[CML 004029] 二子玉川再開発公金支出差止訴訟判決言渡日決定(上)

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 5月 9日 (日) 11:19:30 JST


【PJニュース 2010年5月9日】東京地方裁判所に係属中の二子玉川再開発に対する公金支出の差し止めを求めた訴訟(平成19年(行ウ)第160号公金支出差止請求事件)の判決言渡日が決定した。東京地方裁判所522号法廷にて2010年5月25日に言い渡される。

この裁判は世田谷区による二子玉川東地区第一種市街地再開発事業(街の名称:二子玉川ライズ)への補助金支出が違法であるとして、世田谷区民約130名が世田谷区を提訴した住民訴訟である。住民訴訟とは地方公共団体による公金の違法な支出に対して住民が提起する訴訟で、地方自治法を根拠とする。

住民側は都市公園の位置変更に関する都市計画決定(1989年6月16日)や事業認可組合設立決定(2005年3月4日)が違法であるため、その違法な決定に基づく二子玉川再開発への補助金支出も違法であると主張する(先行行為の違法性の承継)。

具体的には再開発地域の85%以上を所有する東急グループが世田谷区長と密約し、都市公園予定地を二子玉川駅から離れた場所に移動させ、東急グループの営利のために超高層ビル建設中心の再開発にした。これは都市計画公園・風致地区・景観重視という二子玉川の都市計画の方向性に逆行し、都市再開発法第4条第2項第1号「道路、公園、下水道その他の施設に関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合するように定める」などに違反する。

二子玉川再開発に対しては再開発組合を被告とする再開発事業の差止訴訟(民事訴訟)も提起されている(林田力「二子玉川再開発差し止め訴訟控訴審証人尋問(上)」PJニュース2010年4月14日)。
http://news.livedoor.com/article/detail/4717010/

そこでは住民側から再開発事業が周辺地域の洪水被害を増大させると主張・立証されているが、その証拠は住民訴訟でも提出された。それに基づき、広大な人工地盤・巨大な地下建造物を建設する再開発事業は都市型水害の被害の拡大を招き、周辺住民の生命・身体・財産に甚大な被害を生じさせると結論付ける。これは都市再開発法第4条第2項第2号「当該区域が、適正な配置及び規模の道路、公園その他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるように定める」に違反すると主張する。

世田谷区側は都市計画決定などの違法性を争い、また、先行行為に瑕疵があったとしても行政訴訟の公定力理論から、先行行為が取り消されていないために補助金支出は違法ではないと反論する。

住民訴訟では二子玉川再開発が公共の福祉に合致するかが争点となった。市街地再開発事業が公共の福祉に合致すべきであることは、誰もが同意できる大前提である。しかし、公共の福祉は抽象的な言葉であり、何が公共の福祉であるかは明確ではない。
都市再開発法第1条では法律の目的を以下のように定める。

「この法律は、市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定めることにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り、もって公共の福祉に寄与することを目的とする」

ここでは「土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新」によって、「公共の福祉に寄与する」という流れになる。「土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新」(以下、高度利用など)と公共の福祉との関係が問題になる。

高度利用などとは細分化している土地をまとめ、古い建物を壊し、高層の建物を新たに建設し、都市のインフラを整備することである。これは再開発で行うことそのものである。これによって公共の福祉への寄与を目指すことが都市再開発法の考え方になるが、両者の関係について2つの考え方が成り立つ。

林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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