同ブログ記事を「鳩山内閣支持の声は何に由来するのか」という観点から読みま
した。そうした観点からはなゆーさんの同ブログ記事を読むとイダヒロさんの読み方とは違う様相
が浮かび上がってきます。私の注目した点を中心に「沖縄県民」の声を拾うと次のようになります。

━━━━━━━━━━━
知花竜海(沖縄出身。ミュージシャン)
http://twitter.com/ChibanaTatsumi/status/13432639716
そりゃ怒りはあるけど、今ここでやめられたらもっとひどい事になる。だから鳩山さんに考え直し
てほしい。公約を守ってほしいと言った。

KEN 子(沖縄のミュージシャン)
http://twitter.com/KENKOOKINAWA/status/13388899935
押し付けて別案検討なく謝った事すらない前政権よりマシ。
http://twitter.com/KENKOOKINAWA/statuses/13521071822
今辞められたらもっと悪い総理に変わる方が恐い! まだ1年生の政府&首相の成長に期待
するしかない。
http://twitter.com/KENKOOKINAWA/statuses/13415469840
前政権では全く期待すらなかったからね。

江川紹子(ジャーナリスト)
http://twitter.com/amneris84/status/13371717324
このまま鳩山さんを辞めさせれば、今後、米軍基地について沖縄の負担軽減を具体的に約束
する政治家や政党は、少なくとも政権運営を目指す人や党の中からは当面、出てこない
のでは、と懸念する。喜ぶのはアメリカ。

やきとり(少年時代を沖縄ですごした。野球好き)
http://twitter.com/kensonmusic/status/13421074046
本当に批判すべきは鳩山ではなくアメリカだろ。日本人ってホントに馬鹿ばっかりだな。

館野公一
http://twitter.com/mandolinbum/status/13464285905
鳩山首相に、茶番だボンクラだと文句を言ってるのは例外なく本土の人間。沖縄の人は怒っ
ているけど、ここで辞められたらもっとひどいことになる、だから考え直してほしい、頑張って
ほしいと言ってる。
━━━━━━━━━━━

上記から読み取れることは、「沖縄県民」は、鳩山内閣を積極的な意味で支持しているという
わけではなく、「そりゃ怒りはあるけど、今ここでやめられたらもっとひどい事になる」、自民党
政権時代に逆戻りしては困る、といういわば消極的な「よりまし」論で鳩山内閣を支持している、
ということです。

こうした傾向は「沖縄」だけでなく、本土という「現地」でもたいして事情は変わりはありません。
この13日に国会内で自民、公明、共産、みんな、たちあがれ日本の野党5党の幹事長会談
が開かれましたが、そこで野党5党は「鳩山政権打倒」で共闘することで意見の一致を見た、
という報道がありました(産経新聞 2010年5月13日)。この報道に関して私の参加している
メーリングリストで少しばかり議論がありましたが、上記の野党のうち4党は明らかに「右から
の鳩山政権攻撃」であり、民主党・鳩山政権よりも反動的な立場で改憲、沖縄の基地問題ゴ
リ押しを進めようとする勢力である。そうした勢力との共闘に共産党が加担してどうするのだ
という批判がある一方で、その批判を補強する立場から「鳩山内閣が打倒されたら、普天間
基地は撤去され、米軍基地は縮小されるのか。自公は企業献金を廃止するのか」という批判
もありました。この批判も自民党よりも民主党の方が「よりまし」という論の一形態といってよ
いものです。

しかし、私は、上記の共産党批判自体には同意できるのですが、同時にこうした「よりまし」論
には重大な陥穽がある、とも思っています。それは、民主党政権がポシャれば自民党政権時
代に逆戻りする、という「思想的な2大政党制」といってもよいフレームの中でしか政権交代と
いう事態を把捉することができない陥穽、ということです。私たちの国の政党にはもちろん自
民党、民主党以外にもその他の保守政党はともかくとして革新政党として決して勢力は大き
いとはいえないものの共産党や社民党、新社会党などの存在もあるのです。民主党内のリ
ベラルな勢力がそうしたいわゆる革新勢力と共同してつくりあげる「よりまし・まし」政権の構
築ということも考えられないわけではありません。あるいはまったく不可能というわけでもあり
ません。

その可能性は必ずしも大ではないにしても、その可能性を探っていくのが革新市民の役割と
いうべきものではなかったでしょうか? 私たちは1970年代後半以降、長い間の保守的風
土のフレームにまみれてしまって、「思想的な2大政党制」ともいうべき陥穽にはまりこみ、そ
して、いつのまにかその革新市民の役割を忘れてしまったかのように私には思われます。私
たちの国の革新のためにそういう為体(ていたらく)でよいのでしょうか? 私たちはいま一度
「革新」の原初の志に還ってみる、あるいはとり戻す必要があるのではないでしょうか?

