[CML 003194] 「『欲しがりません勝間では』という勝間和代氏批判」余禄

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2010年 3月 3日 (水) 12:55:53 JST


閑話休題的な話題ではありますが・・・

2月24日から同25日にかけてジュネーヴで開かれた人種差別撤廃委員会(CERD)の日本政府
第2回報告書の審査にNGOの一員として参加されていた前田朗さん(在日朝鮮人人権セミナー
事務局長、東京造形大学教授)が同審査傍聴記を「グランサコネ通信」という形で書かれています
が、その平成22年3月1日付(注:原文のまま。前田さんが元号を用いられている意図がよくわか
りませんが、元号が天皇暦というのであれば、西暦もキリストの生誕から数える宗教暦にすぎない。
そうした西欧流の習慣に感染(かぶれ)る必要はない、という本田勝一さんのような考え方もあり、
前田さんももしかしたらそういう考え方なのかもしれません)の記事に「車中の読書」という項があっ
て、その中で前田さんは前田流の香山リカ、勝間和代評価をしています。その評価に私としても大
きく首肯するところがありましたので、下記に紹介させていただこうと思います。

■グランサコネ通信2010−08(前田朗ブログ 平成22年3月1日)
http://www.maeda-akira.net/

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ベルンへの往復の車中。
*
香山リカ『しがみつかない生き方−−「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』(幻冬舎新書、
2009年)――「カツマーvs.カヤマー論争で話題のベストセラー」「2009年年間第1位!」だそう
です。知りませんでした。この著者の本は10年以上前に1冊読みましたが、私とまったく関係な
いことが分かったので、その後は読んでいません。今回はまとめ買いした中に入っていました。
一方のカツマー(勝間)さんのほうも読んだことがありません。大々的な広告はよく見かけますが。
論争の中味や詳しいことは知りませんが、私は「カヤマー派」のようです。本書の結論は「ふつう
にがんばって、しがみつかずにこだわらずに自分のペースで生きていけば、誰でもそれなりに幸
せを感じながら人生を送れる。それで十分、というよりそれ以外の何が必要であろうか」です。賛
成です。もっとも、この結論を引き出すために、本書の中で何度も何度も「25年間、精神科医と
して、診察室で・・・」と繰り返している意味がわかりません。臨床実務を続けていることを強調し
たいのでしょうが、内容・結論と精神医学の間に何かの関係があるとは思えません。学問ですよ、
ってどうしても言いたいのかな。他方のカツマーさんは、学問です、って言ってるのでしょうか。多
分、違うはず。ともあれ、私は30年以上前から同じ結論に達していました。お金に嫌われて、し
がみつく暇もなかったし(笑)。
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前田さんが上記で触れているカツマー(勝間)さんについては私も大々的な広告はよく見かけ、
それだけに胡散臭いものを感じて食指もまったく動かず、まっ、食わず嫌いもアレなので「どん
なもんやろ」と本屋でパラパラと立ち読みした程度にしか読んだことがないのですが、胡散臭さ
はいっそう募るばかりでした。そういうとき、下記のようなカツマー評を見つけました。すなわち、
「欲しがりません勝間では」という村野瀬玲奈さんの評、もしくは村野瀬さんが引用している「愛
と苦悩の日記」ブログ筆者の評。

たとえば「愛と苦悩の日記」ブログ筆者の評は次のようなものです。

「勝間和代は、明らかに、人生における成功や失敗はすべて本人の自己責任だと主張してい
る。こうした自己責任論は、すべての人間に 『完全に』平等にチャンスが与えられている社会
においてのみ、正しい。しかし、現在の日本は残念ながら、すべての人に完全に平等にチャン
スが与えられているわけではない。(略)格差が固定化しつつある社会において、自己責任論
をとなえるのは、間違っている」(平林都と勝間和代は「ちっちゃな全体主義者」である)。

「勝間和代って人は、ほんとに 『困ったちゃん』 だなぁ。勝間和代が、香山リカのベストセラー
『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)への反論として書いた『やればできる―まわりの人と
夢をかなえあう4つの力』を本屋で立ち読みして、そう思った。最初に言っておくと、この『やれ
ばできる』という本は、買ってまで読む価値は全くない。本屋で立ち読みすれば、 5分で内容
がわかる。なのでここにも商品リンクは貼り付けない」 (勝間和代 『やればできる』 は究極の
「困ったちゃん」)

実に当たっている。すっきりした名論、だと私は思いました。そして、私が本屋の立ち読みで
彼女を見切ったのは正解だったのだなあ、と思いました。

■欲しがりません勝間では(村野瀬玲奈の秘書課広報室 2010年2月8日)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1620.html
■平林都と勝間和代は「ちっちゃな全体主義者」である(愛と苦悩の日記 2010年1月3日)
http://tod.cocolog-nifty.com/diary/2010/01/post-a3ec.html
■勝間和代『やればできる』は究極の「困ったちゃん」(愛と苦悩の日記 2010年1月7日)
http://tod.cocolog-nifty.com/diary/2010/01/post-8221.html
■勝間和代、無自覚な成功者の発する言葉の「残酷」さ(愛と苦悩の日記 2010年1月8日)
http://tod.cocolog-nifty.com/diary/2010/01/post-5fda.html

保守、革新を問わず、私たちの国のひとびとの有名人好き、あるいは有名人病には呆れ
果てるものがあって、この点において私は、いわゆるサヨクのひとびとの人物鑑識眼にも
大いなる不信感を感じているのですが、ヘタをすれば、この勝間和代という人ももしかした
らサヨクの主催する講演の売れっ子講師にならないとも限らない(「内容・結論と精神医学
の間に」何も関係がないのに、「何かの関係がある」ように言う香山リカはすでにサヨクの
売れっ子講師的な存在になっています)。そういうおそれを私は感じているものですから、
あえてどうでもよいような人物の話を話題にしているしだいです。

現に勝間和代氏はいま、内閣府男女共同参画会議議員、内閣府男女共同参画会議「仕事
と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会」専門委員なども兼任していま
す(上記の委員会がむろん「革新」的というわけではありませんが)。産経の2010年2月26日
付の記事によれば、カツマーさんはさらに国土交通相の諮問機関「社会資本整備審議会」
の「自民党寄り」としてクビをきられた有識者12人の後任委員のひとりとしてその起用も決
まったようです(同産経記事によれば後任の委員は「民主党寄り」とみられているそうです。
つまり、カツマーさんは、ときの政権にいち早く擦り寄る能力では秀でた人、変わり身の早
い人、ということなのでしょう)。

前田さんの香山リカ、勝間和代評価を読みながら、俗の俗なるものの謂でしかない「権威」
などにおもねることもなく、真っ直ぐにものを見つめようとする態度を保持する人の眼の同
一になる妙のようなものを思いました。


東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp






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