[CML 004070] 産能大街のイメージ調査と二子玉川再開発のギャップ

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 5月 12日 (水) 20:04:04 JST


【PJニュース 2010年5月12日】産業能率大地域マネジメント研究所のアンケート調査で明らかになった二子玉川のイメージは、二子玉川東地区再開発(街の名称:二子玉川ライズ)とのギャップを改めて印象付けた。同研究所は2010年5月7日に東京都内の5つの街、自由が丘(目黒区など)、代官山(渋谷区)、下北沢(世田谷区)、二子玉川(同)、吉祥寺(武蔵野市)のアンケート調査結果をまとめた。

アンケート調査は東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の男女1500人を対象として2009年9月に実施した。商業地や住宅地としての印象、一緒に訪れたい相手などについて、インターネット上で質問した。自由が丘は「おしゃれな街」、代官山は「高級な街」、吉祥寺は「いろいろな店がたくさんある街」、下北沢は「若者の街」のイメージが強いという結果になった。
http://news.livedoor.com/article/detail/4764241/
http://www.pjnews.net/news/794/20100512_1
二子玉川のイメージは「緑が豊かな街」で、子育て期や定年後に住みたい街として支持された。この反面、「おしゃれ」「高級」「庶民的」「大人」のイメージ調査では中間に位置し、特徴を示すことができなかった。また、「若者」「いろいろな店がたくさんある」「有名な店・老舗がある」「行ってみたい店がある」のイメージ調査では他の街に差をつけられた。

まとめるならば二子玉川は子育て世代とシニア世代に支持される緑が多くて落ち着いた生活の街となる。この点で緑地だった場所に高層ビルを建設し、マンションや商業施設、オフィス、ホテルにする再開発は二子玉川の特徴を壊すことになる。

第1にオフィスビルやシティホテルは子育て世代と高齢者の街に明らかに不似合いである。

第2に超高層マンションは子育て世代と高齢者の居住には向いていない。高層階では体感できないレベルのものも含めて揺れがある。また、地上へ出るのに時間がかかる高層階住民は外出や人との接触の機会が減る。これらが心身に悪影響を及ぼす。

特に出勤などで毎日外出する必要性がない主婦や高齢者への影響が大きい。子どもの自立発達も遅れる。加えて、高層階居住の妊婦の流産率は低層階居住の妊婦よりも高いという研究結果もある(逢坂文夫「高層居住における健康面からの影響」住宅56巻2号、2007年)。この点は再開発事業計画審査時の意見書及び口頭意見陳述でも以下のように指摘された(東京都「意見書及び口頭陳述要旨整理表」)。

「超高層ビルは、その居住者が近隣との接触等が少なくなり社会性を欠く傾向が強まる。また、子どもの健全なる生育に支障がある」

第3に商業施設についてである。アンケート調査では二子玉川が他の町に比べて、魅力的な店があるというイメージが乏しかった。足りないものを補うという点では再開発で商業施設を拡充するという方向性には一理ある。

しかし、下北沢のような街の性格を形作る魅力的な店舗の蓄積は歴史的なものであり、再開発で集まるのかという問題がある。実際、再開発ビルに入居する料理店にはコスト・パフォーマンスの良い店はないと指摘される(友里征耶『ガチミシュラン』講談社、2008年、10頁)。

この点についても意見書及び口頭意見陳述では厳しい声が続出した。

「商業都市は渋谷や用賀があるので、ここには必要ない」
「業務床を作っても、六本木や丸の内のように人の集まるところであれば活性化するが、二子玉川では人が集まらない。商業にしても田園都市線を使用する人は渋谷へ流れてしまう」
「都心のいくつかの再開発を見ても、結局同じような店舗が並び個性がない。これ以上大規模再開発は無駄である」

産能大の調査対象となった5つの街は5つとも評判の高い魅力的な街である。調査結果によって、それぞれが突出したイメージを持っていることが明らかになった。この点でビジネス中心の再開発は二子玉川のイメージを弱くしかねない。緑が豊かで子育て世代や高齢者が住みやすいというイメージを損なわずに伸ばしていくことが二子玉川の街づくりの課題になる。【了】

林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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