また、上記の「よりまし」論にはもうひとつの陥穽があります。それは、「鳩山内閣が打倒され
たら、普天間基地は撤去され、米軍基地は縮小されるのか。自公は企業献金を廃止するの
か」という批判、もしくは主張は、たとえば普天間基地問題に関しての鳩山首相、鳩山内閣の
公約違反の政治責任を追究することを「自民党政権時代に逆戻りしてよいのか」という主張
ともいえない主張によってなしがたくする、という陥穽をも持つということです。

上記の野党5党の合意のとおり仮に鳩山内閣が打倒されたとしても、民主党が衆院第一党
政党である限り、同党は必ず次の首班を立てます。これは明白なことです。だから、鳩山内
閣を打倒しよう、ということと民主党内閣を打倒しよう、ということとは当然意味が異なります。
このことは明確に区別する必要があるように思います。鳩山首相は普天間問題の5月末決
着に「職を賭す」とまで言ってきたのです。その首相の責任を追究するひとつの手段として
「鳩山内閣打倒」をいうのはきわめて筋のとおった話だろう、と私は思います。

「鳩山内閣が打倒されたら、普天間基地は撤去され、米軍基地は縮小されるのか。自公は
企業献金を廃止するのか」という批判、もしくは言説は、明白な公約違反をした政治家の暗
愚をなにもなかったことにしてしまう、という意味で、政治への「信」を失わせることに自ら加
担することを結果として表明してしまうことになる危険で、かつ誤れる言説というべきだろう、
と私は思います。自ら表明した「公約」を実現することができなければ政治家は辞任するの
が当然だ、という政治風潮をつくるべきです。そうでなければ政治はいつまでたってもよくは
なりません。そうした政治風潮をつくることをなしがたくする、という意味でくだんの言説はも
うひとつの陥穽といってよいものだと私は思います。

私はこれまで「鳩山内閣支持の声は何に由来するのか」ということについて論じてきました。
が、同時に私は翻って共産党の支持率は、自民党政権が終焉し、かつこれだけ民主党の
失政が続いているにも関わらず、なにゆえに3.3%程度にとどまっているのか、ということ
も考えます。今回のANNの5月度世論調査でも共産党の支持率は1.4%程度のごくごく
微小の上げ幅にとどまっています。共産党は民主党政権に優位するさまざまな政策提言を
保持する政党であると認められることはあるにしても、有権者にはあらたな政権交代を託
すにたるフレーム政党としては決して認められません。なにゆえにでしょうか?

それは私の見るところ、上記のような「右からの鳩山政権攻撃」を仕掛けているのが明らか
であり、かつ、民主党・鳩山政権よりも反動的な立場で改憲、沖縄の基地問題ゴリ押しを進
めようとする勢力であることも明らかな右翼的野党4党と鳩山政権追い落としのために結託
するという教条的な政治姿勢をとり続けていることにおおいに関係があります。

共産党のこうした物事(政治の大局)をカチンコチン(教条的、公式的、観念的)にしか捉え
ることのできない見方、政治観を彼のレーニンは「左翼小児病」(「共産主義における左翼
小児病」 1920年)的と名づけてその傾向に陥ることを厳しく戒めているのですが、日本共産
党はこれまでこのレーニンの言葉を何度も引いていわゆる「極左」主義者たちを限りなく非
難してきた「堂々」たる党史を有しているにも関わらず、自らがこの救い難い「左翼小児病」
の長患いの患者であることには同党指導部はもちろん、その指導部の無謬神話(少しの誤
謬は認めたことがあるにせよ)を信じてやまないほとんどの無垢の党員はまったく気づいて
いません。そのことの意味に共産党が気づかなければ、共産党は決して国民の期待にいつ
までも応えることはできないでしょう。これは逆説的な意味で「反革命」的なことだいえないで
しょうか? 共産党にはこの自らのカチンコチン性(教条的、公式的、観念的)が政治革新
をなしがたくしている大きな要因のひとつになっていることを一日も早く気づいてほしいもの
だ、というのが一革新市民の徒としての私の願いです。

参考1:[上]鳩山内閣の19%〜21%の内閣支持率はどういう声に支えられているか 共産
党の支持率はなにゆえに3.3%程度どまりなのか
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/3683939.html
参考2:[下]鳩山内閣の19%〜21%の内閣支持率はどういう声に支えられているか 共産
党の支持率はなにゆえに3.3%程度どまりなのか
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/3683973.html

東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi



CML メーリングリストの案内