[CML 004118] 二子玉川再開発の公共性を問う補佐人意見陳述

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 5月 16日 (日) 09:44:16 JST


東京都で進められている二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業の審査で、都市工学の専門家である岩見良太郎・埼玉大学教授が2010年5月21日13時30分から15時まで世田谷区玉川総合支所4階会議室にて補佐人として意見陳述する。
http://www.janjanblog.com/archives/2454
二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業は東京都世田谷区玉川に超高層ビルなどを建設し、オフィスやホテル、商業施設などにする計画である。この事業計画に対して近隣住民などから都市再開発法第16条に基づき199通の意見書が提出され、圧倒的多数の191通が反対意見であった(林田力「二子玉川東地区まちづくり協議会が陳情審査結果を報告」JANJAN 2010年3月15日)。意見書提出者による口頭意見陳述も4月20日から開始された(林田力「二子玉川再開発事業計画への口頭意見陳述開始=東京・世田谷」PJニュース2010年4月21日)。

http://news.livedoor.com/article/detail/4729735/

この口頭意見陳述者16名による参考人の申し立てが補佐人陳述の発端である。意見書の審査は行政不服審査法の規定を準用しており(都市再開発法第16条第4項)、それに基づいて意見陳述者らは参考人の意見陳述・鑑定を申し立てた。

最初に1月28日と2月4日に東京都都市整備局市街地整備部民間開発課に口頭で申し入れ、2月12日には過去の区画整理事案で実際に採用された参考人の意見陳述事例を提示した。さらに3月19日には「意見審査にあたっての申立書」と題する書面を提示して、予定する参考人の詳細と必要性を述べた。これに対して都側は「行政不服審査法第25条第2項の補佐人としてならば許可する」旨を回答した。

意見陳述者側は4月9日付で「参考人の陳述、鑑定を求める申立書」を提示し、改めて参考人の採用を求めた。意見書の審査手続きを「単なる反対者の「ガス抜き」のための形骸的な手続きであってはならず、実質的なより多くの住民に受け入れられる計画に作り替えるための都市計画法の目的「公共の福祉」実現のための、都市再開発法の根幹をなす手続である」と主張した。

しかし、都側は補佐人としての陳述を譲らなかった。但し、数十人が傍聴できる場所を会場とすることで、意見陳述者側の要望にも配慮した。既に建築や大気汚染の専門家らによる補佐人陳述が5月13日に行われた。

岩見教授は手続きの経過や上位計画などの精査から、二子玉川東地区再開発事業は都市計画としての公共性に欠けると指摘する。大規模地権者である東急電鉄・東急不動産ら東急グループの私的利潤追求行為に特化しており、都市計画決定段階で数多くの違法性が認められるとする。

二子玉川の再開発が公共性に欠けるとの指摘は、再開発の内容が営利施設(オフィス、ホテル、商業施設)で占められていることから非常に理解しやすい。しかも現在の経済状況では産業政策としても営利施設を建設することに合理性はない。

景気低迷でオフィス需要は乏しい。東京23区のオフィスビルの継続賃料の平均改定率(2009年)はマイナスであった(シービー・リチャードエリス総合研究所「全国オフィスビル賃料改定動向」2010年4月27日)。都心部でも賃貸料の安い築浅のオフィスビルが余っている状態である。

商業施設についても、二子玉川には既に高島屋がある。再開発第1期事業で2010年4月28日に先行オープンした「二子玉川ライズ オークモール」「二子玉川ライズ バーズモール」も大して注目されなかった。このように二子玉川東地区再開発の内容が産業政策としても不合理な内容になっている背景として、都市計画決定時点での誤りを指摘する岩見教授の主張は興味深い。誤ったINPUTから誤ったOUTPUTが作られる一例である。

林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
http://hayariki.weebly.com/
http://www51.tok2.com/home/hayariki/
市民メディアHAYARIKI
http://hayariki-d2.r-cms.jp/



CML メーリングリストの案内