[CML 004079] 鳩山首相の米海兵隊抑止力論の意味

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 5月 13日 (木) 20:03:01 JST


【PJニュース 2010年5月13日】鳩山由紀夫首相は5月4日に沖縄県を訪問し、「普天間の機能を国外、あるいは県外にすべて移設することは難しい」と述べた。米海兵隊の抑止力を理由とした米軍普天間基地の全面県外移設断念は左右両派から無定見であると批判されたが、日本の安全保障の本質を突いている。

当初、鳩山首相は海兵隊が沖縄に駐留することが抑止力になるとは考えていなかった。しかし、学習を深めた結果、パッケージとして位置付けることで抑止力が維持できるという思いに至ったとする。
http://news.livedoor.com/article/detail/4766094/
http://www.pjnews.net/news/794/20100512_6
海兵隊が抑止力にならないと鳩山首相が考えたことは正しい。海兵隊は遠征の尖兵であって、日本防衛のための部隊ではない。現実に在沖縄海兵隊の多くは訓練やイラクやアフガニスタンなどへの派兵で不在にしており、日本防衛の任に就くことは物理的にも難しい。

米軍が基地を置くことが抑止力になるとする見解がある。日本を攻撃すれば必然的に米国も巻き込まれるために攻撃を控えることになると期待する。しかし、それは海兵隊でなければならない理由にはならない。沖縄県には在日米軍基地の75%が集中し、面積の約10%が米軍基地である。この状態で普天間基地1つが閉鎖したことで抑止力に穴が生じると主張するならば、普天間基地の日本防衛に果たす価値を立証しなければならない。

そもそも抑止力とは侵略を思いとどまらせる力である。もし米国が日本の侵略を絶対に許さないという意思を世界に示しているならば、日本に米軍が駐留しなくても米軍は十分に抑止力になる。反対に米国に日本を守るという意思がなければ、米軍が日本に駐留していても抑止力にならない。実際、米国は尖閣諸島(釣魚台)や竹島(独島)の領土紛争には介入しない姿勢を見せている。

米軍は日本政府の意思で動かせるものではないため、米軍を抑止力とする上で決定的に重要な要素は米国の意思である。米国は日本とは別の国であり、利害関係も完全に一致しない。従って日本が守って欲しいと思う状況と、米国が守りたいと思う状況も一致しない。米国にとっては、米国にとっては都合の良い日本ならば守るが、そうでないならば守らないことが合理的になる。

そのために米国が海兵隊の運用上の都合のためにヘリ部隊の基地を沖縄県内に置くことを望み、それが実現できなければ日本を守らないとまで主張したならば、それに応えなければ抑止力を維持できない。この点がパッケージとしての抑止力に鳩山首相が思い至らされた深層であると考える。鳩山首相は批判されるような勉強不足ではなく、その発言には他国の軍を抑止力とすることの問題点を明確にしたという価値がある。【了】

林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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