[CML 004768] 東急不動産の文京区小日向マンションが高さ違反

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 6月 30日 (水) 20:06:07 JST


東急不動産は2010年5月23日付で、東京都文京区小日向4丁目の新築分譲マンション計画「(仮称)小日向プロジェクトII」の建築確認申請を取り下げた。東京都から北側斜線・第3種高度の制限区域において、建築確認の不備の指摘を受けたことが理由である。建築工事も中断した。

「(仮称)小日向プロジェクトII」は東急不動産による複合開発の一環で、建設地は春日通りに面する。地上22階建て、戸数約100戸のマンションである。施工は鹿島建設東京建築支店、設計は野生司環境設計、アークロード一級建築士事務所である。民間の指定確認検査機関「日本建築センター」が2008年12月に建築確認を下ろした。竣工予定は2012年とする。同じ開発街区では新築分譲マンション「ブランズ文京小日向 レジデンス」の建設が先行しており、こちらは2010年7月竣工予定である。
http://www.janjanblog.com/archives/7531
「(仮称)小日向プロジェクトII」の問題は隣接するレクサス小石川販売から空中権を購入して高層マンション(100m規模)を建設する点にある。このために近隣住民からは「レクサス・マンション」とも呼ばれている。高層マンション建設に対しては、住民団体「春日通りの街並みと生活環境を考える会」をはじめとして、近隣住民らによる反対運動が起きている。

反対運動では空中権や連坦制を名目に本来ならば建設できない高さのマンションが建設され、周辺から突出してしまうことを問題視する。同じ敷地で同じ所有者ならば兎も角、売却した敷地に別の所有者が建設する建物に容積率を譲ることは不可解である。袋小路の奥の空地利用などを念頭とする連坦制を利用して、大通りである春日通り沿いに高層ビルを建設することは制度の濫用であると主張する。

文京区には教育機関や寺社、墓地など容積率の余った土地が多い。そのため、連坦制の悪用が許されるならば高層ビルが乱立する危険もある。その点で反対運動は建設地周辺だけの問題ではない。また、高層建築による風害も指摘する。
http://news.livedoor.com/article/detail/4854362/
http://www.pjnews.net/news/794/20100626_6
「(仮称)小日向プロジェクトII」の敷地西側は第二種住居地域になっている。建物北側の日当たりを考慮して都が定めた高さ制限「第三種高度地区」を適用すると、最高9階までしか建てられない。この違反は近隣住民の指摘によって明らかになった。その中での建築確認申請取り下げ・工事中断であり、「春日通りの街並みと生活環境を考える会」では会報で「彼ら(注:東急不動産ら)は違反建築物を建てようとしていたことを認めたことになります」と評する。

東急不動産側は5月29日付で、近隣住民向け文書「「(仮称)小日向プロジェクトII」新築工事 工事中断について」を配布した。また、2010年6月12日19時から文京区立アカデミー茗台にて説明会を開催した。東急不動産側は「建築確認が下りた物件を再チェックすることはない」と説明したという。耐震強度偽装事件で嫌というほど見せられたデベロッパーの無責任体質が、ここにも表れている。(林田力 『東急不動産だまし売り裁判』著者)



CML メーリングリストの案内